テラーノベル
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藤澤涼架side.
omr.
そう言って
あの日、元貴は
僕の目の前で
お腹を刺して
この世を去った
若井が死んでから、丁度二週間後のことだった
それから僕は元貴の遺体に縋りついて
戻ってきてと泣き喚いた
その声を聞いた近所の人が
警察を呼んで、僕は事情を聞かれることになった
僕はその時、何を思っていたのか
若井も元貴も死んでいないと一生懸命訴えた
何処かで迷子になって泣いてるから、探してほしいと、
何度も何度も警察の人に言い、
警察の人は困った顔をして、精神科医の所に僕を連れて行った
『持続性複雑死別障害』
それが、僕の病名だった
親しい人の死が受け入れられずに、
泣いたり、怒ったり、 まだ死人が生きていると思い込んでしまったり
親しい人の死の苦痛が長期間続く精神疾患
僕はミセスの引退の説明を全てマネージャーさんに任せて
精神科病棟に入院した
そこで、色んな人と出会い、別れ
色んなことで笑って、同じくらいに泣いたけれど
それはまた別のお話。
ーーーーー
そして今僕は。
元貴と若井のお墓の前に立っている
あれから精神科病棟を退院
去年からはピアノの仕事も始めた
そして今日は、元貴の命日
元貴と、ついでに若井のお墓にも水を優しくかけて
しゃがんで手を合わせる
目を閉じて思い出すのは
若井と、元貴と過ごした日々
三人で笑って
歌を演奏して
戯れあって、ふざけ合った日々
若井と一緒に元貴の家に行った
元貴と二人で花火大会の場所取りをしたこともある
そして、若井が死んでから、元貴と過ごした二週間
二人を失ってからの僕の二年間
二度と戻ってこない、戻れない日々
でもあの時間
僕たちはちゃんとこの世界に “生きて”いた
その事実があるから、まだ僕は頑張れる
大丈夫。僕はまだやっていける
元貴と若井が確かに“生きて”いた、この世界で
僕は立ち上がって二人に話しかける
fjsw.
fjsw.
fjsw.
目線を空に変えて、僕は独り言を呟く
fjsw.
fjsw.
そう、独り言を言いながら、二人のお墓に背中を向けた
その時だった
omr.
wki.
fjsw.
元貴と若井の声
後ろを振り返っても、二人はいない
代わりにあったのは、二人のお墓と、
身を寄せ合う様にして咲く、紅い花と瑠璃色の花
その花は
この世界のどんな花より美しく、見えた
そしてその花に真っ白な雪が落ちて、そして溶けて消える
fjsw.
『不器用な君からの最後の言葉』 END.
こんにちは
前作♡2000ありがとうございます 感想も沢山きてて嬉しいです
ついに完結ですね 五月から連載を始めて、八月に完結… 完結までに沢山時間がかかってしまいすいません💦
この作品も♡&💬よろしくお願いします
それではまた
コメント
7件
一気読みしました… もう駄目だよこういうの… 涙腺ボロボロだよ…😭 そうだよね…でも駄目だよ…と考えさせられるようなことがたくさんありました😭 調べたのですが、瑠璃色のお花って『永遠の愛』、『誠実』などの花言葉があるんですね…🥹 本当の意味で優しいwkiさんと、友達思い、恋人思いのomrさんの関係にぴったりだなって思いました…🥹✨ ryoちゃんも一緒に同じ道を歩くんじゃないかと最後まで不安でしたが、wkiさんとomrさんの言葉をしっかりと受け取っていて、前を向いていてすごく心が熱くなりました😭 本当に最後まで良いお話で最高でした…!😭✨ 本当に尊敬します…! 感動するお話をありがとうございました🥹✨ これからも応援させてください!! 長文失礼しました…!
ほんとに感動しました😭まさかomrさんまで、、でもryokさんが2人の分も生きてくれてよかったです!ほんとに最高な作品でした!ありがとうございます✨️
もう映画のようだったので、とても感動させて頂きました🙂↕️最後に2人は傍に入れたと考えると、涙腺が…😭