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苺華

(早っ…)

苺華

(返事して無いけど…)

私は覗き穴を覗き込んだ

苺華

家の前には啓太が立っていた

苺華

(何で私の家の場所は覚えてるの…?)

ガチャ

苺華

はい

啓太

苺華さん

苺華

どうしたの?

啓太

これ忘れてたと思って…

そう言うと啓太は私に向かって

私のピアスの片方を渡した

苺華

いつの間に…

啓太

よかったです

啓太

僕はこれで

啓太は帰ろうとしたけど

苺華

待って

私は呼び止めてしまった

苺華

何で私の家の場所が分かったの?

啓太

確かに…

啓太

きっと体だけが覚えていたんですよ

苺華

(体が覚えてる…)

苺華

そんな事もあるんだね

私は優しく微笑んだ

啓太

そうですね

啓太も微笑み返してくれた

返したというより

思わず微笑んだの方が正しいかもしれない

苺華

それとそんな堅苦しく喋らなくていいよ

啓太

え?

苺華

最近敬語だから…

苺華

…嫌だったら敬語のままでいいけど

苺華

記憶喪失しても啓太くんは啓太くん

苺華

なんだから変わらないのかなって

苺華

勝手に思っちゃったけど…

啓太

…後で話そうと思ってたけど

啓太

思い出した事がある

苺華

え?…

苺華

それって…

啓太

苺華

一花

やっ…

一花

え…?

苺華

お姉ちゃん…

苺華

今じゃないよ…

啓太

?…

苺華

ごめんね…

苺華

…来て良いとは言ってないよ

お姉ちゃんに向かって言いながら

棘を刺すような目つきで睨んた

一花

あはは…

苺華

はぁ〜

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