高畑由姫は高校二年生の女の子
彼女は生まれつき、目が不自由である
由姫
んー…さむい…
今日は雪が降っているようで、 体が冷たい。
愛猫
にゃあ…?
由姫
おはよう、今日は寒いね。
由姫
コタツ入ろっか
愛猫
ん〜にゃん
この猫は、由姫が初めての入院を する時にやってきた愛猫だ
当たり前だが、毛色も、 目の色も、何も分からない
由姫
昨日もね、夢を見たんだよ
由姫
昨日は、私の高校が見えたよ
愛猫
んにゃー…?
愛猫
ゴロゴロ…
由姫
ふふ、可愛いね
実は、この愛猫も、 生まれつき目が不自由である
由姫
あなたを選ぶ時ね
由姫
私と同じだなーって思ったの。
由姫
いつか、目が治ってあなたと色んな場所に行きたいね。
愛猫
にゃーん…
愛猫が何を言っているのかは分からなかったが、
由姫には確かに通じたと信じていた
ある日、突然母親から電話がかかる
由姫
もしもし、お母さん?
母
あ、由姫?
由姫
うん。どうかした?
母
あのね、今病院なんだけど
母
あなたの、目が治るかもしれないって!
由姫
えっ!?
由姫
それ、本当?
母
マジよ、マジ!
母
あ…でも、もちろん手術なのね
母
成功率は───
由姫
高くても、低くても
私、手術受けるよ。
母
……
母
分かったわ、そう伝えておくね
由姫
うん。ありがとう
由姫
ねえ、おいで…
愛猫
なーん!
てちてちてち…
由姫
今日も、ふわふわだねぇ
愛猫
ゴロゴロゴロ…
由姫
あのね…私
由姫
手術受けることになったんだ
愛猫
…!
由姫
私の目、見えるかもしれないって
愛猫
みゃー…
由姫
(やっぱり)
由姫
もう、”おそろい”じゃなくなっちゃうね
愛猫
…
由姫
でもね、私がさ
由姫
目が見えるようになったら
由姫
もっと色んなとこにいける
由姫
杖なしでね
由姫
学校にも行けるし、あなたの事もしっかり見れる
愛猫
にゃぁ…ん
由姫
私も怖いよ、手術
由姫
でも、見えるようになったら、あなたにね。もっと色んなこの世界のこと
由姫
いろいろ話せるかもね
愛猫
………
由姫
だから、受けるよ。手術
由姫
私、怖くてもあなたの為に我慢するから。あなたも、”おそろい”じゃなくなって泣かないで、哀しまないでね
由姫
手術終わったら、一緒に海に行こう
愛猫
…!
海は、由姫と愛猫が 一番行きたい場所だった。
由姫
だから─────
待っててね──
母
大丈夫かしら…由姫
愛猫
ふにゃーん
母
あなたの為に頑張るって言ってたわ
母
あなたは幸福を齎してくれるにゃんこだものね、きっと大丈夫──
ガラガラガラ…
母
…っ、由姫!
先生、手術の結果は──
先生、手術の結果は──
医者
成功です、おめでとうございます!
母
っは、良かった…ほんとに…
愛猫
…………にゃ──んっ
由姫
──ついたよ
愛猫
にゃぁん
由姫
見える?すごく綺麗な青──
愛猫
みゃーん
てち、と愛猫の手が目元に触れる
由姫
…!
由姫
ほんとだ、私の目の色と…
すり、と由姫も愛猫の目元に触れる
由姫
あなたの目の色と、同じね
愛猫
くふっ
愛猫
ふにゃーん
由姫
良かった、気に入ってくれて。
また来ようね、藍──
また来ようね、藍──
彼女たちは、ずっと”おそろい”だった






