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【スプラ】連載小説「漆黒の帝王」

第19話 - EPILOGUE５「偽りの輪舞曲」

2025年04月27日

#スプラトゥーン

METALPREDATOR22

BLACKBIRDが本名を隠し、”ユーリ”と名乗り続けて数十年。シオカラーズの二人とも会話する事が少なくなり、顔を合わせる事も、一緒に家にいることも少なくなった。

しかし、ある日........

BLACKBIRD

何処かへ行かないか？

ホタル

えっ........いきなりなんね？

アオリ

わー！久しぶりの旅行？楽しそー！いこいこ！

ホタル

えー......なんかきな臭いじゃん.......

BLACKBIRD

とりあえずどこか行こうぜ。

アオリ

そーだよ！どうせまたおごってくれるんだし！

ホタル

いや.....図々しいな......

ホタル

ま、いっか。暇だし。

アオリ

やったー！

BLACKBIRD

じゃあ、行こう。

ホタル

うん、そうしよ～

アオリ

イカ、よろしくーー

BLACKBIRD

...........

ホタル

お兄ちゃん、どうかしたん？

BLACKBIRD

.....いや、何でもない。

ホタル

そう、それならええけど。

BLACKBIRD

..........

BLACKBIRD

........今日こそはやる。

2人は、久々の三人揃っての旅行に胸を躍らせていた。

それがどのようなものとなるかも知らずに........

何事も、知らないうちは幸せである........

そして、旅行に出発した。しかし、そこは霧の濃い辺境であった。

アオリ

うーん.......道間違えてない？

ホタル

確かに......もしかして、道迷った？

BLACKBIRD

.............

ホタル

そもそも、最初っからどこに行くつもりだったの？

BLACKBIRD

.............

ホタル

ちょっと、聞いてるの？

BLACKBIRD

...........

ホタル

何か言わんと困るって。

BLACKBIRD

............ふ、フフフフフフフ..........

ホタル

え？

BLACKBIRD

フフフフフフ.......クククククク........

ホタル

ど、どうしたんね？

BLACKBIRD

ハハハハハ.......アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ！（まるで、ネジの外れた人形のように）

ホタル

お.......お兄ちゃん？

BLACKBIRD

そうとも。

ホタル

え？急にどうし........

BLACKBIRD

そうとも！ここがお前達の人生の終着点だ.......

アオリ

え？どういう事？

BLACKBIRD

そして.....さようなら。

BLACKBIRDは振り向く。

その顔はもはや、漆黒の帝王の顔では無かった.....

いや、最初から帝王などいなかったのだ。

ズドーン（銃声）

アオリ

え？（撃たれる）

アオリ

う......嘘.......（倒れる）

ドサッ

アオリ

に......にーちゃん？

BLACKBIRD

.......悪いが、これも運命だ.......

アオリ

そん.......な

BLACKBIRD

お休み.......アオリ。

ズドーン（銃声）

BLACKBIRD

フフフフフフ........うん？

ホタル

な......何をしたんや......（ヒーローチャージャーを構えて）

BLACKBIRD

........ケンサキ・モンコウ。

ホタル

え？

BLACKBIRD

ケンサキ・モンコウは、20年前、事故で死んでいる。

ホタル

な......なんて言った？

BLACKBIRD

ケンサキ・モンコウは、20年前の今日.......駅のホームで線路上に飛び込み、自ら命を絶った.......死後、体内から、大量のヘロインが検出されたという........

ホタル

じゃ.....じゃあ、あんたは誰なんや......

BLACKBIRD

さあ、誰だろうな。

20年前の今日........

