來花
今日は日曜日。 学校も無く予定もないので私はランニングしていた。 全ては月兎くんに似合う女になるため。 ガチ恋とは少し違うが、月兎くんのことは愛していた。 彼のためならなんでもできる、というくらいには。
しばらく走っていると近所の神社のたどり着いた。
來花
イメキャラとは、零番のメンバーみんなのイメージに沿って決められた(?) イメージ動物のようなものだった。 この神社にいる狐がいなりくんのイメキャラに似ているのだ。 ちなみに月兎くんのイメキャラは兎。 名前に兎入ってるんだし当然だよね。
來花
財布から5円を取り出し、手を合わせる。
來花
そしてあわよくば、私が月兎くんを幸せにできますようにーー 私が立ち去ろうとすると風がさぁっと吹き抜けた。
來花
首に巻いていたタオル(零番のライブの特典だ)が落ちてしまった。
來花
それと同時にスマホの通知が鳴る。 直感的に月兎くんのポストの予感がした。
來花
期待に胸を膨らませながら私はポストを見た。
月兎
また風が吹き抜ける。 スマホが手からポトリと落ちた。
あの後のことはもう良く覚えていない。 気づけば家に帰っていて、気づけば部屋のベッドに横たわっていた。 あの通知が来てから1日経っていて 今が夜で無く真昼であると言うことに気づくのでさえ時間を要した。
そして、今日は普通になんの変哲もない平日で、普通に学校があると言うことも。
來花
体を動かそうとするが動かない。 なんとか顔だけ動かして時計を見ると午後13時を指していた。 そして、母から大量の不在着信、メッセージが来ていたことに今気づいた。
そして母から以外にもLINEが来ていた。 『零番が0番大好き!』だ! そういえば昨日の夜LINE参加してないな… 999+と書いているLINEグループのアイコンを恐る恐るタップする
はなみずき
私がLINEを開いて10秒も経たないうちに1つの吹き出しが投下された。 反応速度の速さははなみずきがダントツだった。
なっちゃんオレンジ
うららん
はなみずきを皮切りに他2人も参加する。
ライカ
はなみずき
なっちゃんオレンジ
うららん
はなみずきは高3で本来なら受験真っ只中の時期だが 彼女は一刻も早く受験生ライフ推し活ライフに戻るため推薦を勝ち取った。 うららんは中3で、なっちゃんオレンジは中2だ。
ライカ
うららん
ライカ
はなみずき
なっちゃんオレンジ
昨日から溜めていた分の涙も一気に溢れ出す。 やっぱりここは私の唯一無二の居場所だ。
ライカ
うららん
はなみずき
ライカ
なっちゃんオレンジ
はなみずき
ライカ
うららん
ライカ
なっちゃんオレンジ
はなみずき
ライカ
うららん
ライカ
はなみずき
なっちゃんオレンジ
ライカ
はなみずき
うららん
温かい3人の言葉に私の心は自然と癒やされていく。 しばらく会話を続けた後自然とLINEはお開きになった。 泣き疲れたのと無性に眠たいので、私はまた瞼を閉じる。
母
來花
母
仕事から帰ってきたのだろうか。 まだスーツ姿の母が私を覗き込んでいた。
來花
母
來花
跳ね起きると、確かに時計には、10:14と記されていた。
母
來花
母
來花
母
來花
丸1日食べていないのに、君の悪いほど食欲が無かった。
母
來花
母
來花
母
來花
母から無理矢理スマホを奪い取るとXを開き、月兎くんのアカウントへ飛ぶ
來花
彼のポストは「いつも月兎を応援してくれるみんなへ」で止まったままだ。
來花
おはツイなど日常的なポストはサブ垢で行うがこの界隈の暗黙の了解だった。
來花
昨日の歌みたの告知が最新のポストだった。
今日、彼は、ポストしてない、?
なんで? 喉だよね? 喉が悪いならポストはできるよね…?
呆れたように母が私からスマホを奪い取る。 私はしばらく呆然としたまま、部屋にある月兎くんのグッズを見ながら
來花
と呟いていた。
コメント
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物語最高です 応援してます