有栖 光
…ちょっと待ってくれオーナー
有栖 光
もう1回そいつの特徴を言ってくれないか?
オーナー
はあ?聞こえなかったわけ?
オーナー
全く……
オーナー
そいつは、
オーナー
"ピンクの髪色をしていて口の両端にひし形の傷がある"って言ったの
オーナー
そいつはボディガードさんに傷を負わされてるはずだからこの病院に運び込まれたはずよ
有栖 光
………
さすがに何かの冗談だよな
俺は、その特徴を持った男をよく知っている。なぜなら……
有栖 光
オーナー
有栖 光
耳、貸して
オーナー
は?
有栖 光
いいから!
オーナー
何よ……
有栖 光
そいつ、多分相部屋
オーナーの動きが一瞬止まった
オーナー
え?嘘でしょ?
有栖 光
嘘じゃねえよ
有栖 光
俺が入院して3・4日後ぐらいにこの部屋に来た奴がいるんだ
有栖 光
そいつはさっきオーナーが言ってた男の特徴と一致してる
有栖 光
十中八九そいつだ
オーナー
……そんな事ある?
有栖 光
あるから言ってんだろ……、
オーナー
…………
有栖 光
え、何その目
俺にどうこう出来る話じゃねえよ
オーナー
はあ……
オーナー
そうよね、今更嫌がったって仕方の無いことだわ
オーナー
そうと分かれば、私はもうここには来ない
もうこなかよ
オーナー
万が一のことがあってもいけないしね
有栖 光
そうだな
オーナー
悪いけど、私はもう帰るわ
オーナー
まだ自分の命は惜しいから
有栖 光
おう
有栖 光
気をつけてな
オーナー
どーも。
オーナー
あぁ、そだこれ
オーナー
あんたの好きな店のたい焼き
オーナー
これでも食って早く回復しなさいよね
オーナーは俺に袋を渡すと、そいつとは極力関わらないようにと言って帰って行った
有栖 光
なんだかんだ言って
有栖 光
面倒見のいい人だよな
俺はたい焼きの入った袋を開ける
たい焼きの香ばしい匂いが辺りに漂った
有栖 光
うまそー、
たい焼きを1つ手に取って、口に運ぼうとした時だった
シャッ
有栖 光
へ?
俺のベッドのカーテンが開かれたのは。
続く