あの後、ジリアンと別れた。
屋敷に戻っても迎えてくれるのは誰もいない。
そこまで狭くもない、何なら領地一大きい屋敷と言っても過言ではないこの屋敷内にいるメイド達はたったの8人。
今はもう母はおらず、父と執事、メイド、そして私の10人程度でこの屋敷に住んでいる。
ただ、今はこの静かな屋敷内が、私に考える時間をくれた。
スティカ·プライマリー
スティカ·プライマリー
それが不思議で、仕方がない。
でも、何故だろうか。
彼女を前にすると、言いたい事も言えなくなってしまう。
それが、皇族の威厳というものなのか?
蛇に睨まれた蛙とは、こういう事を言うのか?
スティカ·プライマリー
今はただ、
スティカ·プライマリー
ジリアン=フォークナー
どうしよう。
少しでも、彼女を疑ってしまった。
彼女を疑いたくなかった。
なのに。
ジリアン=フォークナー
静かな家は、僕が零した独り言が厭に響いて聞こえる。
しかし、あの時の彼女は少しおかしかった。
思い詰めた様に、皇女__シアンの名を零した。
それが何を意味するのかは、分からない。
だけど、きっと彼女は彼女なりに考えているんだと思う。
このおかしな世界について。
多分、エカルトもシアンも、彼女に期待を抱いている。
きっと彼女は、この世界の未来を照らしてくれるかもしれない。
皇族である彼らよりも、何もかもを知っていそうな彼女が。
それを口にはしないものの、彼女を見つめる眼差しはそう語っている。
それが、
ジリアン=フォークナー
だけど、今は彼女を信じるだけ。
忠誠を誓った僕にできるのは、それだけだから。
フィリー·イノセント
御母様と御父様にお呼び出しを受けました。
どうしてでしょうか?
フィリーには、分かりません。
フィリー·イノセント
母
母
フィリー·イノセント
父
フィリー·イノセント
母
母
父
父
心配。
貴方達の方じゃないかしら。
嘘をついているのは。
心配なんてしていない癖に。
どうせフィリーの事を、イノセント家の良い駒だとしか思っていない癖に。
母
フィリー·イノセント
フィリー·イノセント
フィリー·イノセント
父
父
母
フィリー·イノセント
にこり、笑顔を浮かべて部屋を後にした。
どうして。
どうして貴方達は何事も無かったかのようにフィリーに接するのかしら?
あぁ、そうですわね。
貴方達は、フィリーの負った傷を知りやしないから。
本当、
フィリー·イノセント
ライラ·キラー
ライラ·キラー
ライラ·キラー
そういえば。
アーティファクト…エカルトは、宛があると言っていた。
だけど、それはどうして?
普通、皇族はそんなものに微塵も気にしていなさそうなのに。
もしかして、
ライラ·キラー
ライラ·キラー
裏切りは嫌い。
だけど彼の事を今は、信じるだけ信じてみないと。
皆様どうもこんにちは。 テキストより星桜です。 今回は皇族2人を除く4人の家に帰ってからの行動等が見られましたね。 スティカとライラの気にした皇族2人の秘密に迫れるのか? フィリーの負った傷とは何なのか? 気になる所ですね。 それではこの辺りで。 ここまで読んで下さりありがとうございました。 また次回でお会いしましょう😌