佐々山
冬弥
廊下の隅の方から話し声が聞こえてきた。
司先輩の姿が見えたので、 話が気になりつい盗み聞きをしてしまった。
司
佐々山
司
石塚
佐々山
司
石塚
司
佐々山
冬弥
いじめの現場に居合わせたことなんてないので驚いたし、怖かった。 増してや、そのいじめの対象は、 大好きな司先輩だ。
石塚
佐々山
司
冬弥
石塚
佐々山
司
佐々山
冬弥
司先輩の肩がビクッと震える。 俯いているが、泣きそうな顔をしているのが分かる。
動きたい。助けたいのに。
動こうと思えば動ける。 だけど、今俺が動いたら──
自分が何をするか分からなかった。
佐々山
司
クラスメイトだろうか。 男は司先輩の服を脱がそうとする。
司
佐々山
石塚
司
冬弥
我慢出来なかった。
司先輩がついに涙を流した。
その涙が流れるのを見て、 ここでただ見ているだけということはどうしても出来なかった。
気付いたら手が動いていたんだ。
佐々山
司
本当にそれだけ
石塚
佐々山
こいつは誰だろうか。 名前がきっとある。
だが、つかさ先輩を傷付けるこいつに、 愛されて名を呼ばれる権利はあるのだろうか?
司
佐々山
石塚
なんで俺はこんなことしているのだろう。
佐々山
窓の外は雨が降っていた。
地面は湿っていて、とても歩き心地は悪そうだ。
落ち心地は──
冬弥
佐々山
石塚
佐々山
司
俺はこの手で担(かつ)いでいたそれを 窓の外にずり落とす。
石塚
冬弥
司
もう一人の男は叫んで走っていってしまった。
先生でも呼びに行くのだろうか。
冬弥
司
俺は先輩に抱き着く。
司先輩の声は泣き声だった。
冬弥
司
冬弥
司
冬弥
冬弥
司
冬弥
司
冬弥
司
──いぞ
と続くところだろうか。
声が掠れて聞き取れなかった。
冬弥
司
司先輩は必死に俺に抱き着く。
まるで今にも俺が消えてしまうかのように。
司
冬弥
☻☻☻
冬弥
冬弥
司
冬弥
ここはどこだろうか。
俺たちはあの後、 なんとかバレずに学校から“脱出” することに成功した。
スマホで現在地を調べる気力もなかった。
冬弥
司
冬弥
司
司
冬弥
冬弥
司
冬弥
司
冬弥
司先輩が指差したのは、 コーヒーアイスだった。
冬弥
司
冬弥
司
冬弥
司
冬弥
司
先輩に、段々笑顔が戻ってきていた。
冬弥
司
冬弥
アイスが混ざった司先輩とのキスは 俺には甘すぎた。
でも、先輩の声のせいで、 そんなことはすぐにどうでもよくなった。
冬弥
司
冬弥
司
冬弥
司
ずっと、ずっと。 このまま。
二人きりの世界に居たかった。
コメント
2件
好き、まじ好き、
えっ、あ、好きです。最高すぎます