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LINE３８０

第1話 - あ

2023年03月19日

#恋愛

結城真矢

ミカ

お姉ちゃーん！久しぶり元気？

ミカ

って元気なわけないかーw

アン

ミカ？

アン

なんで？

アン

どうやって私の連絡先を知ったの？

ミカ

相変わらずお姉ちゃんってわかってないわねー

ミカ

私の可愛さを持ってすればお姉ちゃんの連絡先くらい

ミカ

すぐに手に入るのよ

アン

もう5年も経つのにまだそんなこと言ってるの

ミカ

そんなことよりお姉ちゃん結婚したんだって？

アン

何でそのことを

ミカ

私たち姉妹なのに教えてくれないなんて

ミカ

酷い人ねー

アン

は？

アン

あなたとは縁を切ったから教えてなかっただけよ

ミカ

でも残念でしたー

アン

どういうこと？

ミカ

私、お姉ちゃんの旦那さん奪っちゃったーw

アン

何言ってるの？

ミカ

動揺する気持ちはわかるけどこればかりは仕方ないよね

ミカ

今、私お姉ちゃんの旦那さんと旅行中なんだー

アン

旦那と旅行中？

アン

そんなわけないじゃない

ミカ

かわいそうなお姉ちゃんw

ミカ

でもホントお姉ちゃんって女としての魅力がないのね

アン

いやいや本当にそんなわけないと思うけど

ミカ

お姉ちゃんの男落とすなんて簡単

アン

もういい加減私に関わるのはやめて

アン

あなたとはもう縁を切るっていったじゃない

ミカ

そんなのお姉ちゃんが勝手に言ってるだけじゃん

アン

どうしてそんなに私のものを欲しがるのよ

ミカ

ちょっと頭が良かったってだけで

ミカ

お父さんもお母さんもお姉ちゃんの肩持つし

ミカ

ブスのくせに目障りなのよ

アン

何言ってるの？

アン

親は平等に接してくれていたわよ

アン

むしろお母さんはつねにあなたを気にかけてじゃない

ミカ

そんなことないわ

ミカ

ちょっと勉強が出来るだけでブスで地味なあんたが

ミカ

友達や恋人に恵まれて楽しくしてると思うと

ミカ

腹立たしいのよ！

アン

はぁ？

ミカ

私の方が可愛いのになんであんたの方がチヤホヤされるのよ

ミカ

ホント許せないんですけど

アン

そんなことで私から友達も彼氏も奪ったって言うの？

ミカ

そんなこと？

ミカ

私にとっては十分な理由だけど

アン

勉強だって、友達や恋人が出来たことだって

アン

すべて私は努力をして手に入れたのよ

ミカ

はぁ？努力？

アン

そうよ。あなたは何も努力してないじゃない

ミカ

私は可愛く生まれたの！才能があるの

ミカ

あんたとは違うの！

ミカ

努力なんてしなくても欲しいものは何でも手に入るのよ

アン

世の中そんなに甘いわけないじゃない

ミカ

この世の中なんてわたしにとってはヌルゲーよ

アン

ヌルゲー？

ミカ

そうそう。あんたの友達だって

ミカ

私がちょっと作り話しただけで

ミカ

みーんな私の味方になってくれたし

ミカ

彼氏だってそうだわ

ミカ

ちょっとちょっかいかけてみたら

ミカ

すぐに私にゾッコンになっちゃって

アン

あんたがみんなを騙してたことは

アン

私も両親も気づいてたわよ

ミカ

でもあんたの友達も彼氏も全然私に尽くしてくれなくて

ミカ

つまらなくなって全部捨てちゃったわ

アン

は？全部捨てた？

アン

あんたのせいで心労がたまってお母さんが亡くなったの

アン

忘れてないでしょうね！私は許してないから！

ミカ

あれは私のせいじゃないわよ

アン

あなたがこんな風になってしまったのは自分のせいだって

アン

自分を責めてこの世を去ったのよ！

ミカ

そんなの嘘に決まってるじゃない！

ミカ

それにいつも私の味方だったお母さんが亡くなったのは

ミカ

私だって悲しかったし！

アン

お母さんは最期まであなたのことを信じて

アン

それなのにそうまでして手に入れた友達も恋人も

アン

全部捨てたですって！？

アン

あなたどれだけの人を傷つけたら気が済むのよ

ミカ

はぁ？傷ついたのは私の方なんですけど！

ミカ

お母さんは亡くなっちゃうし、彼氏だって

ミカ

あんなに私のこと可愛いとか言ってたくせに

ミカ

若い女と浮気しやがって！すぐに別れてやったわ

アン

自業自得ね

アン

まぁ結局その程度だったって事ね

ミカ

あんた人を見る目なさ過ぎよ

アン

いやあの人たちを奪って変えてしまったのはあなたじゃない

ミカ

私はあんたから奪えれば別になんでも良かったのよ

アン

なんでもいいって…

ミカ

まぁでも旦那はいい男見つけたみたいじゃない

アン

