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おかえり .
万次郎( マンジロウ )
15 歳
樹( イツキ )
15 歳
𝙨𝙩𝙖𝙧𝙩 .
好きな子 が 転校 する 。
樹 .
最後 の 教室 で 、彼女 は そう 言った 。
クラスメイト の 中 には 、泣いてる やつ も いた 。
俺 は 泣けなかった 。
「 お前 さー 、好きな子 が 転校 すんのに 乾きすぎ じゃね? 」
万次郎 .
その日 の 帰り道 、友達 に 言われた 。
そんな 事 言った って しょうがない だろ 。
「 ま 、好きな子 つっても 元カノ だし 泣いたら やべぇか 。」
そう 、2年前 まで は 恋人 だった 。
1年間 の 片想い 、1年間半 の 交際 、
そして 、2年間 の 片想い 。
小学生 から 中学生 まで 続いた 俺 の 恋心 。
やっぱり まだ 君 の こと が 好きだ 。
そう 言えたら どれだけ 楽 か 。
でも もう 彼女 は 、最後 の 帰路 に 着いた 。
樹 .
友達 と 泣き笑い ながら 歩く 後ろ姿 を 見たら
そんなこと 言えなかった 。
静かに その子 の 別れ を 終えた後 、 いつも 一緒 に 来ていた 神社 まで 足 を 運んだ 。
樹 .
座って 俯いて いた 時 、頭上 から 声 が 降ってきた 。
細くて 優しい 、俺 が 大好きな 声 。
万次郎 .
俺 の 前 に 立つ 彼女 は 、難しい 表情 を 浮かべて こっち を 見ていた 。
樹 .
万次郎 .
ぎゅっ と 俺 を 抱き締めて 大きな 溜め息 を 1つ 。
樹 .
大きな 声 で そう言う と 、1枚 の メモ を 差し出された 。
万次郎 .
樹 .
真っ赤 に 染まった 彼女 の 顔 。
樹 .
はっきり と 目 を 合わせて 一言。
樹 .
あの時 別れた 理由 は なんだった のか 。
樹 .
万次郎 .
くだらない 喧嘩 で 別れて 、 それ 以来 会話 なんて 一度 も なくて 。
万次郎 .
樹 .
しばらく 無言 で 見つめ 合って 、同時 に 笑い出す 。
樹 .
なんだ 、もっと 早く に 言って いれば よかった 。
日曜日 、新しい 街 へ 行ってしまう 彼女 。
また 、俺 の 恋人 。
万次郎 .
電車 で 片道 3時間 。
樹 .
走り出す 車 。
だんだん 見えなくなる 彼女 の 姿 。
自然 と 溢れた 涙 は アスファルト に 落ちて 消える 。
万次郎 .
こんな 姿 、樹 に 見られなくて よかった 。
次 会った 時 、なんて 言葉 を かけようか 。
どう 迎え入れようか 。
そんなの 決まっている 。
樹 .
笑顔で 、
真っ直ぐ 目 を 見て 、
空白 の 2年 を 埋められる くらい の 言葉 を 。
万次郎 .
𝙚𝙣𝙙 .