若者

そういや、前、俺ナワバリバトルの代行をやってもらったんだよねー

若者B

知ってるよ。俺もやってもらったから。確か、”メタル・プレデター”だっけ？

若者

うん、マジで役に立つ！金はとられるけど、楽にランク上げ出来て、便利～

若者B

そうだよな！俺も思ってたんだ！おまけに、社長のBLACKBIRDさんはめっちゃ親切で頼れるし。

若者

しかもイケメンで若くて、惚れるわ～

若者B

おいおい、冗談はよせって。

若者

ハハハハハ！

間もなく、二番乗り場に、電車が、まいります。危険ですから、黄色い線の内側にお下がりください。

若者

おっと、下がらねえと。

若者B

駆け込み乗車はご遠慮くださ～い、なんちゃって。(笑)

モンコウ

はぁはぁはぁ........（走る）

若者

お！噂をすりゃあ、なんか来たぞ？

若者B

あれ、でもなんか様子がおかしい.......？

モンコウ

ハァハァ....あー..........ウアアアアアアアア！体が！体がぁぁぁ！（禁断症状）

若者B

ちょっと待て！だれか止めろ！

若者

うわっ！まて！

モンコウ

ぁぁぁぁぁぁぁ！（線路上に飛び出す）

キ―――――――――――（ぶつかる）

若者

そんな.......

若者B

畜生、畜生！

フォルジェルノフ

これで分かっただろう.......お前たちがこの数十年間、話してたのは、ケンサキ・モンコウではない。

ホタル

な.......

フォルジェルノフ

俺の名は、アレクサンドル・ボスコノヴィチ・フォルジェルノフ。

フォルジェルノフ

BLACKBIRDを最も憎んでいた男だ......

ホタル

何で、お兄ちゃんは死んだんや.......

フォルジェルノフ

奴にヘロインを飲ませたのは、俺だ。実際、あいつも相当追い込まれてたし、はまり込んでたからな。

ホタル

なんでそんなことを........

フォルジェルノフ

奴が邪魔だった。奴が憎くて仕方ない.......だから、殺してやったのさ。自分の手を汚さず、最も醜い最期にな.......

ホタル

た......たったそれだけの理由で......？

フォルジェルノフ

顔も、何もかも、BLACKBIRDにした。俺は、一生をBLACKBIRDのまま送れると思った.........

フォルジェルノフ

だが暗殺未遂も起きた.......死にかけた.......安心はできない。

フォルジェルノフ

そして、お前たちが生きている限り、いつ正体がばれるかもわからない........

ホタル

もしかして、アオリちゃんを殺したんはそのためか！？

フォルジェルノフ

ああ........お前らには生きていてもらっちゃあ困るんだ......残酷だが、仕方あるまい。

ホタル

この........人でなし！

フォルジェルノフ

どうとでもいうがいい。お前に俺は撃てない.......この数十年間、一緒に暮らしてきたのは俺だからだ。

ホタル

！！

フォルジェルノフ

たとえ偽物だとわかっても、撃てるのか？

ホタル

...........

フォルジェルノフ

できんだろ.......そりゃそうだ。たとえ偽物でも、俺たちの日々は本物だった......今更なかったことにはできまい........

ホタル

.......黙れ......

ホタル

黙れこの人でなし！

ホタル

あんたが、お兄ちゃんを殺したんや！あんたが、アオリちゃんを殺したんや！

ホタル

お前ひとりの私怨の為に、アタシの大切な人の命を二つも奪った.......絶対に生かしてはおかん.......許さん！

フォルジェルノフ

撃ってみろ！さあ、殺してみろ！

ホタル

く.......うわぁ！

フォルジェルノフ

死ねえ！

ズドーン（銃声）

フォルジェルノフ

ぐ...........

ホタル

ああ......アアアアアア！

フォルジェルノフ

ふ.....フフフフフフ......ハハハハハハハハハハ！

フォルジェルノフ

Хорошо сделано....... но ты будешь продолжать страдать........ ты не сможешь избавиться от моего проклятия........（よくやった.......だが、お前はこれからずっと苦しみ続ける........俺の呪縛から逃れることはできない........）

フォルジェルノフ

До самой смерти...（死ぬまでな.....）

ホタル

う......さよなら.......

メタル・プレデター隊員

そうですか.......ボスが.........