貴方の記憶が戻るまで ＿＿ 。

今日は彼氏とデートの日。

少しお洒落して、香水もつけちゃったり。

約束の時間10分前

雪もちょっと降ってきた。

手が寒くてじんじんしてる。

鼻の周りが少し熱い感じ。

早く来すぎたことに後悔しつつ、彼氏を待つことにした。

きき ｰ ｯｯ

どん、ｯ"...ｯ

きゃ、きゃ ｰ ｯｯ“！！！

何かが何かとぶつかる鈍い音。

嫌な予感を感じながらも、

野次馬の如く音のする方へ向かった。

今目の前にある光景に思わず声を出した。

口に手を押えながら震えてる人。

車から出てきては焦ったように泣く人。

救急車、警察などを落ち着いて呼ぶ老人。

そして、

桃色の髪、少しお洒落なコートを着た男性。

考えなくてもわかった。

僕の彼氏。

救急車の中に居た時も

よくわかんないままぼーっとしてた。

なんか、

衝撃的すぎてさ。

今思っても夢見たい。

なんで病院にいるかなんて考えたくない。

だって。

昨日まであんなに元気だったんだよ。

なのにどうしてあんな姿になってるの？

なんで。

君は手術室に運ばれて行ったの？

わかってるはずなのにわかんない。

怖いよ。

わかんないのにさ。

涙だけ止まらないの＿＿。

あの後。

すぐ家に帰ることになって

会う許可を貰ったんだ。

まだ寝てるけどね。

お医者さんからね。

説明してもらったよ。

打ち所が悪くて起きれないんだってさ。

もしかしたら起きても記憶が無くなってるかもなんだって。

嘘だよね。

こんなの、

誰かの作った出来のいい嘘だよ

信じたくない。

がらがら、ｯ (青部屋出

目赤くなってんじゃん。

君のせいだ。

いつもならさ、

優しい手つきで僕の涙とって、

微笑みかけてくれてたじゃん。

ひどい。

隣にいたはずじゃん。

おかしいよ。

ねぇ、

夢だって言ってよ。

ねぇ

いつもみたいに、

微笑みかけて＿＿。

がらがら、ｯ

がらがら、ｯ

あの後ね。

君のお友達も来たんだよ。

みんな泣いてた。

何回も君の病室の扉を開けたよ。

もしかしたら君がまた優しい声で"青"って呼んでくれるんじゃないかって。

もしかしたら大きな手で僕の髪の毛に手を絡めてくれるんじゃないかって。

もしかしたらぎゅって、僕の体を包み込んでくれるんじゃないかって。

もしかしたら。

優しくリップ音を鳴らしてくれるんじゃないかって。

期待したよ。

でも。

戸をあけた先にあるのは君の眠った姿だった。

そろそろ桃くん不足で倒れちゃう。

ね、

いつもなら恥ずかしくて言えないこと、

今言ってあげてるよ。

なのになんで君は瞼を降ろしたまんまなの。

ぴぴぴぴ、ｯ (38.9

1番引きたくない時に風邪ひいちゃった。

桃くんの所に行くのは少しの間お預けかな、

いつもなら、

君が隣にいて看病してくれて、暖かい卵のお粥作ってくれるのにな。

なんてね。

また涙があふれるだけだから。

もう眠っちゃおう＿＿＿。

そこから1週間。

運悪く長引いた風邪がやっと治った。

どうせ今日もいつも通り。

扉を開けたらベットに背をつけた君の姿があって、

話しかけても答えてくれない。

＿だと思っていた。

がらがら、ｯ

声をだして、

目をぱっとあけた。

それもそのはずだ。

だって目の前にいるんだもん。

僕の大好きな彼が

目を開けて＿。

君は驚くように僕の方を振り向く。

嘘、

嘘だよ、

その後ね、病室を出てお医者さんに話を聞いたよ。

記憶喪失、

なっちゃったんだってね。

もう僕のことも、

自分の名前も教えてもらわないとわかんないんでしょ？

起きてくれたと思ったらこれだよ。

なんで。

なんでなの、？

僕ずっと待ってたのにな。

どこまで。

どこまで僕の目を腫れせれば気が済むんだよ。

がらがら、ｯ

きっとここで、

『彼女です。』

なんて言ったら君は忘れちゃった罪悪感で潰れちゃうよね。笑

なんで、

なんでそんなに辛そうに笑うの。

君と俺は友達なだけじゃないの、

なんで、

そんなに＿、

＿＿もしかして、

君と俺は友達以上の＿＿＿

そこから、

俺と青は話した。

なんでだろう。

君の、

青の笑顔を見る度になんか、

心の奥ら辺がじくじくするの。

なんでだろう、

わかんない。

わかんないけど、

君は、

君だけは忘れちゃダメな気がするんだ ＿ 。

それから僕は倒れるように眠った。

そっか、

君はもう居ないんだった。

…もう、

君とはぎゅーもちゅーもできないんだ。

僕の髪の毛に桃くんの大きな手を絡めて、

体を抱き寄せて、

お互いの体温を感じる。

それも出来ないんだ。笑

な ~ んだ。

君がいなくなっただけですぐ泣いちゃう。

ぎゅーもちゅーも出来ない、

でもさ、

それでもさ。

ぎゅーもちゅーもしなくていいよ、

今はね。

ただ、僕に微笑みかけてください ＿ 。

がらがら、ｯ

こんこん、ｯ失礼します。

がらがら、ｯ

実際の会話はわかりまて ~ ん☆(殴殴

あれ。

この笑顔、…

なんだろう、

あれ、…？

わかんない、

あれ…？

ぎゅ、ｯ

やっぱり、

わかる、

わかるよ。

この感覚。

抱き寄せて、お互いの体温を感じて。

そして、最後に＿＿

ちゅ、ｯ

やっぱり。

やっぱりそうだ。

この感覚も、この感触も、

この、照れ顔も。

全部全部＿＿！！

ずっとずっと、

そして、＿

おかえり。/ ただいま。

ぴった400~！！！

まぁこの文字で403だけど(((