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蒼 .
蒼 .
オレンジ色に染まった教室に 、 たった一人 。
窓の外を見ても 、生徒一人居ない 。
蒼 .
蒼 .
それでも 、足を動かす気力が湧かず 沈みかけている夕日を じっと見つめている 。
蒼 .
ビルの隙間から見える夕日は 、 息を忘れる程美しい 。
蒼 .
気だるげに教室の扉に手を掛け 、 ガラガラッ ... と大袈裟に ドアの開閉を行う
蒼 .
つい最近結婚報告が あったばかりの女優が 不倫をしたらしい 。
ニュース記事を見ていると 、 しきりにそればかりが流れてくる 。
蒼 .
人の不幸や悪に群がり広める世間を 見ると 、吐き気がする 。
蒼 .
蒼 .
渋々スマホをポケットにしまい 、 周囲を見ながら歩く 。
黒猫 .
蒼 .
目を惹かれる様な真っ黒な毛並みが 夕日に照らされて 、 風景と一体化している 。
蒼 .
蒼 .
返答は期待しておらず 、 最早 独り言の様に語りかける 。
黒猫 .
蒼 .
もふ ... と 、効果音が鳴ってしまいそうになる程 触り心地が良い
蒼 .
黒猫 .
そのまましばらく もふもふを堪能していると 、
キンッ ... っと音を鳴らし 、 金色の何かを落とし 、黒猫は 走り去ってしまった 。
蒼 .
蒼 .
蒼 .
おもむろに目線を 金色の何かに移し 、少し警戒し乍ら 観察する 。
蒼 .
黒猫が落としたのだろうか 、 こんな物 、持っていただろうか 。
蒼 .
幾ら考えたって仕方ない 。 とりあえず 、指輪は交番に届けよう と思い 、落とされた指輪を 拾い上げる 。
蒼 .
拾い上げた指輪を見つめている と 、 妙な気持ちになり 、 何となく指輪をはめてみる事にした
蒼 .
蒼 .
唐突な眠気が私を襲い 、 誘われる様に そのまま眠りに落ちてしまった 。