ある夏の日の昼下がり
コインランドリーにて
湊さん
今日は暑(あち)ぃな。
湊さん
まぁ、ここはクーラーきいてっけど
湊さん
ちゃんと水分補給しろよ、明日香。
湊さん
ほら。(ペットボトルを1本渡す)
明日香
ありがとう、晃さん。
湊さん
(明日香の隣に座り、ペットボトルの水を飲む)
湊さん
(ごくごくごく)
湊さん
ぷはぁ、生き返る~。
明日香
……晃さん、昨日シンとヤッたでしょ?
湊さん
はぁ!い、い、いきなり何言いだしてんだ。
明日香
こんなところにキスマークなんか付けちゃってさ
(首筋を指で撫でる)
(首筋を指で撫でる)
明日香
昨日はなかったと思うんだよね。
湊さん
き、き、キスマーク!?(首筋を手で隠す)
明日香
ふーん。
明日香
その様子だとシンが勝手につけたんだ?
明日香
嫉妬深い恋人がいると大変だね。
湊さん
大人をからかうんじゃねぇよ。
明日香
……ちょっとくらい、いいじゃん。(ムスッとした顔で)
明日香
……俺はもう1週間以上、柊くんに避けられまくってて
明日香
心がささくれてんの!
明日香
……理由も分かんないままだし。
湊さん
心当たりは本当にねぇのか?
明日香
……うん。
湊さん
だったら、柊くんに直接聞いてみるしかねぇだろ。
明日香
電話は出てくれないし、lineの返事も素っ気ない
明日香
どうすればいいか分からないんだよ。
湊さん
お前がこれからも柊くんのそばにいたいなら
湊さん
どんなに避けられようが、逃げられようが
湊さん
諦めんな!
湊さん
別れたいって言われてるわけじゃねぇんだろ?
明日香
……うん。
明日香
俺は理由も分からないまま柊くんを諦めるなんてできない。
明日香
……もう少し頑張ってみるよ。
明日香
ありがとう、晃さん。
明日香
俺、これからさくま屋に行ってくる。
湊さん
頑張れよ。
明日香
うん。
湊さん
(俺も早く帰って夕飯の準備するか)
湊さん家にて
ガチャッ
シン
ただいま、湊さん。
湊さん
おかえり、シン。
湊さん
……お前、俺にいうことあるよな?
シン
……湊さんに?
シン
そのエプロン、すごく似合ってますよ。
シン
可愛いです。
湊さん
……そういうことじゃねぇよ。
湊さん
……はぁ。
湊さん
続きは食いながらにしよう。
湊さん
せっかく作った夕飯が冷めちまいそうだからな。
湊さん
早く手洗ってこい。
シン
はい。
夕食中
湊さん
キスマークは見えるところにつけんなって
湊さん
いつも言ってんだろ。
湊さん
なんで首筋なんかにつけてんだよ。
シン
……不安なんです。
湊さん
……不安?
シン
……湊さん、あんたは
シン
あんたが思っている以上に
シン
魅力的な人間なんです。
シン
だから、俺がそばにいない時に
シン
湊さんにとって理想的な人間が
シン
……あんたに惚れるかもしれない。
シン
そう思うと不安で……。
シン
……俺のだって証をつけておきたかったんです。
湊さん
……はぁ。
湊さん
(……お前は頭いいのに)
湊さん
(……ほんとバカだな。)
湊さん
(……俺がいまさらお前以外のやつを選ぶわけねぇだろ。)
湊さん
……俺にキスマークをつけることで
湊さん
お前の不安が消えるっていうなら
湊さん
気が済むまでつけろよ。
シン
……本当にいいんですか?
湊さん
…あぁ。
湊さん
でも、見えるところはダメだからな。
シン
分かりました。
寝室にて
チュッ……チュッ……チュッ……
……チュッ……チュッ……
湊さん
……ンッ
湊さん
……なんてとこにつけてんだ。
シン
ここなら、湊さんが浮気でもしない限り
シン
俺以外に見られることはありませんよ。
(湊さんの両脚の間から見つめながら)
(湊さんの両脚の間から見つめながら)
湊さん
浮気なんてしねぇよ。
チュッ
湊さん
……いくらでもつけていいって言ったけどな
湊さん
限度ってもんがあんだろうが。
湊さん
どんだけつければ気が済むんだよ。
シン
……まだ、全然足りません。
シン
でも、湊さんが俺にキスマークつけてくれるなら
シン
これ以上つけるのはやめます。
湊さん
……分かったよ。つけてやるから。
チュッ
湊さん
……ブレスレット絶対外すんじゃねぇぞ。
湊さん
それ付けてれば見えねぇから。
シン
はい。
シン
絶対外しません。
チュッ
湊さん
おいッ!
シン
これでお揃いですね。
湊さん
……お前なぁ。
シン
もう全身にキスマーク付けたりしませんから
シン
1つだけ俺のお願い聞いてくれますか?
湊さん
……なんだ?
シン
これが消える前にまた付け直してくれませんか?
湊さん
……お前が俺のを付け直してくれるならな。
シン
もちろんです!
それからというもの、
シンの通う大学では
愛おし気にブレスレットを眺めるシンの姿が
頻繁に見かけられるようになり
シンにアタックする女子学生は
急激に激減することになるのだが
湊さんにしか興味がない彼が
それに気づくことはないのであった。






