番外編
※kidしか出てきません
四神の頃のkidです
🌞
北の国
僕は玄武(げんぶ)
北の国を守る神様
といっても、とくにやることも無くて悩んでるんだ
玄武◈kid
玄武◈kid
僕がいる必要の無いくらい、この国はとても平和だった
玄武◈kid
『玄武様、少しよろしいでしょうか』
玄武◈kid
玄武◈kid
『他の方角の神々と、1度お会いしてみてはどうでしょうか』
玄武◈kid
『えぇ。気晴らしに』
『どうでしょう?』
玄武◈kid
玄武◈kid
正直とても怖かった
自分の国を離れることが
でも、少し居ないぐらいでこの国が変わることもないんだろうな
国民たちはお互いに助け合って生活しているし、僕が心配性なだけかもしれない
玄武◈kid
南の国
玄武◈kid
東と西の国に行った僕はすっかり旅をすることに慣れていた
生まれてこの方、国から出ずに引きこもっていた僕からしたら全てが新鮮だった
玄武◈kid
玄武◈kid
玄武◈kid
使いの者はみな玄武に尽くすが、それが逆に玄武の自由を縛っていた
玄武◈kid
玄武◈kid
ああ、暑くて頭が…
"ザーーーー"
玄武◈kid
玄武◈kid
何か、流れる音がする
玄武◈kid
下の方から……?
玄武◈kid
炎天下の中歩き続けた僕の体は、水を欲していた
少し、少しだけ下を覗いてみよう
玄武◈kid
あれは、滝か……?
玄武◈kid
"ズルっ"
玄武◈kid
玄武◈kid
下を覗いていた僕は、足元を見ていなかった
玄武◈kid
暑さにやられた僕の体と頭は、落ちる事に抗わない
玄武◈kid
"バシャンッ!!!"
そのまま僕は思い切り川に落っこちた
玄武◈kid
幸い、かすり傷で済んだ
そこで初めて、自分が神様で良かったと思えた
玄武◈kid
ただ、起き上がれない……
干からびた体が川の水を吸収し、僕の体に活気が戻る
玄武◈kid
玄武◈kid
玄武◈kid
『だ、大丈夫かー?』
玄武◈kid
玄武◈kid
こんな僕に恐れもしないで、その子は僕に手を貸してくれた
玄武◈kid
この子が朱雀、そして、不破さんか
甲羅の出ている僕を見て、気味悪がってもおかしくはないのに……
君はすごく誇らしげに話していた
僕はこの子のような四神になれるだろうか
自分が四神であることをこんなにも誇らしく語る君は少し羨ましかった
玄武◈kid
他人と触れることが少なかった僕が、こんなにも楽しく感じるなんて
君は、僕のなにかを変えてくれるかな
僕が神様でいていいと、君は認めてくれるかな
たとえ国を捨てようと、君と一緒に居たいかも、なんて
初対面の君に伝えたら、どんな反応をするだろうか
玄武◈kid
玄武◈kid
タップお疲れ様です
1話のkid目線でした
この話はこの番外編で終わりになります
ここまで読んでいただき、ありがとうございました
コメント
1件
テラーの小説を読んでてこんなに心が動いたの初めてです。