らね
(こんにちは、らねです。現在、お嬢様が留学に行ってらっしゃるので代理としてお嬢様のお兄様にあたる、詩葵様に仕えています!)
らね
(だけど...)
詩葵(しき)
はぁ...はぁ...んぐっ!!げほっ!ごほっ!!はぁぁー。
らね
(詩葵様、いつも苦しそうで、私はどうしたらいいのやら。)
詩葵(しき)
はは...らねさんは優しいね。移るって噂の病気を僕は患っているのに、世話してくれて、怖がる様子も微塵もなくて...こんなときでも心配してくれてるんだね...。
らね
(まただ。詩葵様は私の様子を常に計っている。)
らね
優しいのは詩葵様の方ですよ。
詩葵(しき)
...どうして?
らね
自分がいつ死ぬかもわからないような難病に見舞われながら、自分の心配ではなく、相手の心配をしています。それに、その難病が移ると言うのもそんなの噂です。
らね
私がそんな軽っちぃ噂に流されるとお思いですか?答えはノー、です。私は昔っから人を煙たがるような、嫌うような、そんな噂話が嫌いなんです。なので、私は詩葵様を怖がったりはしませんよ。
らねが優しい笑みを詩葵に向ける。
詩葵(しき)
そっか。はは...!僕、らねさんの笑った顔、初めてみたかも!
らね
え!嘘!?私笑ってました!?
詩葵(しき)
うん。凄く可愛かった。
らね
私には身に余るお言葉です。
詩葵(しき)
(本心なんだけどなぁ。)
ピロピロピロ、ピロピロピロ
詩葵(しき)
電話だ。そこの僕のスマホからかな?ごめん、らねさん。電話取ってくれない?
らね
畏まりました。
ピッ
らね
はい。なんの御用件でしょうか?
しの
この声...らね?
らね
お嬢様?
しの
やっぱりらねなのね。明日、私のいとこがそっちへ行くから、ヒカリ、らね、ちなで上手く調整していとこの面倒もみてくれる?
らね
はい。畏まりました。
しの
それと、1ヶ月間じゃどうも間に合わないから半年になったわ。だからしばらく会えないけど、ヒカリとちなに言っておいてくれる?
らね
分かりました。体調にお気をつけてくださいね。
しの
貴方達もね。あ、それと、お兄様に電話変わってもらえる?
らね
はい。畏まりました。
らね
詩葵様。しのお嬢様からのお電話です。
詩葵(しき)
しのが?僕に?
らね
はい。
らねが詩葵に電話を渡す
しの
〜〜、〜。
詩葵(しき)
あぁ、大丈夫だよ。心配しないで。
しの
〜〜〜〜?〜〜〜。
詩葵(しき)
ははっ、しのは心配性だなぁ。大丈夫だよ。らねさんも良くしてくれてるしね。
しの
〜〜。〜〜〜〜〜〜!
詩葵(しき)
うん。しのも気をつけて。ばいばい
プツッ
詩葵(しき)
はぁ...。
らね
お身体の方は大丈夫ですか?
詩葵(しき)
あぁ、うん。大丈夫
詩葵(しき)
げほっ!!ごほっ!
らね
(大丈夫そうには見えないけど...。)
らね
なにかお飲み物を持ってきましょうか?
詩葵(しき)
あは...そんなに心配しなくても大丈夫だよ。みんな心配性だなぁ。
らね
それは...あれだけ咳をなさったら誰でも心配しますよ...。
詩葵(しき)
そっかぁ。
詩葵(しき)
ねぇ。
らね
はい?
詩葵(しき)
しのの専属メイドはらねさん以外にあと2人いるんだよね?
らね
そうですね。
詩葵(しき)
その2人を連れて来てくれないかな?
らね
畏まりました。
詩葵は一体何をしようとしているのか!? 第7話 完