メンバーの家の写真だった。
ぺいんと
いつでも準備は出来てる、という事だろう。 手紙の内容は嘘じゃなさそうだ。
ぺいんと
嫌な汗が額をつたう。
俺は、どうすればいい?
ぺいんと
しばらく何も出来ずに突っ立っていると急に目眩がした。 疲れも相まってか抵抗できずそのままベットに倒れ込む。
ぺいんと
そうだ。これはきっと悪い夢だ。 現実でこんなこと起こるわけない。
ぺいんと
きっと寝て起きたら元通りになってる。 そう思って…いや、そう願って俺は眠りについた。
ぺいんと
スマホのアラームで目が覚める。
結局昨晩はあれこれ考えてしまってよく眠れなかった。
ぺいんと
寝不足のせいで頭痛が酷い。
でも今はそれどころじゃない。 おれは、恐る恐る机を見た。
ぺいんと
何度も消えてくれと願ったあの封筒は机の上にしっかり残っていた。
ぺいんと
ガタン
ぺいんと
そんな俺に追い打ちをかけるように再びポストの音が響く。
ぺいんと
別に、まだ手紙が届いたと決まった訳じゃない。 ただ、その可能性は大きい。
怖い。 怖いけど、メンバーの皆が傷つく方がもっと怖い。
ぺいんと
自分に大丈夫、と言い聞かせ玄関のポストへ向かう。
ぺいんと
中にはやはり昨日と同じ封筒が入っていた。
中身は、手紙と 俺が寝ている写真だった。
ぺいんと
窓やドアの鍵はもちろん閉めているし、カーテンも閉めて寝ている。 じゃあ、この写真はどこから取ったのか。
ぺいんと
あまりの不快感に吐きそうになるが、それよりもと手紙を出した。
昨日は誰にも言わなかったようだな。 賢明な判断を嬉しく思う。 ではさっそく1つ目の命令だ。 これから誰かに遊びに誘われても絶対に断れ。 まぁお前うるさいしうざいしつまらないしいるだけ邪魔だからいないほうがいいよw あーあ、メンバーのみんなが可哀想。 じゃ、そういうことで。 もし誘いを断らなかったら、手始めにメンバー全員の住所をネットに投稿する。いいな? ずっと見てるから。
ぺいんと
ぺいんと
違う。 そんな訳ない。
ぺいんと
ほんとうに?
ぺいんと
何時までだろうか。 この手紙を送ってくる犯人が飽きるまで? いや、もしかしたらずっとこのままかもしれない。 それは、…
ぺいんと
ぺいんと
時計を見ると集合時間からちょうど5分が経過したところだった。 随分と長く考え込んでしまったようだ。
ぺいんと
しにがみくんに今から行くとだけ送り、急いでパソコンを立ち上げる。
ぺいんと
しにがみ
トラゾー
クロノア
ぺいんと
しにがみ
トラゾー
クロノア
ぺいんと
撮影自体は順調に進んで行った。 ただ、長時間撮影でずっと画面を見ていたせいか俺の頭痛は酷くなるばかりだった。
しにがみ
トラゾー
クロノア
ぺいんと
しにがみ
ぺいんと
しにがみ
クロノア
あーあ、俺ださw ただのいじりに過剰反応しちゃうとか
クロノア
しにがみ
ぺいんと
トラゾー
しにがみ
クロノア
ぺいんと
クロノア
ぺいんと
しにがみ
ぺいんと
しにがみ
ぺいんと
しにがみ
クロノア
トラゾー
ぺいんと
ピロン
ぺいんと
みんなの事じゃない。 自分が嫌なんだ。 みんなは僕のことをちゃんと好いてくれている。 そんなの分かってる。 そうでなきゃ10年も続かない。 分かってるのに……
ぺいんと
ぺいんと
頬を伝った雫を自身の涙だとと認識するのに少し時間がかかった。
ぺいんと
なんで泣いてるのか分からなかった。それでも涙は止まってくれない。
自分に対する嫌悪感と、常に誰かに見られているかもしれないという極度のストレスでおれの頭はどうにかなりそうだった。
ぺいんと
とにかくこの辛さから逃げたかった。 やり方なんでなんでも良かったんだ。 本当に、たまたま。 たまたま、カッターが目に入っただけ。
ぺいんと
俺はカッターの刃を手に当て、思いっきり引いた。
ぺいんと
血は確かに流れているのに、痛くない。 傷口から血を一緒に心の鉛も出ていくようで気持ちよかった。
ぺいんと
何回も、何回も、何回も、何回も。 何かにとりつかれたように俺は腕を切り続けた。
ぺいんと
気づけば俺の左手は傷でびっしりだった。
ぺいんと
まさかと思い時計を見ると集合時間を過ぎていた
ぺいんと
傷の手当てもせずにパソコンを起動しディスコードに入る
ぺいんと
らっだぁ
ぺいんと
らっだぁ
ぺいんと
らっだぁ
ぺいんと
らっだぁは仲間っていうより親友って感じ。もちろん、日常組のみんなも大親友だけど。 なんて言ったらいいか分からないけど、凄く安心する。一応らっだぁの方が年上だから、たまに甘えたくなる時もある。 でも、だからこそ本音が零れそうで怖い。
らっだぁ
ぺいんと
らっだぁ
ぺいんと
らっだぁ
ぺいんと
なんで? 隠してたのに。 隠してたのはずなのに。 俺、ちゃんと喋れてなかった? ちゃんと笑えてなかった? ちゃんと隠せてなかった? どうしよう。 俺のせいで、俺のせいで…みんなが…
ぺいんと
らっだぁ
ぺいんと
らっだぁ
なにかあったら、頼って欲しい。
俺に話しずらかったら違う人でもいい。
ぺんちゃんはね、ぺんちゃんが思ってるよりもみんなにすごい愛されてるんだよ。もちろん俺も含めてね。
ぺいんと
らっだぁ
ぺいんと、なんかあった?
ぺいんと
ダメだ。 言っちゃいけない。 零れそうになる本音を必死に止める。 でも、らっだぁに話せば何とかしてくれるかもしれない、なんて淡い期待が脳裏をよぎる。
ぺいんと
らっだぁ
ゴトッ
ぺいんと
ぺいんと
らっだぁ
らっだぁにごめんと思いいつつディスコードを切り、玄関のポストへと走る。
そこにはいつもと同じ封筒があり、 中には「見てるから」と一言だけ添えられた俺の写真が入っていた。
ぺいんと
ぺいんと
俺の意識はそこで途切れた。
主
主
主
主
主
主