彩
ただいま〈ガチャ〉
奏
おかえり、彩
彩
お兄ちゃん帰ってたんだ、
彩
お母さんは?
奏
さっき出かけたよ
彩
良かった・・・
彩
・・・殴られない〈ボソ〉
奏
彩?
彩
あ、何でもないよ
彩
部屋に戻るね・・・
奏は彩が虐待をされているのは知らなかった それに、学校で虐められている事も。 彩の心はもう、ズタズタだった。
彩
もう、嫌だ・・
彩
何で私だけなの?
彩
学校では虐められて家では殴られて
彩
私がいない方が・・・
彩
お母さんも皆もいいよね・・
手にカッターを取る
彩
私がいなくなれば・・
彩
皆楽だよね・・・泣
彩
最後に歌でも歌おう、
彩
朝が怖くって起きられない
彩
努力はそんなに向いてない
彩
泣くことだけが得意になる
彩
そんな日々の狭間で
彩
ちょっとだけ疲れたんだって
彩
星の輝きがしんどいって
彩
言えないこと増えてって
彩
俯く様に
彩
明日が明日が来なければ
彩
そしたらきっと楽になれる
奏
ガチャ
奏
彩?
奏
・・・・・
彩
空っぽなのに心が
彩
痛むんだ
彩
今日がどうにも寂しくってさ
彩
眠れないままだけどさ
彩
いつか幸せって思えるまで
彩
君は君のままでいてよ
彩
もうさ強がらなくても
彩
いいんだよ
彩
過去の夜の涙ひとつ
彩
それを柔く持って歩いて徃く
彩
それだけで今はいいんだよ
彩
いつか君が笑えるような
彩
歌を歌えるのなら
彩
僕には何もないけど
彩
歌を歌えるのなら
彩
泣いちゃう傷の数だけ
彩
夜は暖かくなるよ
彩
君はさ君のままで笑って
彩
今日が
彩
今日がどうにも寂しくってさ
彩
眠れないままだけどさ
彩
いつか幸せって思えるまで
彩
君は君のままでいてよ
彩
もうさ強がらなくても
彩
いいんだよ
彩
過去の夜の涙ひとつ
彩
それを柔く持って歩いて徃く
彩
それだけで今はいいんだよ
彩
さよなら、泣
彩はカッターを持った腕を振りおろす
奏
待て!
奏
彩!やめろ!
彩
何・で・・
彩
お願い!
彩
死なせて、泣
奏
だめだ、やめろ
彩
私が悪いの・・・
彩
私の勝手だから、泣
奏
彩、悪いのは俺だ
奏
お前がずっと苦しんでいたのに
奏
俺は気づいてやれなかった
奏
死ぬべきなのは、俺だ
奏は彩の持っていたカッターを自分に向ける
彩
お兄ちゃん!
彩
やめて、お願い
彩
もう誰にも迷惑かけたくないの・・
奏
ふぅ、彩
奏
お互い様だろ?
奏はカッターを投げ捨てる
彩
お兄ちゃん・・・
奏
俺もお前も似た者同士だ
彩
・・うん、泣