今日、私は。
瞬に告白する。
愛花
瞬。
愛花
聞いてくれる?
瞬
瞬
どうした?
瞬
なんだよ突然女みたいに笑
愛花
元から女だよ!笑
瞬
そーだったっけ?笑
愛花
そうだよ笑
愛花
ってそうじゃなくて
愛花
本当に大切な話なの
瞬
えーめんどいな笑
愛花
聞いてよ!笑
瞬
やだよ笑
愛花
愛花
聞いて。
瞬
嫌だ
瞬
聞きたくない
愛花
どうして?
愛花
おーい瞬?
愛花
返信して
瞬からの返信が急に無くなった。
理由は、何となく分かっていた。
告白されるって、気付いたんだよね。
嫌だったんだよね。
愛花
...ごめんね。
誰もいない部屋にポツリと呟く。
瞬
謝るな。
愛花
...えっ??
そこには、瞬がいた。
瞬
知ってたよ。
瞬
お前が毎日苦しんでることも。
瞬
俺に伝えようか、迷っていることも。
瞬
...今日言おうとしたことも。
愛花
...
愛花
隠せてるつもりだったのにな。
瞬
...隠すの下手くそだな笑
愛花
...うるさい笑
瞬
...もう言わなくていいから。
瞬
俺、帰るよ。
愛花
...待って。
愛花
どうしても、瞬にはちゃんと伝えたい。
瞬
瞬
嫌だ。
瞬
俺帰るから。
愛花
瞬!!
愛花
ちゃんと言わせて?
愛花
これが私にとって...
愛花
最初で最後の
愛花
愛花
告白、なの。
瞬は、動きを止めた。
そして、椅子に座った。
瞬
...わかった。
愛花
...ありがとう。
愛花
じゃあ、言うよ。
これが私の
告白。
愛花
愛花
白血病なの。
愛花
もう、長くないんだって。
愛花
ごめんね、伝えるのが遅くなって。
愛花
...
愛花
伝えたら
愛花
瞬がいなくなっちゃうんだろうなって
愛花
怖かった
瞬はしばらく、何も言わなかった。
ただ、時計の針が時を刻んでいた。
瞬
瞬
分かってた。
瞬
でも
瞬
分かりたくなかった。
瞬
愛花が、いなくなる訳無いって。
瞬
ただただ願ってた。
瞬
...
瞬
願ってた...
瞬
...ごめんな、今まで何もできなくて。
愛花
...そんなことないよ。
愛花
瞬は、いつだって私のヒーローだよ。
愛花
明るくって、面白くって。
愛花
...誰よりも優しくて。
愛花
そんな瞬を、私...
愛花
私...
愛花
愛花
誇りに思ってるよ!
瞬
...ありがと。
瞬
でも、愛花のほうが。
瞬
いつもいつも笑ってて
瞬
いつも俺の傍にいてくれて。
瞬
瞬
誇りに思ってる。
愛花
嬉しいなあ!
愛花
瞬、珍しく素直じゃん?笑
瞬
うるせえな!
瞬
本当は思ってないかも?笑
愛花
ひっどーい!笑
ふと時計を見ると、いつの間にかかなりの時間が経っていた。
瞬
そろそろ帰るわ。
瞬
お見舞い、また来てやるよ笑
愛花
ありがと笑
愛花
来なくてもいいけど笑
瞬
なんだって!?笑
愛花
うそうそ、来てください笑
愛花
じゃあね!
瞬
おう、またな!
病室のドアを、瞬は出ていった。
愛花
...
愛花
本当は
愛花
瞬に
愛花
こんな告白したくなかったのにな
愛花
もっと
愛花
幸せになりたかったな...
愛花
でも、言えないよ
愛花
好きだったなんて言えないよ
愛花
瞬には
愛花
幸せになってほしいから
愛花
未来を生きてほしいから
愛花
言えやしないよ...
一筋の涙が、愛花の頬を伝った。
瞬
...
瞬
本当は
瞬
愛花に
瞬
こんな告白されたくなかった
瞬
俺が言うはずだった
瞬
ずっと好きだったって
瞬
でももう
瞬
遅かった
瞬
遅すぎたよな
瞬
...なんで
瞬
なんで
瞬
愛花なんだよ...
瞬は、廊下に座り込んだ。
肌寒い病院の外では、残酷なほどに美しく桜の木が踊っていた。







