つらい

僕はもう僕がいるのかどうか完全に分からなくなってしまった。

...いや、分かってしまった。

だから、確かめるために社長と二人っきりの時を狙って質問をした。

明らかに動揺している。

こちらを伺うような厳しくて、焦った眼差し。

そう、そのままの意味。

たからこそ理解が遅れてるんだけど

僕は死んだ方がいいのか、

生きていた方がいいのか

その言葉を最後に、僕は甲斐田くんの元へ向かった。

ぱたん、

部屋のドアを閉め、少し早足で歩く。

本当は嬉しいはずなのに、どうも喜ぶ気にはなれない。

もやもやして、むず痒い、

気持ちが悪い、

運がいいというかなんというか、

まぁいいか、

やっぱりみんなこう言われると困るものなんだと思いつつ、僕は気味悪く笑ってみせる。

もやもや、

ぐるぐる、

苦しいようで、

妙に冷静に思考がまわる。

今を見れば剣道部の普通な高校生

昔を含めると

可哀想な子供

でも、もう呪いみたいなものは消えた。

昔よりもよっぽど楽だ。

じゃあ、なんでつらいんだろう、

両親が自分を残して死んだから？

...どうもしっくりこない、

まぁ、つらいに理由もいらないか、

なんとなくでいいんだ。

そう、僕は

なんとなく辛い

それで十分。

ガチャリ、

君は、

君らは、

僕が演じていたと言ったら、

どんな顔をするだろうか？

ガチャ、

部屋に帰っても、思うことはただ一つ

死んでしまおう

ただそれだけ

自分は本当に死ねるのだろうか

そもそも僕は楽になってしまっていいのだろうか

楽になりたいから、

あらかじめ備わっていた知識で僕は自分の部屋のドアにロープをくくりつける

出来たことを確認し、椅子の上へ立つ。

輪っかを首に通し、僕は

椅子を蹴った

苦しい

痛い

耳鳴りがして、頭が痛くなる

視界がぼーっとしてくるのを感じ、

あ、死ぬんだなと思う。

ろふまおは、がっくんは、

天宮は、委員長は、

みんなは、どうなるかな

僕なんかが死んでもどうも思わないだろう、

でも、

悲しんで、ほしいなあ、

その日、剣持刀也は

死んだ