藤澤涼架side.
R
M
玄関先、笑顔で出ていく元貴を見送る
最近、元貴はお友達と一緒に遊ぶのがブームらしい
お友達の家に行く日はしょっちゅうある
仕事のことをいろいろ相談したりしているらしい
けれど、僕はそれが嫌だったりする
“僕だけ”見てくれればいいのに
“僕だけ”頼ってくれればいいのに
それって本当にお友達?
本当に、一点の濁りもなくお友達ですか?
僕は知らない
元貴のこと、何にも知らない
R
恋人なのに貴方を信じられない
でも貴方は吃驚するくらい弱いじゃないか
僕がどれだけ貴方に愛を伝えても
貴方の心は埋まらない
恋人の存在でも埋まらない貴方の寂しさが
貴方の友達によって埋まって
それで貴方が幸せになるなら、なんて。
創作物でしか聞いたことない綺麗事。
僕はそう思わない
最初出逢ったとき綺麗だった『好き』の色は
嫉妬と独占の色で無くなってしまった
今残っているのは汚れてしまった『好き』の気持ちと
寂しさと虚しさだけ。
貴方の友達にでさえも嫉妬してしまう僕
そんな僕自身に呆れているけれど、どうしてもやめられない
貴方の全てを
僕は知りたい
僕が知っていればいい
僕だけが、貴方を好きでいたい
貴方の寂しさも苦しさも
ぜんぶ僕が埋めてあげる
だから貴方は安心して僕に頼ればいい
もう、何も苦しくならないように
僕が全部終わらせてあげる
僕が、全部
貴方の苦しみを、なくしてあげるから
大丈夫だよ
待っててね、元貴
ーーー
M
暗闇の中自分の手に持っているものを確認する
暗闇の中でもなんでも切れそうな鋭いナイフ
貴方のその暗闇でも光るその綺麗な声も
これで全部壊してあげる
R
M
元貴の顔が月あかりに照らされて明るくなる
大きな瞳
鼻筋の通った鼻
可愛らしい唇
ふわふわな髪
しなやかな体のライン
透き通るくらい白い肌
この容姿も、優しい性格も、全部大好きだった
これからもずっと愛してる
だからこそ、
他のどこかに行ってしまわないように
僕がこれで終わらせるんだ
R
R
腕に力を込める
ナイフが肉を切り裂く感触
そしてナイフに滴るどこまでも赤くて綺麗な血
元貴は口を開いた
口の端から血が垂れる
それを僕はゆっくり舌で舐めとった
元貴の目から涙が一筋溢れた
僕は勢いよくナイフを抜き取った
元貴は力無く倒れて痙攣して…
暫くして、動かなくなった
綺麗な顔をしたまま
これで、これで
元貴はずっと、僕だけのもの
R
僕はそう呟く
反応は勿論ない
僕は元貴に笑いかけてもう一度
深く深く
接吻した
End.
こんにちは
♡と💬よろしくお願いします
これからきっと更新頻度が 低くなる。 大切な人と拗れた わたしは沈むって言ったのに
ばいばい
コメント
5件
涼ちゃん貴方って人は…!!なんて素晴らしいの!(?」
ゔんっ、この話好きだ🫠
この話の涼ちゃん、ほんとに共感でしかない…私の元恋仲さん思い出してちょっと泣いちゃった、、低浮上になってもみのりん先輩のこと大好き!!