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それでも俺らは恋がしたい

第3話 - それでも俺らは恋がしたい 3話

2022年02月25日

#シェアハウス

#7人

#BL

ささみ

『あとは任せたぞ、一颯葉坪』

一颯葉坪

（うわ、みんなの圧凄。）

一颯葉坪

（めっちゃ見てくるじゃん）

宮野悟

ふんっだ！

一颯葉坪

はぁ…

一颯葉坪

ほらよ。『狼』。

一颯葉坪

このちょっと高い牛肉でも食べてろ

宮野悟

えっ！高級肉？！

目をキラキラさせ、葉坪を見る

一颯葉坪

うん、ほら、お食べ

宮野悟

おおきにっ！

葉坪がテーブルに高級を出し、即座に悟は食べ始めた

月城響

ナイスやわ。流石、分かっとるんやな

一颯葉坪

当たり前。どれだけこいつといると思ってんの？

八神徹

いや待て。今こいつの事『狼』言うたか？

一颯葉坪

（あ、やべ。）

一颯葉坪

（そういうのは内緒にしろって言われてんだった…。）

一颯葉坪

（こりゃ、怒られるのは確実だな）

月城響

確かに。狼言うたな

一颯葉坪

あ〜、狼みたいだから…？そう、言っただけ…っていうか、なんと言うか…？

月城響

なんで疑問形やねん

宮野悟

んふ〜っ、美味っ！

一颯葉坪

狼やないで

一颯葉坪

単なるちょっと変わった人間

八神徹

たしかに、かれこれ2年一緒におったけど、変やな

月城響

せやな、獣耳生えとるし

宮野悟

ん、美味かったわ

宮野悟

ごちそうさん

一颯葉坪

ん、良かった。

宮野悟

で。内緒にしとけ言うたよな

一颯葉坪

うわ、聞こえてたのかよ…。

一颯葉坪

最悪…

宮野悟

まぁ、でも。俺が何者かは詳しく知らん方がええよ

一颯葉坪

うん。知って損するだけ

八神徹

そうなん？

一颯葉坪

うん。

宮野悟

葉坪。後で部屋来ぃや。

一颯葉坪

あ、うん。

一颯葉坪

ほんとごめんな、悟

ボソッと呟く

宮野悟

ん、なんか言うたか？

一颯葉坪

いや、なにも。

宮野悟

そか。

八神徹

あれ？いつの間にか昴おらへんくなっとるけど

月城響

は？

月城響

消えた？

一颯葉坪

あ、さっき『ゲームやってくるわ』って言ってたよ

月城響

彼奴…。ホンマに陰キャやな

八神徹

せやな。

宮野悟

んじゃ、先部屋行っとるからな。

宮野悟

覚悟決めてから来ぃや

一颯葉坪

了解。

悟は2階へ行き、部屋に戻った

一颯葉坪

はぁ…。ほんとに怖。

一颯葉坪

めっちゃ言われるんだろうな…

月城響

…そう言えば秘密言うてたけど、なんか合ったん？

一颯葉坪

せやから、聞かない方が──

八神徹

大丈夫や。俺らは誰にも言わへんで

一颯葉坪

…ほんとに？

月城響

おん、ほんまや

一颯葉坪

信じていい？

八神徹

おん、信じてくれた方が嬉しんやけど

一颯葉坪

わかった。信じる

しばらくして悟の部屋にやってきた葉坪

宮野悟

グルルル…。

一颯葉坪

ハイハイ、唸らないの

宮野悟

なんで言ったん？

一颯葉坪

皆、聞いてないと思ってたから。

一颯葉坪

あの二人で喋ってたから、聞いてないかと思ってな

宮野悟

声量ってもんを考えて欲しいわ

一颯葉坪

ごめん

宮野悟

お詫びに『撫でてや』

一颯葉坪

え？

宮野悟

動物って、撫でられるの嬉しいんやで

一颯葉坪

いや、知ってるけど…おまえ、どちらかと言えば、人間じゃね？

宮野悟

…狼の血の方が少し多いんやけど。

一颯葉坪

あ、そうなの？

宮野悟

