俺の背中を押すように、温もりを帯びた春の風が桜の花弁を乗せ、追い風となり吹いていた。
新しく始まる生活に対し、意外にも胸がはずんだり、逆に不安を抱くことは無かった。
和樹
そらぁー!
俺を呼ぶ声がして、ふと我にかえった。
すぐ自分の世界に入ってしまうのが欠点だと、小学生のとき担任に言われたのをふと思い出した。
和樹
呼ばれたら返事しいや〜!
俺の肩を掴んでゆさゆさしながら和樹(カズキ)は言った。
相良
あっ、ごめんごめん
和樹
お前、中1んときからほんと変わっとらんよなぁ、そーいうとこ
相良
もっと前から周りによく言われてたわ
和樹
てか、部活ってどーするん?
相良
うーん…どーしよっかな…
相良
って、まだ初日だからよくわかんない
和樹
そっかぁー
和樹
まぁ、俺もまだ決まってないんだけど
相良
決まってないのかよ!
そんなくだらない話をしていると、急に和樹が話を切り出した。
和樹
相良ぁ、"めいせきむ"って知っとる?
相良
めいせきむ…何それ?
和樹
なんかな、俺も最近知ったんやけど、
和樹
"自分で見てる夢を夢ってわかりながら見る夢"のことやねんて!
相良
…ん?
和樹
だからぁ!夢を夢ってわかりながらみる夢のこと!
相良
…?
和樹
…
和樹
とっ、とりあえず調べてみ!面白いから!
相良
…りょーかいっ
これは、夢と現実の境目で起こる 俺の三ヶ月間の物語






