架空未来

ﾊﾞｯｼｬｱｧｱｯｯ！！！

ｶﾗﾝｶﾗﾝ…

じゃぱぱへ

俺達が出会った日を

まだ覚えていますか？

『架空未来』 〜言えなかった手紙〜

ｶﾞﾗﾗｯ…

俺達はまだ高校生

学生らしい青春を送っていたかといえばそうじゃない

俺とじゃぱぱはまるで正反対

全くの違う存在だと思っていた

ｶﾞﾀｯ…

俺はクラスのはぐれもの

人と関わる時は悪いことしか無くて

その度に虐められてた

じゃぱぱとは全然ちゃうやろ？

でもそんな全然似ない存在が

俺の人生を全く違うものに変えてくれた

ﾄﾞｶｯ…！

俺は放課後に呼び出された

また嫌な事をされると思ってた

案の定それは酷いものだった

ｼｭｯ！！

殴られる

本気で身構えた時

お前、助けてくれたよな

覚えてるよ

ﾊﾟｼｯ！！！！

ﾀｯﾀｯﾀｯ……

高校の時のじゃぱぱは人気者

学年関係なく人当たりが良くて

誰にでも好かれた主人公

そんな人に助けられて

俺は正直

虐めてきた奴らにざまぁと心の中で言い返していた

ありがとうは言えたけど

そん時の俺は周りが怖かった

勿論、お前にもいい印象は無かった

それだけで、あれだけで終わるって

思ってたのに

お前が突然馬鹿って叫び出して

ほんま驚いたわ

急に叫んだと思えば

俺に辛辣な言葉浴びせてきて

若干引いてんで？

引きこもって虐められて

毎日がどうでもよかった俺にとって

一番辛い言葉やった

それを何か分かったように俺に言ったお前にも

めっちゃムカついた

ムカつきをお前に俺はぶつけたけど

お前の言ってくれた言葉が

一番辛くて

一番救われてん

お前がくれた言葉は

今までどんな人も言ってくれなかった

俺が聞きたくても

聞き逃していた言葉かも知れないものを

じゃぱぱはちゃんと

俺の耳に伝えてくれた

それが、嬉しくて嬉しくて

…俺、泣いちゃってんな

虐めてきた奴らに言い返せへんかったけど

流したかった涙は

じゃぱぱのおかげで出し切れたわ

お前と出会った日は全部ぐちゃぐちゃ

綺麗な思い出とは言えへんけど

俺はめっちゃ覚えてる

…今この手紙を書いてる俺が言うと

昔のじゃぱぱに比べたらきらきらさは落ちたと思う（笑）

まだまだ続きはあんねんで…

それでな、なんで俺が

お前に惚れたと思う？

きっかけはまだ

言ってなかったな……