川野先生
今日は転校生を紹介します
どうぞ
どうぞ
入口のドアから転校生の男子が入ってきた瞬間、クラスの一部の女子がざわついた
川野先生
自己紹介をお願いします
翔太
渡辺翔太です
よろしくお願いします
よろしくお願いします
愛花
ビジュやばいんだけど〜!
真奈
ほんとにかっこいい!
転校生の渡辺くんを見てときめいてるのは、クラスのムードメーカーでイケメン大好きな愛花と真奈。いつも明るくて友達想いの人気者だ
果穂
咲希、渡辺くんと席隣だね、きっと
前の席の親友、柏木果穂が言った
咲希
…そうかもね
咲希
(もし本当に隣なら、私人見知りで話せないかも…)
果穂
咲希、渡辺くんとワンチャン付き合うんじゃない?
咲希
どうかな…。私より果穂ちゃんの方が似合いそう
果穂
いやいや、私彼氏いるから
咲希
あ、そうでした。テヘペロ
果穂
あざといんだから〜
川野先生
渡辺くんは、一番うしろの席でお願いします
翔太
はい
渡辺くんが、隣の席に座る
咲希
渡辺くん、よろしくね!
笑顔で挨拶してみた。すると、優しい笑顔で私の事を見てきた
翔太
よろしく!
咲希
(あ、なんだろう。絶対良い人だ。クールに見えたけど、笑顔も声も優しい)
咲希
(すごい良い人そうじゃん。あとは仲良くなれるかって所だな…)
一時間目の数学が始まった
私が板書を進めていると、左肩に小さな感覚が走った。渡辺くんが私の肩をトントンと叩いたのだ
翔太
ちょっと良い?
咲希
どうしたの?
翔太
筆箱忘れたんだけど、シャーペン貸してくんない?
咲希
うん、良いよ
翔太
ありがと、助かる
前を向いて板書を始めた渡辺くんと私
ふと気づいてしまった
咲希
(あ、やばい。数学の先生でてランダムに日にちとかで当ててくから私当たるかも)
咲希
(数学は苦手だから、解きやすい問題に当たれば良いんだけど…)
林先生
じゃあこの問題を…
渡辺、やってみてくれ
渡辺、やってみてくれ
翔太
え、あ、えっと…
咲希
(はーー!?
何で渡辺くんに当てるの!今日転校してきたばかりなんだよ!?)
何で渡辺くんに当てるの!今日転校してきたばかりなんだよ!?)
咲希
(まぁ、この問題なら私分かるから…。渡辺くん困ってる、教えよう)
咲希
渡辺くん、分かる?
翔太
教えて…?🥺
咲希
(ななな何かエグいくらい頼み方可愛いんだけど!?)
咲希
(子犬かよ!?私よりずっと身長高いのに、頼むときだけ上目遣いとか…ずるい🥺)
平常心を取り戻し、渡辺くんに答えを教える私
咲希
えっと、答えは〇〇だよ
翔太
…〇〇です
林先生
よくできたな
素晴らしいぞ
素晴らしいぞ
翔太
〇〇さん、ありがとう
苗字だけ〇〇です!すいません
咲希
全然良いよ!
翔太
優しいね
咲希
いえいえとんでもございません…(?)
翔太
フハハッ笑