お母様
華乃!あなた、どれだけ言えばわかるのよ!
華乃
大変申し訳ございません、お母様。
お父様
もう、雅也くんには会うな。
華乃
そんな…!
どうかお許しを…!
どうかお許しを…!
お姉様
ダメに決まってるわよ!
あなたには、決められたフィアンセがいるんだから。
あなたには、決められたフィアンセがいるんだから。
華乃
……私は、彼と結婚する気は全くございません…
お兄様
な…!
おまえ、自分が何を言ってるかわかってるのか。
おまえ、自分が何を言ってるかわかってるのか。
華乃
承知です。
お母様
私は…あなたをそんな馬鹿者に育てたつもりは全くないわよ…
お父様
出てけ!!!
華乃
………
お兄様
お父様…!
お姉様
お父様の言う通り。
許嫁と結婚しないのであれば、この家系のものではないわ。
許嫁と結婚しないのであれば、この家系のものではないわ。
お母様
……出ていきなさい…着物も、置いていって。
華乃
………今まで、ありがとうございました…
ヴィクトル様に、よろしくお伝えください……
ヴィクトル様に、よろしくお伝えください……
華乃
失礼いたします…
ガチャ
お母様
………
お父様
………
お兄様
…………
お姉様
………
お母様
これでよかったのかしら。あなた。
お父様
あぁ、少し大人になるべきだろう。
腹がへったらかえってくるさ。
腹がへったらかえってくるさ。
お兄様
…華乃…
お姉様
さっ、ランチの時間よ。ヴィクトル様もお呼び。
執事
はっ。
……………………
華乃
………
ヴィクトル
あぁ!華乃!
ちょうど会いたいなと思ってた頃なんだ。ほら、もうランチタイムだぞ。戻ろう。
ちょうど会いたいなと思ってた頃なんだ。ほら、もうランチタイムだぞ。戻ろう。
華乃
離してください…!
ヴィクトル
華乃!
華乃
ごめんなさいヴィクトル様。
私には、この家にいる権利はないのですっ!
私には、この家にいる権利はないのですっ!
ヴィクトル
お前何を…!
…………………
雅也
……あっ!
華乃!
華乃!
華乃
雅也…!
雅也
お前っ…何だよその格好!
服着ろ!
服着ろ!
華乃
……
雅也
着物は?なんかあったか?
華乃
………追い出されちゃった。
雅也
そう…か…
雅也
こっちこい。
華乃
うん。
雅也
一緒に暮らそう。
華乃
もちろん…
そのつもりで探してた。
そのつもりで探してた。
チュ
雅也
やっと…
叶った…
叶った…
華乃
フフっ、大好きな雅也…♥
ずっとそばにいて。
ずっとそばにいて。
華乃
あっ…着物…
雅也
おれ、買ってくる!
華乃
まってよ!着物って高いのよ!
雅也
平気平気!
華乃
雅也!
…………………
雅也
おまたせ!
華乃
いくら…?
雅也
いーってことよ!
雅也
ほら、きーろ!
華乃
う、うん……
………………
華乃
雅也
………やっべ。
可愛すぎ。
可愛すぎ。
華乃
ぬ、脱ぐ!
雅也
脱ぐなって、
恥ずかしいんだったら着物売って、普段着きよ?な?
恥ずかしいんだったら着物売って、普段着きよ?な?
華乃
うんっ……
雅也
疲れてるだろうし、ここで休みな。
華乃
ありがとう雅也。
雅也
ゆっくりな。
何かあったら呼べよ?
何かあったら呼べよ?
華乃
うんっ
……………………
お父様
全くもってけしからん!
お姉様
お父様、冷静になって。
お兄様
そうですよ。
華乃もかっとなって出ていっただけです
華乃もかっとなって出ていっただけです
お母様
だけど、このまま雅也くんと結婚されたりしたら…!
お父様
この家系は滅ぶ。
ヴィクトル
お待ちください。
お母様
ヴィクトルさん…
ヴィクトル
華乃は、僕がつれ戻します。
お待ちください
お待ちください
お姉様
頼みましたわ。
お父様
うまくやれよ。
ヴィクトル
はっ。
一週間後
ピンポン
雅也
はーい。……
華乃
お客さま?…
ヴィクトル
華乃、迎えに来た!
さあ、戻ろう!
さあ、戻ろう!
ヴィクトル
って…その格好は何だ!
髪の毛までこんなに…
髪の毛までこんなに…
華乃
華乃
さわらないでください!
ヴィクトル
戻ろう?なっ?
華乃
嫌です!
雅也と暮らします…
雅也と暮らします…
ヴィクトル
ぐっ…貴様!
ペシン!
華乃
きゃっ!?
雅也
華乃っ!
雅也
てめー!
華乃
雅也、やめて!
華乃
雅也を傷つけるなら、指示に従います…
ヴィクトル
ほう?
素直でいいじゃないか。
素直でいいじゃないか。
ヴィクトル
これに着替えろ。
華乃
きもの…
ヴィクトル
どうした?
華乃
分かりました…
雅也
………
華乃
ごめんね雅也。
華乃
着替えてきます…
………………
華乃
終わりました。
ヴィクトル
ほう?
ヴィクトル
華乃
なにを…!!
ヴィクトル
のわっ!?
華乃
……すみません。
ヴィクトル
まあ、少しくらいの無礼は許そう。さあ、お手を。
華乃
………
華乃
待ってて、雅也。
また戻ってくる。
また戻ってくる。
雅也
おう。
ヴィクトル
車だ、用意しろ。
執事
お待ちください。
華乃
……………雅也。
……………………
メイド
おかえりなさいま……せ
華乃
…
メイド
お、おかえりなさいませ!
お嬢様!
お嬢様!
華乃
はいっ…
お父様
おおっ!よくやったぞヴィクトル!
ヴィクトル
はっ。
お母様
御前、今まで、どうしてたのよ!
お兄様
みんな心配してたんだぞ!
お姉様
………………
華乃
申し訳ございません…
華乃
部屋に戻ります……