蓮をカーペットの上に寝せて

私ももう寝る事にした

目覚めて時計を見ると

さりげなく私と蓮の間に割り込む

他の女の子に言い寄られても

蓮はずっと私のそばにいてくれた

ことにはいつも

励まされてばかりで

俺が励ます側にならないとって

毎回思うけど、

俺には少し難しかった。

久しぶりに見たこの笑顔

駿くんの顔なんて

毎日見ないと生きていけない 私だったのに…

たまに見せる笑顔に惹かれた

本当ならもうとっくに惹かれてるはず

なのに…

明日も会えるって思うと

なぜか心がドキドキした

私はその日家に帰ると

お母さんから電話があった

運が良かったのか悪かったのか…

私は明後日引っ越す事になった

転校もするみたい

この場所から結構遠いし…。

この時点でもう

駿くんと恋人の関係に戻るのはもう

不可能だろう

そう考えた。

今日と明日で

引っ越しの準備をした

次の日

蓮からLINEがきた

放課後

学校に置いてあるものを取りに行った

さらに次の日

私は引っ越した

最悪な事に

移動の途中にスマホを落として

壊れてしまった

それからの先生の話は一切 耳に入ってこなかった

いくら言葉を送っても

返信がくる事はなかった

駿佑のLINEだけは

絶対1分以内には 返ってくるはずなのに

ことは忽然と姿を消した

数年後

私は高校を卒業して

メイクアップアーティストになった

ある日街を歩いていたら

ナンパなんて日常茶飯事

ビルの広告で聞いた事のある 曲が流れたから

パッと上を見上げた

順番に顔を見ていくと

どこか見慣れた顔の人がいた

すぐスマホを開く

「なにわ男子」

あまりジャニーズとかには詳しくなく

初めて知った

「なにわ男子」をもっと知りたい

そう思って調べてみた

すると…

そしてこの日から

今更だけど

なにふぁむになった

もちろん道枝担。

歌って踊る姿も当たり前に カッコよくて

輝いていて…。

昔は1番近くにいてくれていた 駿くんの存在は、

もう届かない

遠い存在になっていた。

未だに、いや、絶対これからも

信じられる日は来ないだろう

そう確信していた

休みの日だからショッピングしに 1人で出掛けたけど

ぼーっとしながら歩いてたら

ドンッ…

人とぶつかって尻もちをついた

聞き覚えのある声だった