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13 - 白昼夢の恋人 Evanescent

♥

3,371

2022年09月10日

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桃赤

白昼夢の恋人

本当に申し訳ございませんでした....

劇が終わり

ステージ裏に戻ると

俺は思いっきり頭を下げた

もちろん涙でぐしゃぐしゃの顔で

俺のせいで....最後台無しにしてしまって....え?

顔あげると

何故か部員達が泣いていた

ポカンとしていると

急に紫先輩に抱きしめられた

赤くん....凄い良かった最後

へ....

あんなに綺麗な涙流せるんだね....

綺麗?さっき泣いてしまったのが?

紫先輩は俺を離しながら

ふわりと笑う

いや、あれは我慢してたというか....

あれは、お前の本当の涙やろ

戸惑っていると

橙先輩が俺に

優しく微笑んで背中を押した

行ってこい赤。今から行かなきゃあかんとこがあるんとちゃう?

!!

橙先輩っ....

俺は気がつくと

大好きな彼のいる場所へ

かけだしていた

今なら

君に会える気がして

桃先輩っ!!

初めて彼を見た時みたいに

優しい木漏れ日が

差し込む図書室の中で

ゆっくり振り返る

大好きな人

今日は変な呼び方じゃないんだな....w

せんぱっ....

うおっ....

思わずぎゅっと抱きつくと

桃先輩も優しく子供をあやす様に

俺の背中をポンポンと叩いた

せんぱいのバカっ....バカバカっ

なんで何も言わずにいなくなっちゃったのっ....

....ごめんね?

うっ、ぁ....ぐす

赤は泣き虫だなぁ....

目を真っ赤にして泣く俺の涙を

彼は笑いながら指で拭った

演劇、凄く良かったよ

当たり前....だしっ....がんばったもん....

最後、泣いちゃったけどっ....

今も泣いてるけどね?

先輩のせいなんだもんっ....

ふはw

.......

赤。

んぇ?

すっと横の髪を撫でられて

顔が熱くなった

俺も赤が大好きだよ

そのまま前髪を持ち上げられて

おデコにキスされた

へあっ....//う、うそだっ!!

だって先輩俺の事っ....ひゃあっ....//

すると桃先輩は俺の腰を抱き、

手の甲と手首

今度は首筋や頬っぺ

耳、髪などに

何度も何度もキスの雨を降らせた

これでも分かんない?

っ....//

人形のように固まって動かなくなる俺を

彼は目を細めて

愛おしそうに見つめた

好きだよ赤

俺も大好きですっ....//

あぁ、幸せだ

甘くて甘くて

溶けてしまいそうだ

赤、目閉じて

ん....//

彼の腕の中で

ゆっくり目を閉じる

ふわりと唇に

優しく触れた彼の唇。

それは

世界一美しく

儚くて切ないキスだった

桜の匂いがした

あれ....俺なんでここに....?

確か劇が終わって....

気がつくと

俺は1人で図書室にいた

どうしてここに来たのかも思い出せない

....あれ

沢山泣いたような気がするのに

涙が取り留めもなく溢れてきて

止まらない

おかしいなぁ....

悲しい

寂しい

どうして....?

ぽっかりと

心に穴が空いたような

苦しくてたまらない

なんで俺泣いてんだろ....

しっあわせは〜あるいてこないっ〜♩

だ〜からあるいていくんだねぇっ♫

....なにそれ

部長の俺が考えた演劇部の発声練習

癖強w

学校からの帰り道

青ちゃんがマフラーに

顔を埋めながら

赤くなった鼻で笑った

そーお?あ、雪だるまつくろーよ

あの木の下いっぱい積もってる✨️

やだよ、僕寒いもん

そんなこと言ってたら雪溶けちゃうよっ!!えいっ!!

ふざけて青ちゃんに

足元の雪を固めて投げつけると

見事顔面にヒット

へぶっ、.......やったな

くらえぇぇぇえ!!

きゃー!!

小学生みたいに雪を

本気で投げやっていると

段々疲れてきて

ふかふかの雪のクッションの

木の下に2人で笑いながら

大の字に寝っ転がった

あれ....

この木....なんの木だっけ

いつも登下校で通っている道なのに

何となく気になって呟く

え?確か....桜じゃない?

へぇ....

俺は白い息を吐いて

雪で粉を被ったような大きな木を

ぼんやり見つめた

そういえばさぁ....

よく覚えてないけど

不意に青ちゃんが

寝っ転がって伸びをしたまま言う

1年生の秋頃?文化祭近い時だったかなぁ....

赤くん図書室で目真っ赤にして寝ててさぁ....

僕が連れて帰ったの覚えてる?

あ〜そんな事もあったような....?

1年生の時は

なぜだか大役を任されて....

プレッシャーで沢山泣いたなぁ....

あの時赤くん好きな人いたよね

えぇ?俺が?

うん。名前....?忘れちゃったけど

ないないないw今だに初恋もまだなのに

でも、あの時確かに赤くんは誰かに恋してたよ

えぇ....

急に青ちゃんが真剣な顔をして言うので

俺は目を閉じて

記憶を巡らした

その時

急に暖かい風が

俺の頬を撫でた

すると途端に

懐かしいような感覚に襲われた

....桜の匂いがする

気づけばポツリと呟いていて

はぁ?今真冬だよ?赤くん大丈夫?

青ちゃんが起き上がっていつの間にか

俺を上から見下ろしている

と同時に

ぶへ''っぐしょん''ん''ん''っ!!

盛大なくしゃみ

くくっ....w

堪えきれずに笑うと

青ちゃんは俺の片手を引っ張って

不機嫌そうに身体を起こしてくれた

寒い、凍る。もう帰ろうよ

はいはいwごめんね帰ろ

そう言う彼の鼻は

もうトナカイみたいになっていた

先に歩き出す彼の背中を

追いかけようとして

ふと自分右手が固く握られているのに

気づいた

あれ....

ゆっくり開く

そこには

綺麗な桃色の

桜の花びらが1枚、

そっと握られていた

またあの暖かい風が

髪を揺らす

桜の匂い。

違う

君の匂いがした

ℯ𝓃𝒹

終わったァァァァ!! 長くなりました 200タップごえw フォロワーさん300人!? ここまで読んでくださった皆様 ありがとうございましたっ!!

この作品はいかがでしたか?

3,371

コメント

43

ユーザー

やばい..久しぶりに泣きました. こんなすごい小説書けるなんて素敵です!.私もなんか心に穴が空いたような感覚でした..赤くんは演技で人を魅了させるけどはみぃさんは小説で人を魅了させますね..凄すぎます ブクマ失礼します

ユーザー

1話から読んでぼろぼろに泣きました…😭😭 最高すぎました、1話のブクマ失礼します!

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