僕は重い扉を開けた
母さんが出迎えてくれる、と
そう…信じて
漣
ただいま、母さん
月
ただいまー!
母
おかえりなさい
漣
どうしたの?母さん
漣
この時間に帰ってるなんて珍しいじゃん
母
少し熱でね…
母
会社を早退したわ笑
月
熱!?大丈夫なの??
母
大丈夫よ!
母
病院にも行ったけど異常なしだったから
漣
まぁ医者の話なら大丈夫だな
漣
今日は俺が夕飯作るよ
月
そうだった!
月
月が和食って提案したの!
母
え…でも、いいの?
母
漣のしたい事とかあるんじゃないの?
漣
そんなの無いよ笑
漣
大丈夫
漣
それに何か作るのは楽しいしね
そう言った僕はキッチンに向かい調理を始めた。
鍵が開いていたのは、母さんが、早退したからだったんだぁと思った
漣
単なる思い過ごしで良かった!
と、テレビの前に座っている2人を見ながら思い、
ほんの少しだが、笑う事が出来た
緋奈乃
それでさー!
漣
あぁ、はいはい
緋奈乃
ちゃんと聞いてるの?
漣
当たり前だろ。
漣
ちゃんと聞き流してるよ
緋奈乃
何だって??
漣
なんでもない
夕食を食べ終わり、片付けも終わった僕は
緋奈乃と電話をしていた
漣
んで、どうすんだ?
漣
今週末のやつは
緋奈乃
そうそう!それで電話かけたの
緋奈乃
ほら新しく出来た遊園地あるじゃん?
緋奈乃
あそこ行きたいの!
漣
あー、あれか
漣
まぁ、いいだろ
緋奈乃
やった!楽しみだなぁ笑
今週末、緋奈乃と出掛ける事になってた
それの打ち合わせをしただけなんだが…
漣
何でこんなにテンション高いんだ
緋奈乃
何か言った?
漣
いや、何でもない
緋奈乃
(気付かれてないよね…)
緋奈乃
(私が漣を好きな事…)
緋奈乃
じゃあ、土曜日の10時に集合ね!
漣
俺が家行くよ
漣
緋奈乃の家
緋奈乃
え、え、え!?
緋奈乃
いいの!?
漣
いいから言ってるんだろ
漣
てか、何でそんなに喜んでるんだよ
緋奈乃
え、あ、うん
緋奈乃
ありがと!
絶対話し逸らしたよな今
何だってんだ
漣
もう22:00だぞ
漣
寝ないのか?
緋奈乃
漣が寝るなら寝るよ?
漣
じゃあ寝るぞ
漣
おやすみな
緋奈乃
うん!おやすみ
緋奈乃
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通話
01:14:28
翌朝、今日も緋奈乃と登校してる
漣
昨日のおかげで今とてつもなく眠いんだが
漣
どうしてくれるんだ?
緋奈乃
そ、そんなの私に言わないでよ
緋奈乃
電話に付き合ってくれたの漣だし
漣
嘘だよ笑
漣
そんな真面目になるなって
緋奈乃
漣がからかうからぁー!
漣
すまんすまん笑笑
緋奈乃の照れる顔が可愛くて
僕は久しぶりに思いっきり笑った
漣
緋奈乃といたら…
緋奈乃
ん?
漣
何でもできる気がするな
漣
それに、楽しい
緋奈乃
え…
緋奈乃
嘘でしょ?
緋奈乃
頭でも打ったの?
漣
お前人の善意を踏みにじるなよ
緋奈乃
だって漣がそんな事…
そう言いかけた時、
いや正確には聞きかけた時僕は
左から来たトラックに50m程度飛ばされた
視界が赤く黒く染まっていった…






