欠かさずつけてる

※モブ視点の桃赤です

俺はごく普通の高校1年生

この学校に来て半年学校にもクラスにももう十分慣れたが俺は一つ気になることがある

それは…

半年にもなって俺が1番気になっていることとは隣の席の人気者、莉犬についてだ

赤城莉犬

頭は少し残念だが運動神経はものすごく良く人懐っこい性格で容姿にも恵まれており男女関係なくモテる学年の人気者

そんな莉犬に俺は何が気になるかというと莉犬が肌身離さずつけているネックレスのこと

…分かってる、みんなの言いたいことはよく分かる

なんで半年にもなってそんなことの一つや二つ聞けないんだって

俺だって初め疑問が出た時に聞きたかったさ、でも…

噂をすれば、莉犬を呼んだアイツは桃井さとみ先輩

頭も運動神経もずば抜けて良く、もちろん容姿端麗でやることなすことなんでも完璧にこなす学校一のモテ男くん

そして俺が莉犬からネックレスのことを聞き出せない原因

莉犬はさとみ先輩によく懐いて、普段他人に興味が無さそうなさとみ先輩も莉犬にだけは優しい笑顔を見せるほど仲がいい二人

何故か莉犬はさとみ先輩に異常に好かれていて休みの度にこの教室に訪れてくる

そんなさとみ先輩お気に入りの莉犬を他の奴に取られたくないのか

莉犬と話しているとそれは男女関係なく殺気を放ってくる

特に莉犬に恋愛感情を抱いている奴には時折二人の間に割って入ることもある

そんなことが多々あり、たまにさとみ先輩が厄介オタクに見えてくる

そんな異常な程に愛されている莉犬に隣の席にも関わらず聞こうとする度に先輩に阻止されるという日々が続いて半年も聞き出せなかった状態だったのだが

放課後さとみ先輩と莉犬はいつも一緒に帰るため、さとみ先輩は教室に莉犬の迎えに来るのだか今日はどうやら用事があるらしい

これはチャンスじゃないか！？

やっとこの時がきた、最初はこんなにまで気になることでもなかったがやっぱり気になりだしたら止まらないもので今まで少し俺の心はむずむずしていたが今日でこの違和感ともおさらばだ

さぁ、聞くんだ

ここを逃したら一生聞けないぞ！！

と少し考え込んだ後、莉犬は顔を桃色に染めて唇の前に指を立てながら答える

窓から見える夕焼けの風景をバックに恥ずかしそうに頬どころか顔全体を赤らめ笑う莉犬はとっても魅力的でなるほどこれは落ちるわ

横から声が聞こえ、すぐ横を向くとそこにはさとみ先輩が立っていて承諾していないはずが莉犬の腕を掴んでどこかに連れて行ってしまった

まぁ、俺に承諾する権利は無いだろうけど

莉犬の教室から話し声が聞こえ最初はたまには莉犬にも友達付き合いをさせてやるかと思い聞いていようとした

が、何故か顔を赤らめながらそいつと話す莉犬を見ていてもたってもいられなくなり俺はさっさと莉犬を連れ出した

なんだよ、あんな顔反則だろ

そうだ、別に怒っているわけじゃない

ただ…

きっと、八つ当たりでしかない

分かってる、莉犬に謝らせてかっこ悪い

…でも嫌なんだ莉犬を取られるのは

ネックレスについて話していたのか、莉犬はそのネックレスを俺に見せ話す

ネックレスのことと分かると俺は気分が良くなってさらに莉犬に聞いた

そう、実は莉犬がいつも肌身離さずつけているネックレスは俺とのペアリングをネックレスにしたもの

ちなみに俺もちゃんと毎日つけている

可愛くて少しからかってやるとやっぱり可愛く返される

そうだ、莉犬は俺を悲しませたんだ

いつも振り回して俺をハラハラさせる

莉犬、俺はお前を取られないために毎日必死なんだよ

少しくらいご褒美をもらってもバチは当たらないだろ