太宰 治
…それで敦君

太宰 治
君は先程まで私達が話していた内容……頭に入っているかい?

中島 敦
あ、いえ……正直あまり………

中島 敦
唯、叶夢君の事についてと、叶夢君が18人の犯罪者しか殺してないとだけ……

ロナリア・マーシャリー
因みに言うと、本人は目撃者について何も知らないから

ロナリア・マーシャリー
「無実な人を殺した」…って思ってる筈だよ

中島 敦
えっ!……本人に、犯罪者だと伝えなかったんですか…?

ロナリア・マーシャリー
彼が一切聞いてこなかったからね、聞いたら話すつもりだったよ

紅城 真彩
相変わらずお人が悪いですね、ロナリアさん〔と水とタオルが入った桶を持ちながら部屋に入って〕

ロナリア・マーシャリー
酷ぉい

太宰 治
やぁ真彩ちゃん、看病ありがとうね

紅城 真彩
いえ、僕は言われた通りの事をしているだけなので………

紅城 真彩
太宰さん、並びに中島敦さんが目覚めた様で、なによりです〔と淡々と言って〕

中島 敦
なんで僕の名前を〜……って言うのは置いといて………

中島 敦
太宰さん、あの人は?

太宰 治
彼女は紅城真彩、副(サブ)として営んでいる武器屋を任されている、14の少女……

太宰 治
異能は「武器を生成出来る異能」……ターヤ・ラーナと同じだよ

中島 敦
えぇ…!?もう色々とツッコミたい所はありますけど!

太宰 治
そのツッコミは後回しにして………

太宰 治
…敦君、何時頃から起きていたんだい?

中島 敦
え、えぇっと………

中島 敦
確か、太宰さんが完全敗北したとか何とか言っていた時に……

ロナリア・マーシャリー
結構序盤から起きてたんだ………

太宰 治
成程、それじゃぁ今どの様な状態かはあんまりか………

中島 敦
はい………負けてしまったんだな、とは思いましたけど…………

太宰 治
……今はあの日から1日と20時間程経っている…

太宰 治
恐らく彼は、もうこの市に居ない

中島 敦
は………え…

中島 敦
もう、そんなに経って…………

ロナリア・マーシャリー
……信じられないって顔をしてるけど、本当だよ

ロナリア・マーシャリー
そこは私と真彩ちゃんで保証出来る

太宰 治
私達が彼と接触し、交戦したのが"10月13日の昼頃"

太宰 治
そして今は"10月14日の午後8時頃"……

太宰 治
…そこのカレンダーもその事を証明出来ると思うよ〔と、掛かっていたカレンダーを指差し〕

カレンダーには日にち毎に
バツが付けられており、
13日まではバツが付いていて、
14日以降は付いていない
太宰 治
あれって、日を跨ぐ毎に付けているんでしょう?

ロナリア・マーシャリー
うん、そうだよ………そうだけど……

ロナリア・マーシャリー
…よく、見つけられたね?普通なら目にしない場所なのに………

太宰 治
日付や時間が分からない状態なら、カレンダーや時計……

太宰 治
一般的なところなら今日の日付が載っているデジタル時計や、スマホなんかを探す筈だよ、私みたいにね……

太宰 治
…だから今度からは、デジタル時計を置いといてもらえると把握しやすいかな?

太宰 治
後、私の携帯が見当たらないんだけれど、何か知らないかい?

ロナリア・マーシャリー
抜け目が無いねぇ………まぁ分かった、今度からは備え付けておこう

紅城 真彩
スマートフォンなら、そこの机の上に、皆さんの物を置いています

紅城 真彩
踏んで壊してしまっては大変なので〔と近くにある机を指差し〕

太宰 治
成程、ありがとう〔と立ち上がり、携帯を手に取りながら〕

太宰 治
………………(…さて、私と敦君が目覚めた事を知らせないと___)

太宰が携帯を持った途端、
太宰・敦の携帯の電話が鳴り出し
太宰 治
……っくりしたぁ………〔と目を見開きながら、電話の相手を確認し〕

太宰 治
…………立原君……?

中島 敦
え?……〔自身の携帯を取って確認し〕

中島 敦
………うわ、此方は芥川からです……

ロナリア・マーシャリー
あれ?国木田独歩君のと、中原中也君の携帯だけ何も無いね?

