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蒼
結愛
蒼
「ごめんね」結愛の口がそう動いた気がした。
蒼
結愛が俺の視界から消えた。
ドサッ
俺の耳に不吉な音だけが響いた。
AM 7:25
蒼
結愛
俺、二宮 蒼。高校1年生。
今突撃してきたのが彼女の天野 結愛だ。
元々幼馴染だった俺達は半年ほど前から付き合っている。
いつも朝は俺が迎えに行くのに今日は結愛が家の前で待っていた。
結愛
結愛
ギュ
結愛が抱きついてきた。
蒼
驚きのあまり声が裏返ってしまった。
結愛
結愛は何事も無かったかのように手を繋いで歩き出す。
蒼
蒼
結愛
結愛
ニコッと笑いミディアムヘアーの髪をかきあげながらそう言った。
結愛の目の下にクマができていた。
それに顔も疲れきっているように見える。
蒼
蒼
結愛
結愛
舌をぺろっとだして答えた。
蒼
結愛
前方からカンカンカンカンと工事の音が聞こえる
蒼
結愛
結愛
蒼
結愛
結愛
結愛が俺の手を引き、いきなり方向転換し、いつもならこの道を直進して近道をして学校に向かうはずだがなぜか道を曲がった。
そのことに疑問を抱いていると、それを見透かしたように結愛が
結愛
と、陽気な声で答えた。
特に断る理由もなかったため、遠回りをして学校に向かうことになった。
道を歩きながら俺達はいつも通り他愛のない話で盛り上がった。
15分後
蒼
結愛
いつもより10分遅くに学校についたにも関わらず結愛は真っ直ぐ昇降口に向かわず学校にあるうさぎ小屋の前に走って向かった。
結愛
結愛
蒼
結愛
結愛
そう言いながらうさぎを抱いている結愛もうさぎに負けずめちゃくちゃ可愛いのだ。
蒼
結愛
可愛い顔でニコッと笑う
俺はこの笑顔が大好きだ
蒼
蒼
雲行きがだいぶ怪しくなってきた
結愛
慌てた様子で抱いていたうさぎを下におろし俺のグイグイ引っ張ってどんどん走っていく
蒼
蒼
結愛
蒼
あと1分でチャイムがなる
蒼
結愛
俺達はクラスが違う。俺が1年3組で結愛は4組だ。
ぎゅ
いつも通りにハグをしてからお互いの教室に入る
蒼
その後は普通に授業を受けた。
2時間目くらいから雨が降ってきた。
今日は職員会議があるので5時間授業だった
俺は結愛と帰るために4組の教室へ向かった。
蒼
結愛
急いでカバンの中に荷物をつめて慌てた様子でかけよってきた。
その様子がとても可愛く一人で悶えてしまった
蒼
結愛
結愛の手をぎゅっと握った。相変わらず小さい手だな
結愛
蒼
結愛
蒼
蒼
結愛
結愛がバンザイをしてぴょんぴょん飛び跳ねるその姿が可愛い
蒼
屋上まではそう遠くはない
屋上の非常口を開けた途端、結愛が走り出した
結愛
突然物騒なことをいいだした
蒼
結愛
ポケットからスマホを取り出しながら言った。
蒼
結愛
結愛
くるくる回りながら1番いい場所を探した
結愛
蒼
小走りで結愛の元へかけよる
結愛
パシャ
結愛
自分のスマホを確認すると今撮った結愛とのツーショットが届いていた
蒼
結愛の頭を撫でた
蒼
結愛
再び手を繋いで昇降口へ向かった
結愛
蒼
結愛
結愛
蒼
結愛
蒼
結愛
蒼
蒼
蒼
結愛
蒼
蒼
結愛
このノリの良さよw
蒼
結愛
家・・・緊張するな
蒼
蒼
結愛
蒼
結愛
いつもおろしている髪の毛を珍しく結んで課題と睨めっこをしている。余程本気なんだな・・・
蒼
蒼
結愛
しばらく勉強を続けた。ふと時計を見るともう5時を過ぎていた。勉強を始めたのが3時半頃だったからもう1時間半ほど経っていた
