わたし屋上で靴を
脱ぎかけた時に
三つ編みの先客に
声をかけてしまった
汐莉
汐莉
口をついてでただけ
ホントはどうでもよかった
先を越されるのが
なんとなく癪だった
三つ編みの子は語る
どっかで聞いたようなこと
蘭
蘭
汐莉
汐莉
汐莉
汐莉
汐莉
蘭
って、
三つ編みの子は消えてった
さぁ今日こそはと靴を
脱ぎかけたらそこに
背の低い男の子
また声をかけてしまった
背の低い子は語る
クラスでの孤独を
マイキー
マイキー
って
汐莉
汐莉
汐莉
汐莉
汐莉
汐莉
マイキー
と泣いて
背の低い子は消えてった
そうやって何人かに
声をかけて
追い返して
わたし自身の痛みは
誰にも言えないまま…
初めて見つけたんだ
似たような悩みの子
何人目かにあったんだ
黄色いカーディガンの子
竜胆
竜胆
竜胆
竜胆
と言った
口をついてでただけ
ホントはどうでもよかった
思ってもないこと
でも声をかけてしまった
汐莉
汐莉
あぁどうしよう
この子は止められない
わたしには止める資格がない
それでも、
汐莉
汐莉
竜胆
って
目を伏せたまま消えてった
今日こそは誰もいない
わたし一人だけ
誰にも邪魔されない
邪魔してはくれない
カーディガンは脱いで
三つ編みをほどいて
背の低いわたしは
汐莉
❦ℯꫛᎴ❧
コメント
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アイボウサイコウスギルゼ☆(((