その力、命と引き換えに。

nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 世界観めちゃくちゃファンタジーです( ᐛ )⚠️ あとめちゃくちゃ厨二です⚠️ 誤字脱字注意⚠️ オリキャラ注意⚠️

意識が引き裂かれるような感覚の後、なつは、あの日の場所に立っていた。

夏の陽射し、酷く乾いた風。

その真下で、瓦礫と焦土が広がる焼け跡＿＿かつて彼が「力を求めた日」。

呟きながら、なつは懐かしい影を見つけた。

なつと同じ髪色をを結んだ、幼い少女。

なつの妹だった、けど、名前は何故か覚えていない。

あの日＿＿

火災に巻き込まれ、妹は命を落とした。

なつは、自分の手では救えなかった現実を、今でもずっと引きずっている。

その声が、あの時と同じように聞こえる。

震える足で近づこうとするが、焼け落ちた梁が行く手を阻む。

なつは拳を握る。

契約を結ぶ前、無力だった自分。

目の前で、命が消えていくのをただ見ているしか無かった。

目の前に、“もう一人の自分”が現れる。

少年のように若く、まだ何も背負っていない表情をしたなつ。

胸に浮かぶ炎の紋章が輝く。

そして、なつは右手を掲げる。

その瞬間、空間が歪み、“もう一人のなつ”が消えていく。

瓦礫の向こうから、妹の幻が微笑み、手を振る。

その言葉と共に、現実の空間へと意識が引き戻される。

＿＿なつが目を開けると、そこは再び《原契の間》。

他の仲間も、それぞれの過去と向き合っている最中だった。

なつはゆっくりと立ち上がり、言った。

第23話･了

𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡240