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今日は珍しく〇〇が早起きだった。

ユ〇ギはまだ寝ていた。

〇〇は朝ごはんを作ったりと主婦的なことをしていた。

料理していると〇〇のポケットからクレイモランのペンダントが落ちた。

〇〇

あ、!

拾おうとした時

〇〇

あれ?

ペンダントの裏には何やらメッセージが書いてあった。

“You're not born alone in this wonderful world.”

〇〇

どういう意味なんだろう、、

すると

ユ〇ギ

何してんの。

〇〇の頭をくしゃくしゃ撫でてきたユ〇ギ。

〇〇

うわぁあ

〇〇

ユ〇ギ、?!

〇〇

いつ起きたの?

ユ〇ギ

さっき。

ユ〇ギ

で、何してんの。

〇〇

あ、、!

〇〇は慌ててペンダントを隠す。

〇〇

べ、別に!

〇〇

あ、えっと

〇〇

足がつっちゃったんだぁ〜

〇〇

いしししし

ユ〇ギ

何だそれ。(笑)

ユ〇ギ

まぁいいや。

〇〇

(まだユ〇ギは言わないでいよう。)

〇〇

あ、そうだユ〇ギ

ユ〇ギ

ん?

〇〇

今日カジノ行こ?

〇〇

ジ〇ンさんがこの前誘ってくれたの。

ユ〇ギ

ユ〇ギ

カジノ、、か

〇〇

やっぱりダメ、、?

ユ〇ギ

ユ〇ギはしばらく黙って考えた後、ぽつりと呟いた。

ユ〇ギ

23時

〇〇

え?

ユ〇ギ

23時以降なら、いける。

〇〇

ほんと?!

ユ〇ギ

ん。

〇〇

いししし(笑)

〇〇

やったぁ、、((小声

ユ〇ギ

(笑笑)

このビルに来て〇〇は少しずつユ〇ギに甘えたり、頼みごとなどを素直に言えるようになった。

ご飯食べ終わってソファで二人でまったりしていると、部屋にお客さんが来たことを知らせるベルが鳴る。

ユ〇ギ

俺が出る。

〇〇

ユ〇ギがセキュリティロックを開けて玄関ドアを開けた瞬間、

ずかずかと部屋に入って来たのはウルフだった。

ユ〇ギ

いやお前か。

【来ちゃダメか?】

ユ〇ギ

あぁ。

ユ〇ギ

帰れ。

【冷てぇやつだな】

ユ〇ギは適当にそこらへんにあったクッションをウルフに投げ飛ばした。

【おい、やめろよ!子供か。】

ユ〇ギ

帰れ。

〇〇

ちょ、ユ〇ギ、、!

ユ〇ギ

で何の用だよ。

【あぁ、それなんだけど。昨日、俺の部屋に変な女が訪ねてきて、お前のこと調べてたんだが】

【心当たりは?】

ユ〇ギ

は?

ウルフはユ〇ギにある写真を渡す。

【こいつのこと知らないかってこの写真を見せられたんだよ】

ユ〇ギ

その写真は〇〇の幼少期の写真だ。

〇〇

これ、、

〇〇

私、、?

【あぁ。】

〇〇

隣にいるのは、、?

〇〇

誰?

【やっぱり記憶にないんだ。】

〇〇

え、、?

ユ〇ギ

何でこいつの写真を持ってんだ。

ユ〇ギ

しかも幼少期の頃の写真。

【、、、】

テ〇ョンの嫌な予感が的中しつつある。

ユ〇ギは舌打ちしてウルフに詰め寄る。

ユ〇ギ

どんなやつだった?

【まぁ美人だけどそこら辺に良くいそうな感じの女】

ユ〇ギ

誰だ、、。

【さぁ、俺はあったことない奴だったけど。】

〇〇

〇〇

ユ〇ギ、、

震えた声で心配そうにユ〇ギの名前を呼ぶ〇〇。

ユ〇ギ

大丈夫。

ユ〇ギ

お前は何も心配しなくていい。

ユ〇ギ

ちゃんと守ってやるから。

ユ〇ギが手を伸ばすと、〇〇はその腕の中に導かれるようにすっぽり収まって安心感に包まれる。

【、、まぁとりあえず伝えたからな】

ユ〇ギ

ん。

とウルフが部屋から出て行き、ドアが閉まる音がすると同時に

胸の中にいる〇〇の顎を掴んで上を向かせるユ〇ギ。

うるうるな目が揺れているのを見て、ふっと笑う。

ユ〇ギ

俺から離れなければ良い。

ユ〇ギ

だから不安になんな。

〇〇

うん。

〇〇

そうだよね。ユ〇ギから離れなければ大丈夫だよね。

ウルフは部屋の外に出て一人溜息を吐く。

その時

《ふふっ、こんばんは♡昨日ぶりですね、ウルフ♡》

【、、何の用だ。エル。】

突然現れた女はクスクス笑いながらウルフに近づく。

《酷いわねぇ〜あんた、昨日、あの子の写真を見せたら》

《“こんなやつ知らねぇ”って言ったくせに、普通に仲良さそうだし思い切り知り合いじゃない。(笑)》

【うるせぇ。】

《昨日言ったこと覚えてる?私はミン・ユ〇ギが欲しい。》

《結構前から彼のことが好きでね。私組織内ではハニートラップ専門なんだけど、》

《3年前くらいに彼に仕掛けて見たんですけど、引っかからなくてぇ〜》

【あいつ、元々女は嫌いだぞ。】

《そう。そこよ》

《簡単に誘惑に引っかからないところに惚れちゃったの〜。》

《よーするに、この手でミン・ユ〇ギを手に入れたい!》

《って今まで頑張ってハニートラップの腕を磨いてきたのに、、》

《3年経った今、やっと再会した彼の隣は。》

《邪魔な女がいた。しかもよりによってクレイモランのお姫様。》

《〇〇、、。まだ生きていたとはね〜》

ウルフは無視して部屋に戻ろうとした、その時

《あの女の子が好きなんでしょー?》

《だったら私と協力して二人を引き剥がそ?》

【誰が協力するかよ。】

《じゃああの女の子がどうなっても良いんだ。》

【は?】

《わたし、彼さえ手に入れば良いと思っててね。》

《あの女の子はどうなっても構わないわ。》

《だからもう一度あの子を殺しちゃおうかなって、、あはははは!》

【てめぇ、、】

《ウルフが協力してくれるなら、話は別だけどね》

【、、、ユ〇ギがお前に振り向くわけねぇだろ。】

《そ〜んなのやってみないとわからないじゃな〜い。》

《なんならあの女の子を殺して、彼が悲しんでる間につけ込んじゃう作戦もありよ〜》

【、、、】

《協力してくれるなら違う作戦があるんだけどな〜》

【、、、何したらいい。】

ウルフはその女に導かれるように着いて行く。

2人がとある部屋の一室に入る瞬間を、たまたまその廊下を歩いていたジ〇とジョング〇が見ていた

ジ〇

あれ?

ジ〇

今のってウルフ?

ジョング〇

ほんとだ〜

ジョング〇

女連れて部屋に入っていっちゃいましたね〜

ジョング〇

気になるぅ〜!(笑)

ジ〇

おい、変な想像はやめろ(笑)

ジョング〇

はぁーい

ジョング〇

でもヒョン?

ジ〇

ん?

ジョング〇

あの女って誰ですかね?

ジ〇

さぁ〜

ジ〇

ウルフが惚れた相手じゃない?

ジョング〇

時刻はすでに18時。

ユ〇ギはナム〇ュンと仕事していた。

ナム〇ュン

じゃ俺は失礼しますね

ユ〇ギ

あのさ

ユ〇ギ

23時にカジノ行くんだけど

ユ〇ギ

お前も来いよ。

ナム〇ュン

えカジノですか?

ユ〇ギ

まぁ俺もあんま行きたくはないんだけど。

ナム〇ュン

でもユ〇ギヒョン昔カジノ行った時、結構儲かってましたよね

ユ〇ギ

あれは運だよ。

ナム〇ュン

さすが盗賊(笑)

ナム〇ュン

じゃあ23時にカジノのホールで良いですか?

ナム〇ュン

気晴らしに勝負でもしましょうよ

ユ〇ギ

あぁ。

ナム〇ュン

笑笑

部屋に戻っていくナム〇ュン。

23時。

ユ〇ギはいつも通りの黒のアサシン服でカジノのフロアに向かう。

入り口で認証チェックを受けて中へ入ると、すでにたくさんの人で賑わっていた。

ユ〇ギ

ユ〇ギ

面倒くせぇ。

人混みが嫌いな性格柄、そんな言葉がポロっと出てくるあたり不機嫌なのは間違いない。

ふらりと適当に歩いていたら、

ドンっと誰かにぶつかって、相手の身体がぐらりと傾いた。

ユ〇ギは咄嗟にその身体を抱きとめる。

〇〇

うわぁっ

〇〇

ユ〇ギ、、

ユ〇ギ

は?〇〇

ユ〇ギ

ユ〇ギ

やっぱりお前は危なっかしいな。

〇〇

ご、ごめんなさい

〇〇

あれ?お仕事終わったの?

ユ〇ギ

あぁ。

〇〇

よかった〜

〇〇

今ジ〇ンさんとはぐれちゃって

〇〇

どうしようかと思ってたの

ユ〇ギ

、、ったく

ユ〇ギ

お前まじで、、

〇〇は綺麗な衣装を身につけていて、おまけに化粧もして、周りの男の視線を集めていた。

〇〇

〇〇

この衣装、

〇〇

変だった、、?

ユ〇ギ

いや、、

ユ〇ギ

その、、

ユ〇ギ

似合ってる。

ユ〇ギ

すごく。

〇〇

ほんと?

