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本を読むと
何にでもなれて
何だってできる気がすると
彼女は言った
あやの
あやの
あやの
たくま
たくま
たくま
たくま
たくま
たくま
あやの
あやの
君はどんな顔をしていて
どんな表情で
その本を読んだの?
どんなことを考えた?
何になりたかった?
俺は
何になれる?
何かになれる?
たくま
たくま
たくま
あやの
あやの
たくま
たくま
あやの
あやの
あやの
それからしばらくして
彼女の病気は悪化したと 人づてに聞いた
俺の知る彼女の声は
自動読み上げソフトの無機質な声
声が出た頃は
どんな声で笑った?
まもなく彼女は
彼女の病んだ体から解放される
そして
彼女から本が届いた
彼女が一文字ずつ打ってくれた
点字翻訳のその本は
俺をどこかへ連れ出してくれるような
そんな物語だった