コメント
4件
いいね 715 にしときました👍🏻 ̖́-(? 無事タヒにました! ありがとうございます!!
うぁぁ,最高…︎👍🏻💞
S
昨日は緊張であまり眠れなかった。 今もずっと失敗したらどうしよう、失敗しなくても役が似合わないって文句つけられるんじゃないか、とずっと悩んでいる
モブ1
S
たしかに今回は、柄にもなく真面目に練習してしまった気がする
しかも、今日で全部終わっちゃうんだ…明日になったら、また前みたいな日常に戻るんだ
S
ふいっと窓辺に佇んでいるあいつを見る
S
そもそも完璧で遅刻もまったくしないあいつは、俺とは対照的すぎる。 今回の文化祭の劇も無ければ、きっと3年間一度も関わらずに高校生活を終えるだろう
モブ1
S
モブ1
S
モブ1
S
別にそんなことどうだっていい ただ、今は ー
S
モブ1
S
モブ1
S
ほんとあいつすげえなあ、ただでさえ生徒会で忙しいのに劇もちゃんとやってて
モブ1
S
モブ3
S
開始5分前。まだないこが来ない。
S
いくら生徒会で忙しいとは言えども、5分前ともなれば切り上げて劇の準備をするはずだ。 掃除の行き届いていない、暗い部屋で1人ひたすらないこが来るのを待つ
N
そのとき、扉が開いて息を切らしたないこが入ってきた
N
S
緊張で手足が震える俺とは裏腹に、息を切らしているだけで少しもそんな素振りを見せないないこ
そして、改めてみると王子様の格好がないこに似合いすぎていて、より一層俺では力不足ではないか、と思い始める
S
N
その瞬間、ぐいっとないこに手を引かれて抱きしめられる
N
S
それとハグするのとはなんも関係ないやろ、そう言おうとして飲み込んだ
N
そう言い放ってステージの方へ歩き出した
S
S
やっと自分のクラスの出し物が終わり、人通りの少ない廊下に座り込む
緊張で凝り固まっていたせいか、体を伸ばすと縄から解かれたような感覚がする
S
少し前のことを思い出しながら虚空を見つめる あのときは文化祭早く終わんないかな、その一心だった 自分が主役に選ばられるなんて思ってなくて、ましては本来女の子がやるような役を。 台詞を覚えるのも苦手で、何回も間違いを指摘されて、その度に覚え直して。 こんな自分なんかじゃ務まらない、もっと上手い人なんていくらでもいる、そんな圧に押しつぶされそうにもなって。 ……それなのに。 ずっと、頑張ろうと思った理由。
S
劇が終わってから、実は一言も交わしていない。 あいつは劇終わるなりまたすぐに生徒会の仕事に戻ってしまい、俺もクラスの奴らに可愛いだの女の子みたいだのからかわれて。
S
今までろくに関わったこともなかったけど。 きっと俺とは正反対な人だけど。 せめて。…最後に、2人で話がしたい。
でも向こうはそんなこと思ってなくて、忙しいところに無理に話しかけに行きたくもない というか、今さら何を話すんや。別に、もう文化祭も終わったとこで何も用なんて無いのに。 ……本物のシンデレラになったら、永遠に王子様と一緒にいられたのかも、なんて。
モブ4
S
気づくと誰かが目の前に立っていた。他校の女子高生のようだ。
モブ5
モブ6
モブ4
S
男子校の俺は普段女子と関わることがなくて、しどろもどろになってしまう しかも3対1なのでなおさら接し方が分からない
そのとき、少し遠くに1人の人物が横切るのが見えた
S
立ち上がって、その人物を走って追いかける
モブ4
モブ5
S
やっと声が届く距離になって、ないこの名前を呼ぶ
N
俺の存在に気づいて、振り返って優しく微笑んでくれる。 …その優しい笑顔を、俺にあと何回見せてくれるんだろう。
N
そう言われて、何も準備していなかったことに気づく どうしよう、急にこんな必死に走って話しかけてきたら変に思われる そのとき、脳裏に一つないこの言葉が浮かんだ
S
少し苦しい言い訳な気もするが、これしか思いつかなかった ちら、と表情を窺う
N
ないこがベンチに座って懐かしむように言う 俺もその横に腰掛ける
N
ううん、と首を横に振る 生徒会選挙とか多分ほぼ寝てて聞いてなかったし、寝ていなかったとしても記憶にない
N
落ちかかった夕日を見つめながらゆっくりと話し始める。俺もそれに耳を傾ける。
N
そこまで言って夕日に向けていた視線を俺に向ける まっすぐすぎる瞳に視線を逸らしそうになった
N
S
なんで?と聞き返しそうになった。 いつもみんなが困ってたらすぐに手を差し伸べるじゃん。劇が下手すぎる俺のことも、ただでさえ忙しいのにサポートしてくれたじゃん。
S
N
S
N
S
衝撃的な言葉が聞こえてきて、しばらくないこの言っていることが理解できなかった
俺に?惚れられるために?どうして?……そんなの、理由一つしか思い浮かばない
N
S
俺の唯一思い浮かんだ理由と合致して、何も言えなくなってしまった
S
N
あはは、と笑っているが今は少し王子様感が失われていて、余裕がないように見えた
ねえ、本気なの?
N
俺に話題が振られて、急に心拍数が増えるのを感じとる
優しい笑顔を向けてくれたときも 俺のために真剣に演技のしかたを教えたときも どんなに忙しくても一切仕事に手を抜かないと知ったときも 自分で履けるのになぜかわざわざ上履きを俺に履かせたときも 本番前に俺が緊張してるのを見かねて抱きしめられたときも ずっと、ずっと ドキドキして壊れそうだった
ずっと前から、答えなんて決まってた
S
本物のシンデレラにはなれなくても。 目の前にいるこの人と、想いが通じ合うなら。 夕日の中、世界一幸せになれる、そんな魔法にかかった。
シンデレラになったら Fin.