蒼
結愛
いや、わーいってw
蒼
結愛
蒼
結愛
結愛が立ちあがる
蒼
結愛の部屋をぐるっと見渡した。やっぱり女の子の部屋なんだなと思うほど俺の部屋とはだいぶ違う。
それは置いてある物も、色もそして匂いも・・・
今まで何度も来ていたはずなのにとても緊張してしまう。
棚には少女マンガがびっしりと並んでいた。少女マンガの奥にはさらに本があった
俺はその本を2度見してしまった。だって・・・
蒼
『交通事故から逃れるためには』『救命』『人を救うために必要なこと』『交通事故の種類』『一日に死ぬ人間の数』『タイムループ』
この可愛らしい部屋には似合わないような本がズラっと並んでいた
蒼
俺は気になって前にある少女マンガをよけようと手を伸ばしたその時だった
結愛
結愛がトイレから戻ってきた
蒼
反射的に伸ばしていた手をひっこめた
結愛
結愛
ギクリ
蒼
蒼
蒼
結愛
俺はとっさに嘘をついた
なんとなくだが、このことにはふれない方が良い気がしたから
蒼
結愛
結愛
蒼
蒼
結愛
心臓がバクバクしているここは一旦部屋の外に出て落ち着かせよう
俺は大きく深呼吸をした
蒼
蒼
結愛
結愛
蒼
結愛
蒼
結愛
結愛はバックにお財布と携帯を詰め込んだ
蒼
蒼
通学用のバックを持った途端
結愛
蒼
結愛
結愛
蒼
蒼
結愛
蒼
結愛
手を振って結愛を見送った。
ふと、さっきの意味深な本の題名を思い出した。
蒼
結愛は・・・あと10分は帰ってこないな
俺は棚の前の方に置いてある少女マンガをみた
蒼
さっきと何かが違う気がするような
蒼
マンガをどかした。
蒼
マンガの後ろにはさっき見たものの他にも何冊か意味深な題名の本が8冊ほどあった。その中には1冊だけノートが混ざっていた。
蒼
パラパラパラ
俺は気になってノートの中を見てしまった。
その中には・・・
『まただ、またこの日がやってきた。これで八回目。一回目は私を迎えに来ようとした時に自動車にひかれた。二回目は工事現場の前を通った時に上から鉄パイプが落ちてきて・・・』
蒼
なんだ?このノートは・・・
これは結愛の字・・・
きっとこれは結愛が書いたんだ。
この意味深な題名の本にこの謎のノート。
蒼
結愛に何かあったのだろうか
俺は続きを読んだ。
『そう、この日。9月13日は何回も繰り返されるんだ・・・。蒼ちゃんを救うまでは』
俺を救う?どういうことだ?
俺は最初のページから見ることにした
『9月13日。最初は何が起きているのか全然わからなかった。(今は3回目)』一回目は私が見ていないところで起こった。いつもより迎えに来る時間が10分以上遅くて、疑問に思って外にでたら救急車がきてて人だかりがあって・・・その人達に聞いたら
「高校生くらいの男の子が車にひかれた」って嫌な予感がして野次馬の隙間から覗いて見たら蒼ちゃんが頭から血を流して倒れてて・・・もう、何がなんだかわからなかった』
蒼
俺が・・・車にひかれた??
『パニックになってたら気づいたらベットに寝てた』
結愛
朝目覚めると身体中が汗びっしょりだった。
だって夢の中で蒼ちゃんが死んじゃったんだもん
私は急いでカレンダーを見た。
9月13日
安心した・・・やっぱり夢だったんだ・・・だって夢の中で蒼ちゃんが死んじゃったのは9月13日だったのだから。
結愛
ハッと時計を見た
結愛
急いで学校に行く準備をした。
ピンポーン
結愛
蒼
結愛
ギュー
よかった!生きてる!
