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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで

流星side

流星群が現れた夜...

僕はこの街に住む、海さんに 拾われた。

親も身内もいない、たった1人で 海辺にいるところを 見つけてもらったのだ。

その時、僕は魚のような形を していたそう。

海さんが調べたことによると 僕はアカネハナゴイという魚と人間の ハーフ。

体は人間で、半分はオレンジ色に 輝く魚。 つまり人魚として生まれたのだった。

海さんはこの海辺で小さな雑貨店を 営んでいる。 こんな不思議な僕を怖がりもせず、 大切に育ててくれた優しい人だった。

人魚の成長は早いらしく... 半年で幼児から青年へと 変わっていく。

そして青年期は長いため、 しばらく僕はこの姿から 変わらないみたい。

普段は人の姿として生活しているが... 陸での生活に不慣れなため、夕方には 人魚になって広い海の中を泳ぐのが 日課となっていた。

海の中では魚同然、呼吸もできるし 踊るように泳ぐこともできる。

陸に上がると... また人間の姿へと戻る。

その様子はまるで...

人間として生きていくのか

魚として生きていくのか

僕自身が迷っているようにも思えた。

そんな僕を見て ある日、海さんが僕に提案を してくれた。

海さん

流星くん...
学校に行ってみない?

流星

学校...って、何?

海さん

とっても楽しいところ。
流星くんと同じくらいの子。
人間の子が沢山いるところよ。

流星

...人間が...沢山いるところ?
僕が行っても大丈夫なの...?

僕は完璧な人間ではない。

だって...半年前に生まれたばかりの 人魚だから。

知らないことなんてほとんどだし... 海さんのいない所に1人で行くのは 不安しかない。

でも、同じくらいの子達が...。

海さんのお店に来る子たちみたいな?

そんな子達と...

会ってみたい。 話してみたい。

もっと...いろんな世界を知りたい。

そう少しばかりの好奇心もあった。

流星

僕が...学校行っても、
変じゃない?

海さん

何も変じゃないわよ。
いろんな世界が広がっていて
毎日がキラキラしてる。

海さん

これから、自分が
どう生きていくか答えが
見つかるかもしれないわ。

海さんの話を聞いてから 僕は1人きり海で泳いで考えてみた。

今まで見てきたのは... この青く広がる世界。

魚や他の生き物も沢山いる 彩りの世界。

でも、陸の世界は...もっともっと、 いろんな景色が見えるんだろうな。

僕も...そんな世界を見てみたい。

そして僕には知りたいことが もう1つ。

「君...すごく綺麗やな。」

数ヶ月前...僕が浜辺に居る時 誰かが言ってくれた一言。

声をかけられた時、

見つかってしまった...っ!

と焦って逃げようとしたが...

こんな人魚の僕を怖がりもせず 言葉をかけてくれた。

綺麗...?この僕が...?

人間と魚の両方の姿をしているのに。

海さん以外の人に 初めて褒められた。

そして、この人の言葉は... すごくあったかい。

また...この人に会いたい。

その言葉が、僕が学校へ行くことを 決めた理由の1つでもあった。

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