反転裏都道府県世界

気づいたら、そこは知らない世界だった。

どこも黒くて、地面は鏡のようで…私が映っていた

…鏡…というより、水のようだ。

なぜこんなにはっきり反射するのかは分からない。

予知夢。都道府県の世界に来る前も来た後もずっと見ている。

予知夢ならすぐに目の前に映るのに、今回は全く映らない。映る予感がない。

『やあ。お客様かな？』

『おっと、驚かせてしまったようですまない。』

段々とその声は近づいてくる。

怖い。私に何をするつもり？

何か聞き覚えがあるような、でも鮮明には思い出すことが出来ない。

そんな名前が…あいつの口から？

なぜ私の名前を知っている？

いつ教えた？そんなこと…

どうして？

こんな人の予知なんて。

絶対に信じない……

雪の地方は自分の能力に怯え朽ちる

"あの"脅威に耐えた地方は1人の自殺により崩壊する

この国の都となる地方の1人は仲間の元を離れる不安により暴走する

中心の地方の1人は自分が現実でやるべき事をやる為に旅に出る

変わり目の地方の1人は自分の立ち位置に疑問を持つ

歴史の地方は大喧嘩により解散

四人で一つの地方は柱の二人のうち一人が失踪

遥か西の島の地方の1人は孤独の不安により暴走

"＊化"

その県から、超高濃度エネルギーが抽出されること―

変な夢だったな。

予知夢に分類するのか、明晰夢に分類するべきなのか。

…どっちでもない、ただの夢だったりして。

夢の中は苦しかった。

でも現実になってからも苦しい気がする。

どこに行くか、どこに出るかも決めてないけど。

あの夢の管理者が言ってたこと、本当に起こるのかな。

…信じたくない、けど

本当に起こったら怖いから…メモでもしておこうかな…

表紙に汚れが着いているメモ帳。2年前から使ってるんだっけな。

特に何も書くことがないから、まだページがたくさん余っている。

ｶｷｶｷ…ｶｷｶｷｶｷ…

ペンはメモ帳にいつも挟んである。

もう使わなくなった、あまりインクのないペン。

ｺﾝｺﾝｺﾝ…

ほっかいどー、いる？朝ご飯できたから早めに支度しておいでねー

そろそろ行かなきゃ。メモも書き終わったし。

…鼻歌でも歌いながら行こう。

ﾀｯ…ﾀｯ…ﾀｯ…