サクラ咲く家

９日目の朝、カーテンを開けると外は雨だった。 しとしとと降り続く雨の音が、静かなリビングに響いている。 翠羽はぼんやり外を眺めていた。

絢音はそう言って、翠羽の首筋に顔をうずめた。

陽緋がそう言って立ち上がると、悠灯がそっと陽緋の手を握った。

陽緋は少し驚いた顔をしたが、すぐに嬉しそうに頷きキッチンへむかった

雨の日の朝はなんだか憂鬱な気持ちになる。 ４人は学校に行くため、玄関に並んだ。

絢音と翠羽は傘を１本ずつ差して歩き始めた。 通学路の桜並木は、雨に濡れて濃い緑色をしていた。

そう言うと、絢音は微笑んだ。