蒼
結愛
抱きつかれた本人は戸惑っていた
蒼
結愛
散歩している犬。
地元の中学校に通学する中学生。
鳥の鳴き声
工事中の建物
うん。いつも通り
工事の音がする。自分の腕を蒼ちゃんの腕に絡めた。
結愛
こうして二人で登校する時間が私は大好きだ。幸せを感じていたその時だった
蒼
結愛
蒼
ドン!
一瞬の出来事だった。
カランカラン
男
え、な、何?何があったの?
目の前にはたくさんの鉄パイプの下敷きになり頭から血を流している蒼ちゃんが横たわっていた。
結愛
男
知らない大人の人達の怒鳴り声がきこえた。
私は何が起こっているのか理解できなかった。
結愛
『そう。これが二回目。そして今は三回目の朝なんだと思う。私は絶対に蒼ちゃんを救ってみせる!』
結愛
私はこの二回の出来事をノートに書いた。
そしてまた今日も、9月13日が始まる。私は蒼ちゃんを助けたい・・・
結愛
私は気合いを入れた。
ピンポーン
結愛
蒼
結愛
蒼
蒼ちゃんが手を繋いでくれる
結愛
蒼
少し照れながら言う。
結愛
その後は何事もなく学校にたどり着いた。
結愛
蒼
学校から家までは歩いて25分くらい、ただ坂が多いからとても疲れる
結愛
教室へと続く階段を登りながらそんな話をする。
男子生徒A
男子生徒B
階段の上の方から制服を着崩した先輩達4人組が後ろを向いて話しながら降りてきた。
結愛
その時だった
後ろを向いて歩いていた先輩が足を滑らせた。
男子生徒A
先輩は体制を整えることが出来た。
しかし、滑らせた足が見事に蒼ちゃんの肩に命中した。
蒼
今度は蒼ちゃんが体制を崩し、転倒した。
結愛
落ちる!
ゴロゴロゴロゴロゴロ
凄い音をたてながら蒼ちゃんが階段から転げ落ちた。
結愛
男子生徒C
誰かが叫んだ。
でも私にはそんなことを考える余裕がなかった。
結愛
蒼ちゃんに足をぶつけた先輩がパニクっている。
思わず
結愛
結愛
私は物凄い形相で先輩の胸ぐらを掴み泣き叫んだ
頭のどこかではこんなことしても無駄だとはわかっていたのに・・・
男子生徒A
男子生徒A
涙目になりながら謝ってくる
私はふと我に返った
結愛
結愛
ほんと、何やってんだろ?それところじゃないのにね
身体の力が抜ける
結愛
『これが三回目の一通りの出来事。そして私はきっとタイムループをしているんだと思う。』
蒼
俺は今日死んだ?本当だろうか?
蒼
俺は思わず声を上げた
蒼
俺は今日抱いたいくつもの違和感を思い出した。
一回目の9月13日。俺は結愛を迎えに行く途中に車にひかれた。今日は俺が迎えに行く前に結愛が来た。
二回目の9月13日。俺は工事現場の鉄パイプの下敷きになって死んだ。今日はいつもの通学時に通っている交通事故であるコンビニの前を通らず遠回りをした。
三回目の9月13日。俺は階段で足を滑らせた先輩の足が当たって階段から転げ落ちて死んだ。今日は学校に着いてすぐ昇降口には行かず、ウサギ小屋の方に走っていった結愛について行き、いつもより10分くらい遅く教室に向かった。
そうか、そういう事だったのか・・・
今日抱いた違和感は全てこのことに繋がっていたのか。
俺は1番最近書いたページをみた
『今回で八回目』
蒼
これは今朝に書いたものか
『もう、これで八回も繰り返された。それでもタイムループは終わらない。蒼ちゃんを・・・大好きな蒼ちゃんを七回も死なせてしまった。守れたはずなのに守ることができなかった。何よりも・・・何回も何回も蒼ちゃんを目の前で失った苦しみが大きい。』
今日の朝、結愛の顔は疲れ切っていて目の下にはクマができていた。
彼女は・・・俺のせいでこんなにも苦しい思いをしていたのか・・・
