大森 元貴
...
○○がいなくなる
そう考えただけで不安で鳥肌が立った
ガチャ
○○
もっくん、ご飯できたよ
大森 元貴
ありがとう
部屋に美味しそうな香りが漂う
テーブルに皿を置きながら
○○
さっきの話
○○
急でごめんなさい
大森 元貴
大丈夫
大森 元貴
○○の考えは尊重したいから
○○
ほんとにそう思ってる?
○○がクスクス笑う
笑っている場合ではない
大森 元貴
でももう少しかんがえてくれるんだよね
○○
うん
ふと○○の目が植木鉢に向く
○○
あそこに置いたんだ
大森 元貴
日当たりいいしね
○○
ガーベラ綺麗だね
大森 元貴
だねぇ
○○
ガーベラはアネモネに比べて花びらが多いから
○○
1枚ぐらい散っても気が付かないかもね
大森 元貴
僕は気がつくよ
大森 元貴
部屋にいられる時はずっと花のそばにいる
大森 元貴
だから小さな変化でも気がつける自信あるけどね
○○
花びらが散る時って凄く綺麗じゃない?
○○
あそこなんか太陽に照らされてすっごく綺麗になりそう
○○
私ならあそこがいい
大森 元貴
なんで散るときの話ばっかりなの?
小さく笑ってみせる
大森 元貴
咲いてる時も十分綺麗だよ
○○
そうかもね
大森 元貴
さっきから重ねてる?
○○
何を?
大森 元貴
花と自分を
○○
重ねるなんて
○○
花に失礼じゃない?笑
○○はふざけて笑って見せた
○○
アネモネとガーベラだとアネモネの方が咲く時期が早いの知ってた?
大森 元貴
知らなかった
○○
だからアネモネのほうが先に枯れちゃうけど
○○
ガーベラは咲き続ける
○○
私が無くなっても
○○
この家にはガーベラが咲き続ける
大森 元貴
○○
ふと目が合う
その瞳は小さく揺れていた
大森 元貴
仕事を辞めるだけ
大森 元貴
家を出るだけなんだよね?
大森 元貴
なんで
大森 元貴
なんでそんなに悲しそうなの?
○○
...
聲にならない
もやもやした
胸の痛みが
喉を伝う
もし君に「好きって言えたら」
どれだけ楽か
「貴方と居たい」って言えたら どれだけ楽か
ふと○○がテーブルをみた
○○
冷めないうちに食べちゃいなよ
もう湯気がやんだ料理をさし
たちあがる
○○の背中に向かって
僕は
どうすることも出来なかった