おん。

宮野悟

せやから、機嫌戻して欲しけりゃ、撫でてや

宮野悟

…撫でて欲しいねん

一颯葉坪

はぁ…わかったよ。

嬉しそうに待つ悟に呆れた顔で頭を撫でる

宮野悟

ん。

宮野悟

んふふ、

耳をペコッと横にたおし、嬉しそうにする

一颯葉坪

（こうやって見ると、本当に狼なんだな。）

一颯葉坪

（凄い嬉しそう。）

宮野悟

あ、そう言えば。お前、2人に言うたやろ

一颯葉坪

え？何が？

宮野悟

何が？ちゃうねん。

宮野悟

隠しきれんくてバラしたやろ

一颯葉坪

あ〜…

一颯葉坪

信じていい？

八神徹

信じてくれた方が嬉しんやけど

一颯葉坪

わかった。信じる

一颯葉坪

実は…悟。ただの人間じゃないんだよ

月城響

おん。言うてたな。ちょっとヘンって。

一颯葉坪

うん。

八神徹

どういう事や、普通の人間ちゃうって。

一颯葉坪

見ての通り、彼奴は獣耳生えてる。

月城響

何が言いたいん？

一颯葉坪

結論から言うと、彼奴は人間ではなく、動物。

一颯葉坪

生まれつき耳が生えてたらしい

一颯葉坪

本人曰く、ただの人間でも、猫でも犬でもない。

一颯葉坪

一番近いのは狼。

八神徹

つまり、アレやろ？

八神徹

人間の血と狼の血が混ざっとるんやろ？

一颯葉坪

うん、そういうこと

月城響

へー。成程な

一颯葉坪

誰にも言わないでね

一颯葉坪

今から俺、悟の部屋に行くけど、誰にも言うなよ

一颯葉坪

言ったら…マジで覚えとけよ

八神徹

大丈夫やって！

月城響

信頼してへんの？

一颯葉坪

そういうことじゃないけど…。心配だから。念押し

八神徹

ハイハイ。ほな、悟の部屋行って、説教食らってきぃや

一颯葉坪

うん、行ってくる

一颯葉坪

ごめん、言った

宮野悟

口堅かったんとちゃうん？

一颯葉坪

あれは、…ほんとにごめん

一颯葉坪

ほんと、アレは…気が緩んだ

宮野悟

はぁ…まぁええわ

一颯葉坪

でも、ちゃんと言っといたから。

一颯葉坪

誰にも言うなよって。

宮野悟

ふーん、ならええ。

宮野悟

……ってか、いつまで撫でてくれんの？

一颯葉坪

え？あ、嫌だった？

俺は思わずずっと撫でていた

無意識に。

宮野悟

嫌やないけど…

一颯葉坪

んじゃ、今日はこれだけね。また撫でて欲しかったら呼んで。

宮野悟

ん。了解や

リビングへ帰ってきた2人

八神徹

ったらしいんよ

水瀬英

へー、そうやったんやな

宮野悟

戻ってきたで〜

八神徹

お、帰ってきよったな

一颯葉坪

うん、

水瀬英

おかえり

水瀬英

あ、ねぇ、夕飯まだ？

一颯葉坪

なに、お腹すいたの？

宮野悟

俺も腹減ったわ〜っ！

一颯葉坪

はいはい、今作りますよ

キッチンに向かった葉坪

一颯葉坪

そう言えば2人で何話してたん？

八神徹

まぁまぁまぁまぁ…ね？

水瀬英

せや。

一颯葉坪

いや、濁らすなよ

一颯葉坪

余計怪しいだろ

水瀬英

まぁ…な？

水瀬英

そういうことや

一颯葉坪

いや、どういう事だよ。全く分かんねぇよ

八神徹

まぁ、ええか

八神徹

隠すことやないし…でも、多分怒るで。お前ら

水瀬英

確かに…怒るかもしれへんな

一颯葉坪

え？何？

八神徹

実はな───。

それでも俺らは恋がしたい

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ささみ

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