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———何も、そう…何もだ。何も見えなかった。
体に力は入らなくて頭も回らない。後頭部を強く打ちすぎたようだった
———脳震盪か、少ししたら意識は戻るだろうができるだけ早く起き上がりたい。
———自分はしっかり息をしているのだろうか。
———まだ生きているのだろうか。
そんな普段なら当たり前なことを次々思う。
このような危機に落ち合ったのは随分久しぶりだ。
———顔にはできるだけ傷をつけたくないな。
??「おめでとう」
??「おめでとう」
??「おめでとう」
??「おめでとう」
??「おめでとう」
??「おめでとう」
??「おめでとう」
??「おめでとう」
??「おめでとう」
「ミ_ォおめ__ぇ_う」
??「これでもう終わりだ…」
??「い、いや。いやぁぁぁ」
??「じゃーな」
「は?何す_ん」
??「と_ぃ愛、__ぅ」
??「こんなことしてタダで済むとでも思うなよ!!」
??「これでいいのか」
??「可哀想なやつだな」
「どうでもいい」
黒木 美琴
今までの記憶が断片的に蘇り自身の体はまだ眠らせてくれないらしい。
———いや、その方がよほど嬉しいことだが。
———こんなちっぽけなことで死んでしまったら元も子もないしな。
数分後
黒木 美琴
黒木 美琴
“がじゃん”
黒木 美琴
いきなり立ち上がったかと思えば大きな音が鳴り響いた。
黒木 美琴
黒木 美琴
21時25分
黒木 美琴
ドアを開けた。そして目に入り込んだのは——
黒木 美琴
母の頭から大量に出ていた血が広がっていた。
それだけではない。父の背中には包丁が刺さっていた。
父は即死。母は息をしていたがもう瀕死だった。
黒木 美琴
父の図々しさがただの被り物のように脱ぎ捨てられた様が目に焼き付けられる。
背中から刺されている様子だったため背後から…ということだろう。
軽く事態を見ただけで検討はつく。母と父が乱闘となった。そして相打ち。それだけだろう。
母「美琴?ヒュきょ、うは貴方が”ここへ来た”記念日で、ヒュしょう?」
黒木 美琴
母がまだ喋れるということよりもそんなくだらないことを語りかける母に嫌気と疑問が溢れた。
母「大丈夫?貴方さっき、あの人に落とされたのでしょう?痛がっだよね。苦しかった?」
黒木 美琴
今自分はどんな顔をしているだろう。もたれかかっている母を自分は立ちながら見下ろしている。
母「そう、でも今日は記念日よ、だから貴方の好きなチーズケーキを買ってきたの。美琴さっき二階に行っちゃったでしょう?だからあげられなかったの」
母「でもこれだけは守ったわ…」
そう言って見せてきたのは血でドロドロになったチーズケーキだった。
黒木 美琴
黒木 美琴
母「…美琴、私を殺して」
これ、は…思いもつかなかった発想だった。他人だからそうされたいのか。それとも_____
黒木 美琴
母「貴方にやって欲し_____」
黒木 美琴
黒木 美琴
黒木 美琴
黒木 美琴
ガガァ
咄嗟に音がする方へと振り向いた。そう、ドアが開いたのだ。
警察「近所からうるさいって通報入ったんだけど鍵空いてんじゃん」
躊躇いもなく入ってくる警察に少し嫌悪するがそんなことを考えているよりも自分の立場が1番危機に瀕しているということを思い知った。
警察「ってうわッ!!な、なにこれ、血⁉︎」
黒木 美琴
がたっ
黒木 美琴
父の死体に足が引っかかった。さっきの脳震盪のせいの目眩だろう、
警察「な、なんだ!だ、れかいるのか!!」
警察がドアを開け入ってきた。
そして2人は目が合った。完全に目を見られた美琴はソファーにアイロン中のシャツとスカートを手に取り窓を開け逃げた。
黒木 美琴
黒木 美琴
黒木 美琴
黒木 美琴
黒木 美琴
黒木 美琴
裸足のまま誰もいない暗闇の中走り続けた
4話part1終了