でもどうして私の旦那を知ってるのよ

ミカ

だーかーらー私の情報網を甘く見ないでって言ってるでしょ

ミカ

経営者の旦那捕まえるなんてなかなかやるじゃない

アン

経営者…？

ミカ

隠さなくてもいいのよ

アン

隠してるつもりはないけど

ミカ

だってあんたの旦那の方から声をかけてきたのよ

ミカ

やっぱり私の可愛さに心奪われたのね

アン

どこで？

ミカ

どこって地元に決まってるじゃない

アン

そんなはずはないと思うけど

ミカ

あんたに可愛い妹がいるって知って気になっちゃったのねw

アン

本当に違うと思うけど

アン

私たち今海外にいるから

アン

勘違いじゃないの？

ミカ

またまたー強がっちゃって！

ミカ

もう1年も経つのに気づかないなんて鈍感ね

アン

1年…？

アン

強がりとかではないけど

ミカ

しかも海外にいるって！嘘も大概にしなよねー

アン

いや本当だって

ミカ

つらい気持ちはわかるけど

ミカ

やっぱりどんだけ努力しても

ミカ

生まれ持った才能には勝てないって事ね

アン

あなた大丈夫？

アン

誰かに騙されてるんじゃない？

ミカ

はいはい。まぁ悲しいかもしれないけど

ミカ

元気出して頑張ってよー

～数日後～

ミカ

お姉ちゃーん！朗報です！

アン

何よ。もう連絡してこないでって言ってるじゃない。

ミカ

えー？お姉ちゃんにも関係あることだから

ミカ

わざわざ連絡してあげたのにー

アン

何なのよ

ミカ

私、お姉ちゃんの旦那さんと結婚することになりましたー！

ミカ

なので、お姉ちゃん早く離婚してください！

アン

はい？

ミカ

だからこの前も言ったじゃない

ミカ

お姉ちゃんの旦那さんから声かけられて奪っちゃったってｗ

ミカ

それで昨日プロポーズされちゃった♡

アン

人違いだと思うけど

ミカ

妹の幸せ願って離婚してよー

アン

それは私の旦那ではないので勝手にどうぞ

ミカ

旦那さんのこと信じたい気持ちはわかるけど

ミカ

もう手遅れだから

アン

はいはい

ミカ

お姉ちゃんが好きな人は全員私を好きになる

ミカ

運命って残酷よねー

アン

縁を切ったとは言え妹だから忠告しておくけど

アン

本当に勘違いだと思うよ

ミカ

ふーん

アン

私への妬みだけで行動しちゃってるみたいだけど

アン

一度冷静になって状況を確認してみた方がいいと思うよ

ミカ

無駄な忠告してくれてありがとう

ミカ

でも残念ー私は幸せになりますー

ミカ

これで天国のお母さんにも幸せ報告ができるわー

～数日後～

ミカ

ちょっとお姉ちゃん！

ミカ

何してくれたのよ！？

アン

何のこと？

ミカ

あんたが旦那になんか言ったんでしょ！

アン

だから何の話してるの？

ミカ

いなくなっちゃったのよ！

アン

誰が？

ミカ

ごまかさないで！お姉ちゃんが裏で手を回してるって

ミカ

知ってるんだからね！

アン

ごめん。本当に何の話かわからないんだけど

ミカ

もう！

ミカ

彼がいなくなっちゃったのよ！

アン

彼？

ミカ

お姉ちゃんの旦那よ！

ミカ

私と結婚することになったって言ったじゃない！

アン

いやだからそれは別人だと思うって言ったよね？

ミカ

いいから！早く彼を返して！

アン

あなた今日本にいるのよね？

ミカ

は？何バカなこと言ってるのよ

ミカ

そうに決まってるじゃない！

アン

私たちは海外にいるのよ。

ミカ

もう今はそんな嘘どうでもいいから！

アン

だから嘘じゃないんだって

アン

私たちは旦那の仕事の関係で

アン

2年前から海外に住んでいるのよ。

ミカ

へ？

アン

私たちは2年間ずっと海外で暮らしているの。

アン

だから旦那が地元であなたに言い寄るはずがないの。

アン

そもそもあなたと旦那が会うこと自体ありえないの。

ミカ

へっ？

アン

だから完全にあなたの勘違いで人違いなのよ。

ミカ

じゃ彼は？誰なの？

アン

知らないわよそんなの

ミカ

待って。じゃお金は？

アン

お金？

ミカ

そう。結婚資金！

ミカ

彼に結婚資金も渡したのよ

アン

え？

アン

お金渡して連絡が取れなくなったって事？

ミカ

そうよ！

ミカ

それに彼はお姉ちゃんのことも詳しかったし

ミカ

やっぱり人違いなはずないよ

アン

今、私旦那と一緒にいるんだけど、

ミカ

え？

アン

もしかしたらその彼、旦那の弟かもしれないって

ミカ

へ？

ミカ

旦那の弟？

アン

そう、私の旦那は双子なの。

アン

双子の弟がいるの

ミカ

どういうこと…？

アン

その通りの意味よ

ミカ

いやちょっと意味がわかんないんだけど