太宰 治
…………〔少し考え込み〕

太宰 治
……一旦私のみ出るよ〔承諾ボタンを押して、スピーカーにし流し〕

樋口 一葉
「立原の携帯から失礼します、樋口です」

2人
樋口 ちゃん/さん !?

樋口 一葉
「………その様子だと、中島さんも起きているのですね……」

樋口 一葉
「生徒会長と中也さんはまだですか…………」

太宰 治
………一体どうしたんだい?君から私の携帯に掛けてくるなんて……

樋口 一葉
「……軽く非常事態なので、報告をと………」

樋口 一葉
「………叶夢さんの実質的な弟……「咲華蛇絶叶」が目を覚ましました」

2人
っ!?

中島 敦
ちょ、一寸待ってください!

中島 敦
今まで寝たきりだったのに……起きたんですか!?

樋口 一葉
「……はい、唯少し混乱している様で………」

樋口 一葉
「今先輩と立原で宥(なだ)めている状況です……」

樋口 一葉
「私は立原の携帯から太宰さんに、芥川先輩の携帯から中島さんに掛けているのは谷崎さんです」

太宰 治
納得はしたけれど……どうして2人の携帯から電話して来なかったんだい?

樋口 一葉
「…………お恥ずかしい事に、私も谷崎さん2人共揃って携帯を置いてきてしまって………」

樋口 一葉
「それに誰かしらが彼を抑えていないと、彼がどういう行動を起こすか分かりませんから、二人で電話を掛けたんです………あ」

ガサゴソと言う雑音が少し聞こえた後、
谷崎の声が聞こえてきて
谷崎 潤一郎
「2人とも、目が覚めたんですね!良かった……」

2人
谷崎 君/さん(!)

太宰 治
其方は今大丈夫なのかい?絶叶君が目覚めたらしいけど……

谷崎 潤一郎
「なんとか………先程まで話していた樋口さんも加わって、3人がかりで止めている所です」

中島 敦
そんなに絶叶さんって暴走しているんですか?

谷崎 潤一郎
「うーん……物理的に暴走しているんじゃなくて、脳自体が混乱していて話になってない状態なんだ………」

谷崎 潤一郎
「事情説明しようにも、本人が一寸上の空って言うか……」

谷崎 潤一郎
「要するにあれだよ、宇宙猫」

2人
あ〜………〔納得した様で〕

ロナリア・マーシャリー
………(宇宙猫で伝わるのヤバ……)〔と思いながら黙って聞いてる〕

紅城 真彩
………(どれだけやばい人が集まってるんですかあの学園)〔と思いながら看病しつつ聞き耳を立てており〕

太宰 治
……それで、私達は向かえば良いのかい?

太宰 治
それともこの儘待機かい?

太宰 治
…出来れば、待機にして欲しい所だけれど………

谷崎 潤一郎
「あぁいえ、今回は報告と生存確認のみなので、気にしないでください……」

谷崎 潤一郎
「若しかしたらまた掛けるかもしれませんが………」

中島 敦
分かりました、谷崎さん達は其方で……

中島 敦
…まぁ………頑張ってくださいね!

谷崎 潤一郎
「ありがとう敦君、一応此方も此方て説明頑張ってみるよ」

谷崎 潤一郎
「……それでは、切りますね」

中島 敦
………なんか、大変そうでしたね……

太宰 治
そうだね〜……

太宰 治
それに彼方に説明が上手く出来そうな人が少ないって言うのも相まって、谷崎君の胃が心配になってきたよ

中島 敦
分かります、本当にお疲れ様です谷崎さん………〔南無りながら〕

ロナリア・マーシャリー
いやぁ、トンデモワードが飛び交ったねぇ……

中島 敦
?そうでした?

ロナリア・マーシャリー
傍から見てると不思議な様子だったよ

ロナリア・マーシャリー
いや〜、面白かった〜!〔満面の笑み〕

ロナリア・マーシャリー
ね!真彩ちゃんもそう思わない?!

紅城 真彩
僕は別に思いませんでしたよ

紅城 真彩
ロナリアさんと一緒にしないでください

ロナリア・マーシャリー
辛辣っ!!

2人
自業自得(です)
