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名前も知らないその人に ひと目で惹かれてしまった
青色
緑色
反対のホームにその人は立っていた
ぱちりと視線が交わる
名前も知らない彼は 俺に静かに微笑んでくれた
緑色
流石に何も反応しないのは 非常識かと思い軽く会釈する
青色
彼も会釈してくれる
緑色
その時俺が乗る電車が来た
もう少し彼を見ていたかったな と思いつつ乗り込む
窓から彼が見える
彼は手を振ってくれた
緑色
ドアが閉まる
電車は動き出し やがて彼は見えなくなった
緑色
彼の瞳が頭から離れない
緑色
緑色
授業の内容が頭に入らない
あの人の事がフラッシュバックして
いつもは遅い時計の針も 今日は早く感じた
別に授業は好きじゃない むしろ嫌いだ
でもあの人のことを考えると 勝手に時間が進む
その時間が
緑色
緑色
っと言うことを再確認させてくる
緑色
昨日と同じ所に
今日も彼は立っていた
青色
昨日とは違ってスマホを見ていたけど
一瞬顔を上げた時
青色
青色
今日も微笑んでくれた
だから今日は
緑色
俺も笑ってみた
すると
青色
彼は驚いている様だった
緑色
緑色
そんな言葉を零す
反対側のホームに居る彼には 聞こえないだろう
少しして電車が来る
電車は彼の顔を隠す
立ち止まらず電車に乗る
緑色
あーあ
緑色
休日 俺はいつものホームに立つ
でもあの人は居ない
学生なのか社会人なのか そんなの俺には分かんないけど
休みぐらいゴロゴロしたいよな
まあ俺は遊びに行くんだけど
ガタガタ揺れる車内でスマホを弄る
緑色
いつもは彼の事を考えるが
今日はそんな事ない
緑色
緑色
きっと俺はもう
底なし沼にはまったのだろう
外に出て目的の場所に向かう
すぐそこだからゆっくり行こう
そんな事を考えていたら
青色
緑色
彼を見つけた
スーツ姿だった
きっと今から仕事なのだろう
いつも来ている私服とは違い
大人っぽい雰囲気がした
緑色
彼に聞こえない声で発する
そしてバレないように 横を通り過ぎて行った
緑色
頭はそれでいっぱいになっていた
あの休日を境に駅では見かけなくなった
きっと仕事が忙しんだろう
緑色
もしかしたら もう会えないかも
そんな気持ちを紛らわす為に 嫌いな授業に集中した
緑色
あれから1週間が経ったある日
青色
緑色
彼が現れた やっぱり彼の笑顔は輝いている
もう会えないなんて 杞憂だったようだ
緑色
自然と笑顔が溢れる
何故かは分からない でも
明日も会えるって分かっていたから