アン

旦那の弟は結婚詐欺師みたいなの

ミカ

はぁ？

アン

去年一度、旦那の弟が私たちのところに

アン

来たことがあったの

ミカ

え？海外に…？

アン

そう。そのときも女性を騙してお金を手に入れたって

ミカ

うそ

アン

あなた、その彼と関係を持ったのって

アン

1年前って言ってたよね

ミカ

そうだけど

アン

おそらくだけど、旦那が私と結婚して

アン

私には妹がいるって情報を仕入れて

アン

あなたに接触したんじゃないかしら

ミカ

え…ちょっと待って

ミカ

私を嵌めたってこと？

アン

私たちは何もしてないわよ

ミカ

結婚詐欺師の弟を使って私を貶めようとしたんでしょ

アン

だからそうじゃないって！

アン

弟が来たときだって私の話はしてないし

アン

旦那ももう弟とは縁を切ってるの！

ミカ

へ？

アン

弟が結婚詐欺をしてるって知って

アン

辞めさせようとしたんだけど、

アン

話にならなくてそのときも追い返したのよ！

ミカ

え

アン

でもそのときに私を見て地元とか調べてたのかもしれない。

アン

それでミカのことを知って近づいたんじゃないかな

ミカ

じゃ私、結婚詐欺に引っかかったって事…？

アン

まぁそういうことになるんじゃないかな

ミカ

えぇ…

ミカ

じゃ私たちの結婚資金は？

アン

それも結婚資金ではなくて

アン

ただ単にだまし取られたって事じゃないかな

ミカ

ちょっとどうしてくれるのよ！

アン

そんなこと私に言われても知らないわよ

ミカ

どうしてそんな大事なこと先に言わないのよ！

アン

だって結婚詐欺に引っかかるなんて思うわけないじゃない

ミカ

そんなぁ

ミカ

新しい事業ももうすぐ成功するから

ミカ

結婚後は安泰だって言われたから

ミカ

借金までして結婚資金は私が用意したのに

アン

は？

アン

あなた借金までしたの？

ミカ

そうよ。それであんたの旦那奪えるなら

ミカ

安いものだと思ったし！

アン

よくもまぁそんな嘘に引っかかったわね

ミカ

だって

アン

それに私は何度も人違いだって

アン

私たちは海外に住んでるって

アン

冷静になりなさいって忠告したよね？

ミカ

そんなの強がってるって思うに決まってるじゃない！

アン

私はずっと本当のことしか言ってないわよ

ミカ

な…

アン

あなたが勝手に人を妬んで勘違いして

アン

自業自得じゃない

ミカ

私これからどうしたら…

アン

そんなこと知らないわよ

ミカ

やっとお母さんに幸せ報告できるって思ってたのに

アン

そもそも人の旦那奪って幸せ報告なんて出来るわけないでしょ

ミカ

なっ

アン

あなたは一度本当に痛い目に会わないとわからないのよ

アン

これでもう懲りたでしょ

ミカ

ちょっと私のこと見捨てる気？

アン

見捨てるも何も私たちはもうとっくに縁を切ってるのよ

ミカ

ちょっと待ってよ

ミカ

あ、お父さんのところに

アン

残念ね。

アン

最愛の妻であるお母さんをあなたのせいで失ってるのよ

アン

お父さんがあなたを許すわけないでしょ

ミカ

何よそれ

アン

もういい加減にしなさいっ！

アン

いつも人を羨んで努力もせずに欲しいものを手に入れようとして

アン

人をおとしめることしか考えてない

ミカ

なっ

アン

そんなんだから結局周りが見えずに

アン

結婚詐欺なんかに騙されるのよ！

アン

騙されたら今度は人のせいって

アン

いつまで人頼りに生きてるのよ！

ミカ

そんなぁ

アン

自分の人生なんだから

アン

自分で考えて行動しなさい！

ミカ

お願い助けてよぉ

ミカ

借金返すお金なんてもうないよぉ

アン

無理です。

アン

自分でどうにかしなさい！

～後日談～

アン

結局ミカは実家の父のところに助けを求めに行ったようですが

アン

父は母の件ですでにミカとは絶縁しており、

アン

お前などもう娘でも何でもないと門前払いをされたようです。

アン

今は一人で借金を返すべく朝から晩まで身を粉にして働いているようです。

アン

私たちは来年ようやく旦那の海外赴任のが終了が決定し、

アン

日本に帰国することになりました！

アン

日本に戻ったら一人でさみしくつらい思いをしている父親と

アン

同居することも決まりました！

アン

これからも旦那と一緒に父を支えて生きていこうと思います！

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結城真矢

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