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蒼太

わぁ…大きなお城…

蒼太

(あれ……でもなんかここ、見覚えが…?)

蒼太

(あ!ボクがこの世界に来て一番最初に見た建物!)

蒼太

(初期リスここだったのか…)

ノワール

じゃ、俺はここまでだ

蒼太

え?!なんで…

ノワール

俺は正装してきてないしな…それと此処には此処の案内人がいるんだよ

蒼太

そんなぁ……

ノワール

そんなに俺と離れるのが寂しいか?

蒼太

う…まぁ、はい……

ノワール

はは、可愛いな

  

あの…

  

お取り込み中失礼致します

蒼太

わぁ……!?

蒼太

(ね、猫耳節目イケメンだ…あ、尻尾もある)

  

有栖川 蒼太様でしょうか?

蒼太

あ、はい

  

私、女王陛下の側近兼執事をしております。執事長のチェシャ猫と申します

蒼太

これはこれは…丁寧にありがとうございます

チェシャ猫

女王様の謁見をご希望とのことですので、今からご案内をとお思いまして……

チェシャ猫

少々お時間よろしいでしょうか?

蒼太

あ、はい!そのつもりで…

蒼太

あれ?でもなんでそのこと……

チェシャ猫

ふふ、チェシャ猫は神出鬼没ですので

チェシャ猫

彩人の話には特に精通しております

チェシャ猫

間の世に数える程しかおりませんからね

蒼太

なる、ほど…

蒼太

えっと、行ってきます

ノワール

おう、また後でな

チェシャ猫はノワールに向かって 深々とお辞儀すると 蒼太を連れて城に入っていった。

ノワール

…ま、すぐに会えるんだけどな

  

チェシャ猫

女王様が参りますので、暫しここでお待ちください。

蒼太

分かりました

蒼太

(……静かだなぁ)

蒼太

(クイーン…どんな人なんだろう)

蒼太

(緊張してきた…うぅ、胃がキリキリするぅ……)

蒼太

(あれ……?でもこんなに感情が揺らいだのって…)

その時、辺りに ファンファーレの音が鳴り響いた。 それと共に奥の扉が開き、 赤いドレスに冠を被った女が 入ってくる。 蒼太は思わず 地面に膝をつきかしずく。

女王

うむ、いい姿勢だ。

女王

そこの者、名を名乗れ

蒼太

はい。有栖川 蒼太と申します。

女王

ふむ…いいだろう、表を上げよ

そこに居たのは思ったよりも小柄な女 しかし、 ノワールにそっくりだった。

蒼太

え…?

女王

どうした?何か私の顔についているか?

蒼太

い、いえっ、滅相もございません

女王

ふん…まぁよい、お主の考えは分かっている

女王

「町医者」と似ていると思っているのだろう

蒼太

……

女王

その考えは間違っていないぞ

蒼太

え…?

蒼太

どういう、ことでしょうか

女王

お主は生身の魂故オーラを見抜く力が強いのだろうな

女王

私は奴と魂は同義…あの姿は世を忍ぶ仮の姿というべきか

女王

いや、世を忍ぶ仮の役職だ

女王

「町医者」と「女王」の魂は同義、どちらも役割に過ぎぬということだ

蒼太

えっと……つまり、ノワールさんが、普段の姿…?

女王

……そういうことになるな

蒼太

(やっぱり…トゥイードダムもトゥイードディーも、チェシャ猫も、不思議の国のアリスがモチーフってわかるのに、町医者だけおかしいもんね…)

女王

しかし今は「女王」。無礼な態度は冥国送りになろう

蒼太

わ、わかり……承知いたしました

蒼太

(……にしても、すごいな…身体どうなってるんだろう)

女王

我らが背負う役職は、背負えばその姿を成す。

蒼太

え…

女王

お主も薄々気づいておるのだろう?

女王

「トゥイードル兄弟」。その人形師の兄、生き人形が創る衣服は役職に応じておる

女王

だから着た途端髪が伸び、声は軽やかに、骨格は丸みを帯びた

蒼太

……やはり、そういうことだったのですね

蒼太

では何故彼は……ノワールは、帰還の願いを持つボクにこの服をあてがわせたのでしょう

女王

……お主が此処に来た時のことを思い浮かべよ

女王

お主は、あまりにも死に近かった

蒼太

……というと?

女王

感情を殺し生きていたのだ。

女王

身内の死と親愛なる姉の失踪…心を殺さねば生きていけぬ

蒼太

……確かに此処の方が楽しいです。でも…

女王

もう分かっているだろう

女王

こちらに呼んだのは手違いだが、お主はそう簡単に現世に帰れぬ

女王

ひとまず守るためにはああせざるをえなかった

蒼太

……

蒼太

ボクには、帰らねばならぬ理由が…

女王

それも、分かっておる

女王

お前の探している者はこの世界にいる

女王

この世界のどこかにな

蒼太

!!!!!

蒼太

彼女は、死んだんですか……?

女王

…私の口からそれは言えぬ

女王

だが彼女を見つけ、二人で現世に戻るもここに残るもお主の自由だ

蒼太

……

女王

私が出来ることはただ一つ……お主に「役職」を与えることだ

女王

お主の安全を守るため、そしてお主の願いを叶えるためにもな

蒼太

……有り難きお言葉に存じます

女王

うむ…では今からお主に役職を与えよう

女王

お主の役職は「アリス」。町医者の補助としてノワール医院に住まい、この世界を自由に彷徨いながら彩人と交友を交わし、悲願を叶えよ!

その途端、あたり一面は 光に包まれる。 ほんの一瞬散った光は一点に集まり、 蒼太の胸に飲み込まれた。

アリス

何だかまだ胸が熱いなぁ…

ノワール

おう。おつかれ

アリス

さっきまで会ってたでしょ。もう、黙ってるなんて人が悪いんですから…

ノワール

悪かった、でもしょうがないだろ

アリス

そうですね…

アリス

…あのこれから、どうしたらいいんでしょう?

ノワール

そうだなぁ…帽子屋似合いに行くのはどうだ?

アリス

マッドハッター…いいですね

アリス

…あれ?なんか嫌そうな顔してません?

ノワール

…はは、そんなわけないだろ

アリス

絶対してますって

アリス

あ、ちょっと待ってください!早いですよ先生!

 

異彩の国のアリス

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