疾風迅雷

現在時刻 7時45分 ここから学校まで1キロ弱 歩かなければならない。

最後の学校で全力ダッシュとは、 私も落ちたものだ。

前言撤回

前方に幼なじみA発見。

ある程度の距離まで近づいてから、 私はアイツにこう言った。

全力ダッシュを続けたまま 話しているせいか、お互いめちゃくちゃ息が切れている。

目の前に近づいてきた 学校を目にして、そのまま2人並んで 校門へのスライディングを決めた。

ここからは言うまでもないけど、 それなりに最後の学校生活を 過ごして、何人かの女子に泣かれ、 手紙やらなんやらをランドセルに詰め込んで家路に着いた。

…ん？

　いや聞いてない。 引越し1週間後って言ってたじゃん。

え、なんでそんな平然としてんの。

　え、いや聞いてないし、 明日は急すぎるし…

私は、考えるのをやめた。

チリン

それは、アイツからのLINEだった。

相変わらずの不慣れすぎるLINE。 何かもう反抗期真っ只中の 男の子みたいな文面だ。

こいつ【？】とか使えたんだ。 初めて知った。

お前は私のおかぁちゃんですか。

mikeha｢すみませんでした。｣

私もそこまで馬鹿じゃない。 大方、私が引っ越す前に何かしら 話したいって所だろう。

これまでの思い出にでも浸りたい なんて言ったら今すぐに帰るつもりで 身構えた。

だよな。

結局、この調子で1〜2時間喋って 気づけばあたりは真っ暗に なっていた。

私たちの関係は、こんなあっけない言葉で区切りが付けられた。