次のページを見てみる
蒼
『今は蒼ちゃんがトイレに行っている。今のところ蒼ちゃんを救うことが出来ている』
俺がさっき部屋を出た時に書いたのか・・・
『私は色んな本を読んで勉強したの。どうやったら蒼ちゃんを救うことができるのか』
俺はさっきの意味深な題名の本を思い出した。
蒼
『調べてみたらね一日に死んでしまう人の人数は決まってるんだって』
初耳だ・・・
『それでね、私、考えたんだ。蒼ちゃんを救うとっておきの方法を』
嫌な予感がする
『蒼ちゃんを救うためには代わりに誰かが死ねばいいんじゃないかなって私ね、どうしても蒼ちゃんを救いたい。蒼ちゃんはとってもいい人!だからね、まだ死んじゃいけないと思う!こんなにいい人が死んじゃうなんて絶対にだめだよ・・・だからね、私、決めたよ!』
『私が代わりに死ぬ』
嫌な予感が的中した。結愛は誰が書いたかもわからない、デタラメかもしれない情報を信じて俺の代わりに死のうとしてる
『今日、蒼ちゃんを家に連れてきたのはこのノートをみてもらうため・・・信じてもらえるかはわからないけど、蒼ちゃんには真実を伝えておくべきだと思ってさ!』
口調は明るくしているつもりだろうが字はとても震えている。
蒼
気づくと涙が流れていた
ふと時計を見るともう6時を過ぎていた。それに窓の外を見ると、外はもう真っ暗だ。
結愛が家を出たのは5時半頃だったので30分は経っていた。それでも結愛は帰ってこない
蒼
俺は部屋を飛び出した。
結愛の無事を祈りながらひたすら走った
蒼
俺は叫びながら結愛が行きそうな場所を探し回った。
探し始めてからもう10分が経っていた。しかし、まだ見つからない
10分も全速力で走っていた俺の足には限界だった
その時ふと、結愛が屋上で言った言葉を思い出した。
蒼
結愛
俺は全速力で学校に向かって走った。
蒼
屋上はもう目の前だ
ガチャ
屋上の非常口が重々しく開く。
屋上の柵の前に女の子の人影が見える。
結愛だ。間違えない
蒼
結愛
よかった。見つかった
結愛
蒼
結愛
結愛は無理に笑顔を作り、声を明るくしている
心が痛くなる
蒼
俺がそう言うと結愛が涙をポロポロ流す。
結愛
蒼
結愛
影が揺れる
蒼
結愛がこちらを見た
蒼
俺は走り出す。
それと同時に結愛の口がこう動いた気がする
「ごめんね」
蒼
スっと俺の視界から結愛が消えた。
ドサッ
蒼
結愛が落ちた。俺は急いで階段を駆け下りた。
救急車を呼びながら
1ヶ月後
俺は結愛が入院している病院へ訪れた。結愛が目を覚ましたからだ。
あの日、結愛は駆けつけた救急隊によりなんとか一命をとりとめることができた。
ガラッ
結愛の病室の扉を開けた
蒼
そこには包帯を巻いているものの、ベットの上で起き上がって少女マンガを読んでいる女の子がいた。
結愛だ
女の子はこちらの様子に気づきゆっくりと顔を向けた。
だが、結愛は
結愛
と怪しい人を見るような目で言った。
この可能性を考えていなかった訳では無い。
でも、こんなに悲しいことが起こるなんて、考えたくもなかったが
そう。結愛は俺の記憶を失ったのだ。
だが、俺は諦めない。覚悟を決めた。
蒼
結愛が俺を助けようと何度も頑張ってくれたように
蒼
今度は俺が頑張る番だ。
蒼
俺が結愛の記憶を取り戻す。
蒼
そのために、何回でも
蒼
1から君とやり直す。
END
作者より
こうしようあーしようと色々改良していった結果結構長めな小説になってしまいましたwそしてどこか誤字っているところがあるかもしれませんがお気になさらずw 結愛ちゃんと蒼くん。2人のその後はみなさんの想像におまかせします! 最後までご覧頂きありがとうございました!
まろん