るか
お兄ちゃん見てー
お兄ちゃん
ん?
るか
マフラー作ったんだ!!
お兄ちゃん
お、ありがとうなー。
その日はお兄ちゃんの誕生日だった。寒くなってきてたし、双子の妹ちかと一緒に手袋とマフラーを作った。
ちか
お兄ちゃん、こっちも!!
お兄ちゃん
え、、、これちかが?
ちか
うん?そうだよ
お兄ちゃん
すげぇ、、才能あるんだな〜
ちか
/////喜んでくれて嬉しい
るか
、、、、
るか
(やっぱ凄いなぁ)
ちかはなんでもできた。裁縫、料理、運動、勉強。私が勝てるのは絵だけだった。とは言ってもそこまで上手い訳じゃない。
次の日
お兄ちゃん
じゃあ、行ってきまーす!
るか
頑張ってねー!
ちか
ふぁいとー!
ちか
お姉ちゃん、、、
るか
、、はは。また駄目だった。
ちか
大丈夫!次こそ、、ね?
お兄ちゃんはちかの手袋だけをはめて出かけていった。
るか
いいよ、、。ありがとね。ちか。
ちか
うん、、、。
小6の冬休み。私はずっと絵を描いていた。
ちか
お姉ちゃん、、どうしよう
るか
どうしたの?
ちか
ごめんなさい、、
るか
え?だからなに?
ちか
しゅう君に、告白されてね、、私断れなかった、、
ちか
ほんとにごめんなさい、、
ちか
私もしゅう君のこと好きだったからっ、、。
るか
いいよ。仕方ないし!
るか
(無理させてたかな、、、)
自分の部屋
るか
はぁ、、、
るか
全部駄目だな
るか
あれ?ノート開いてる。
?
るか
え、、、なにこれ。
るか
(あ、、某アプリにあげたやつの、、、、?)
たったそれだけの事なのに。私は泣いてしまった。
私の絵を見てくれる人がいる。 気に入ってくれた人がいる。 ファンになってくれた人がいるんだって。
それは私の活力になった。
それを誰が書いたのかはわからなかったけど。私が悲しんでると、ノートに書いてあって、その度に思い出させてくれた。
るか
ただいまー
お兄ちゃん
おかえり。
部屋に入るとノートが開いていた。
るか
あれ?今日悲しいことなんてなにも、、
?
漫画家デビューおめでとう。 るかちゃんずっと頑張ってたもんね。これからも頑張れ!!!
るか
あ、、、
これからも頑張れ!その言葉は私が使ってきた画材全てで書かれていた。
るか
そっか、、そういうことなんだ。
ものに命が宿る。そんなの信じてなかったけど。それ以外説明がつかない。
なにかが報われた気がした。
るか
ありがとう。
読んでくれてありがとうございました