「……と…、くと……、」
「北斗………!」
松村
ん……
松村
いっ……っ…
髙地
はぁ…やっと起きた……
松村
……ここ、どこだよ、
髙地
わかんねぇよ。
目が覚めると、
埃っぽい廃工場のような所にいた。
ギチッ…ギチッ……
松村
…なんだよこれ……!
俺の体は、ロープで固く縛られていた。
ジェシー
俺らも、気づいたらここに…
松村
てか、なんでお前らが…
そこには、樹以外の4人がみんないた。
みんなも、俺と同じように縛られている。
森本
俺は、昨日の夜帰り道に、
森本
誰かに襲われて…
ジェシー
俺も。慎太郎と一緒に帰ってたから。
京本
俺は…なにも覚えてない…、
松村
どういう意味だよ。
京本
昨日、久しぶりにお酒飲んでて、
京本
酔っ払ってふらふら帰ってたら、
京本
樹が居て…
京本
そこからの記憶が無い。
松村
樹…、
俺は昨日の出来事を思い出した。
松村
俺、昨日樹に襲われたんだ…、
森本
……は…?
松村
樹の家に2人で居たら、
松村
髙地から電話がかかってきて、
松村
その時に後ろからバットで殴られて…
髙地
俺、その音聞いた…!
髙地
その後樹の家に行こうとした時に
髙地
誰かに襲われた。
ジェシー
それって、
ジェシー
樹が全部やったってこと…?
松村
そんな……
ガタッ……
田中
せいかーい。
京本
樹……。
田中
そうだよ。
田中
俺が全部やった。
田中
お前らここに連れ去ったのも、
田中
15年前に北斗の父さん殺したのも。
松村
っ……!
松村
っざけんなよ……、
松村
なんで…そんなこと……
田中
……
サーっと樹から笑顔が消えた。
田中
理由なんかない。
田中
俺がやったんだから。
田中
それでいいだろ?
樹の様子は、明らかに変だった。
あんなに俺の味方をしていた樹が
俺と一緒にいてくれた樹が
俺の父さんを殺した…?
ありえない。
そんなわけない。
田中
父さんを殺した奴に、復讐すんだろ?
田中
残念だけど、
田中
俺はお前に復讐されるのはゴメンだ。
田中
俺はここで、自分で死ぬ。
田中
それをみんなにも
田中
見届けて貰おうと思って。
ジェシー
意味わかんねぇよ。
ジェシー
何考えてんだよ…!
樹は自分の方向にナイフを向けた。
髙地
樹…馬鹿なことしないで…!
森本
樹…もうやめろって…!
「樹…!」
「やめろって…!」
「おい…!」
松村
1つだけ……!!
松村
……いや、
松村
2つ……
松村
教えてくれ…。
田中
なんだよ。
松村
どうやって俺の父さんを殺した?
松村
そんときまだ10歳だったお前が
松村
どうやって…?
田中
……
田中
北斗の父さんが寝ている時に
田中
崖まで引っ張ってきて落とした。
松村
じゃあ、俺らをどうやって…
松村
ここに連れてきた?
田中
車でここまで来た。
松村
みんな襲われた場所はバラバラなのに?
田中
……
松村
樹。
松村
嘘ついてるだろ。
松村
…ホントのこと、教えてくれよ。