どうやら俺は、
人生で二度、
記憶を失ったことがあるらしい。
医者
医者
医者
医者
小学生の頃に一回と、 中学生の頃に一回。
俺は記憶を無くしたらしい。
二回目のとき、
気づいたら病院にいて、
自分のことも、家族も友達も。
過去に一度記憶を失ったことも。
聞いた情報しかわからなかった。
何も覚えていなかった。
ただ、その記憶喪失が、
脳への強い衝撃で起こったのか、
突発的な何かが原因なのか。
それとも心身的なものなのか。
など原因がわからないから、次いつ記憶をなくすかもわからない。
だから、こうして俺は定期検診にきている。
.
なおきりさんには、
俺たちが付き合った頃、……
高校生のときに自分が記憶喪失だったことを明かした。
それからずっと──────。
特別編
快晴空、君は笑う。
──────────
確か、俺……
いきなり視界がぼやけて、
そこには俺の膝の上で寝息をたてているなおきりさんの姿があった。
彼は二度、三度と瞬きをした後、
驚いたような顔で言葉を発した。
なおきりさんは下を向いたまま、 小さく頷いた。
なおきりさんは顔を上げ、 俺の目を見た。
いきなり、頭が酷く痛んだ。
わからない、知らない記憶が、 頭に流れ込んでくる。
俺は深く呼吸をして、 息を整える。
そして、震えた口を開いた。
目の前の体が小さな彼は 目を大きく見開いて 驚いたような顔をする。
彼が一歩、二歩と俺に近づく。
なぜか溢れてくる涙が頬を伝う。
でも。
俺は満面の笑顔で言ったんだ。
──────────
チャプ_チャプ___
靴を脱いだ足を水に浸からせる。
足をバタバタさせたりして遊ぶ。
そして鼻歌を奏でる。
あの歌を。
昔、ここに来たらやっていた。
勿論、彼とも。
最初から。 ここで終わらせるつもりだった。
ここは、前世のうりが 死んだ場所だったから。
ここまでが、俺の計画だった。
うりは今頃、昔 大好きだった人と再会してる。
うりはこれで幸せなんだ。
だからもう満足。
終わらせるんだ。
俺は立ち上がって、裸足のまま 近くの大きめの岩の上に足を揃える。
ここに飛び込んで、終わらせる。
長かった俺の人生も。
俺のせいで招いた、 うりの最悪な日々も。
ポチャンッ___,
そこには 俺の手を掴むうりの姿があった。
溢れる涙が川に落ちていく。
「一緒に地獄に堕ちようって。」
裸足の二人は指を絡めあって繋ぐ。
そして、川底を見つめる。
END
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コメント
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連載お疲れ様でしたぁぁ、!!! えっっ?ちょっっ、伏線長過ぎませんか?!本当凄すぎます、、😭 なんと言うか、日本語って素晴らしいですね、、?? 最終的に複数の伏線がこの小説で結末になるのが素敵です、語彙力皆無、、 スイさんは漫画家さんですか、?🥹本当に大好きですっ!! 次作も楽しみにしておりますのでご自身のペースで頑張って下さい、♪
見るの遅れた… それぞれの話が少しずつ繋がって、1つの結末になっていて……本当に凄かったです! 1つの思いがどんどん狂っていって、でも、最後にはまた戻っていって……(語彙力皆無でした) 次作も楽しみにしています!
もうスイさん本出しましょう。別々に思えた物語が全部繋がってるのって本当に神業だと思う。スイさんって学生さんですよね。将来本当に小説家として飯食えますよこれは!