たつじゃぱ集

｢夢｣

最近、変な夢を見る

俺がベッドで横になっていると、 その人が俺の部屋に入って話しかけてくる

でもなぜかその人と話していると楽しかった

途中からこれは夢だと思い出して 彼に言った

｢夢の中なのに、君の名前が分からない。 教えてくれない？｣

そしたら君は突然泣いたんだ

なんで泣いたの？ そう言ったらさ、君はこう言ったんだ

｢これは、夢じゃないよ｣

そう言われた瞬間なぜか頭が痛くなった

意識がもうろうとしていく中、君が泣き叫んでた

｢ごめん…俺のせいで…｣

…？君は全然悪くないのに、

そう思った瞬間気絶してしまった

また同じベッドで目が覚める

同じ景色でそろそろ飽きてしまった

唯一の楽しみは君と話すことだけだったのに

女性が部屋に入ってきて俺に話しかける

｢じゃぱぱさん、体の様子はどうですか？｣

｢大丈夫です、元気になりました｣

いつものように同じ答えを返す

こんなのが日常になってしまった

｢あの…看護師さん、さっき俺の部屋にいた金髪の人ってどこに行きましたか？｣

｢その人はもう帰られましたよ。｣

窓に目をやると空が赤く染っていた

｢そうですか…ありがとうございます｣

｢はい。では私も元気そうな姿が見れたので失礼します。｣

女性が部屋から出ていって、俺は考えた

彼の名前はなんなのか

なんで俺はここにいるのか

そして

なんで俺には記憶が無いのか

両親の顔も、中学の頃の友達と言っていた人の顔も覚えてなかった

記憶がなかったからお見舞いに来る人もだんだんと少なくなってしまった

つまんなくて、ずっと1人だった

だけど君が、ある日を境に毎日話しかけに来てくれて

夢の中だとしても毎日、それだけを楽しみに部屋で待っていた

次の日、彼が俺の病室に入ってくる

正直驚いた。昨日あんなことがあったのに、来てくれたんだと思った

正直、嬉しかった

どこか昨日よりは気を使っているように見えた

完全に自己満の作品です