ユ〇ギ

ほんとだよ(笑)

〇〇

笑笑

ユ〇ギは〇〇の頭を撫でる。

そんな2人を影でじっと見つめている人物が、、

【で、これからどうするんだ。】

《とりあえず彼とあのお姫様を引き離して》

【、、引き離せばいいんだな。】

《そーいうこと〜。しばらくはお姫様と一緒にいてよ。私が合図あるまでは。》

【、、それだけで良いんだよな?】

《えぇそうよ。もしかしてもっと仕事が欲しいの?(笑)》

【いらねぇよ。お前はどーするんだよ。】

《あの2人を引き離した後、彼と話をするの。ゆっくりねぇ》

ウルフは静かに〇〇に近づく。

〇〇

、、あ、ウルフさん。

【、、よぉ。】

〇〇

どうしたんですか、、?

【お前この間、俺の部屋に忘れ物して帰ってたから、今から部屋に取りに来いよ】

〇〇

え?

〇〇

忘れ物、、?

ユ〇ギ

んなのお前が持って来いよ。

【うるせぇな面倒だったんだよ。】

〇〇

ん〜じゃ今から行きます。

〇〇

ユ〇ギはここでまってて?

〇〇

すぐ戻るから

ユ〇ギ

ウルフ。

ユ〇ギはウルフを睨んだ。

【大丈夫だよ。あんたに婚約者には手出さねぇよ。】

ユ〇ギ

言ったな。

【あぁ。】

とウルフとカジノのフロアから出て行く〇〇。

ユ〇ギは1人、ため息を吐いたその時。

《暇そうねぇ〜》

と甲高い声が聞こえてきて、ユ〇ギは思わず

ユ〇ギ

あ?

と反応を返した。

そこにいたのは、スタイル抜群で黒いドレスを着こなす美人な女性。

《ミン・ユ〇ギさん?私のこと覚えてるかしら?》

ユ〇ギ

誰。

《えーひっどーい!(笑)相変わらず冷たいのね〜》

ユ〇ギ

何の用。

《おしゃべりしましょっ!》

ユ〇ギ

は?

ユ〇ギ

帰れ。

《っんも〜!そう言わずにさ〜》

とユ〇ギの腕に絡みつく。

ユ〇ギ

おい。離せ。

《ねぇ〜私のお話聞いて?》

ユ〇ギ

暑苦しい。

《え〜。あの子は引き剝がさないのに私は引き剥がそうとするんだぁ〜》

異様な雰囲気をまとう女に、ユ〇ギはピクリと眉をしかめた。

ユ〇ギ

ユ〇ギ

お前か。

ユ〇ギ

最近俺のことで嗅ぎまわってる女って。

《あ、た、り❤︎》

ユ〇ギ

、、俺に用があるなら直接言え。

《へぇ〜意外と優しいんだぁ〜》

《じゃお話聞いてくれるんだね?(笑)》

ユ〇ギ

、、、チッ。

ユ〇ギ

何だよ。

《部屋来て?》

ユ〇ギ

は?

《そこで話すわ。》

ユ〇ギ

無理。

《はぁ〜?》

ユ〇ギ

じゃ話は聞かねぇ。

《、、、》

《あのお姫様。どうなってもいいんだぁ〜。(笑)》

と〇〇とウルフが水晶玉に映っている。

🔮

《私、XIII機関の中でも職業は占い師でね。》

《今私が水晶玉に呪文を唱えれば、あの女の子を殺すことだってできる。》

ユ〇ギ

、、お前。

ユ〇ギ

XIII機関だったのか、。

《ふふふ(笑)部屋に来てくれますよね?》

その頃、〇〇はウルフの部屋じゃなくて別の部屋に案内されていた。

〇〇

え、、?

〇〇

ウルフさん

〇〇

どこに行くんですか、?

【、、、】

〇〇

ウルフさん、、?!

〇〇

私忘れ物取らなきゃ、、

【お前は忘れ物なんてしてねぇよ。】

〇〇

へ、?

【これは、お前のためしたことだ。】

〇〇

ウルフさん、、?

ついた部屋に入ると

ユ〇ギ

、、、っ〇〇!

と焦っているユ〇ギが居て、

〇〇

え、、?

〇〇

ユ〇ギ?

と〇〇が驚いた隙を狙って、女の部下であろう黒スーツの男達がウルフと〇〇を押さえつける。

【おい!何で俺まで】

とウルフが声を荒げると、ユ〇ギの目の前にいた女は妖艶に笑った。

《あっはははは!(笑)》

《だってウルフじゃ、その女の子を人質に取れなさそうだし〜》

《こっそり逃しそうだなーって(笑)》

【は?!お前最初っから、、!】

《だって私、このお姫様を生かして返すつもりないからさ》

すすっと〇〇の白い頰を撫でる女にユ〇ギは顔をしかめる。

ユ〇ギ

〇〇に触んな。

ユ〇ギ

くそ女。

【っんも〜。怖いなぁ、良いの〜そんな口聞いてぇ〜》

《今すぐにでもこのお姫様、切り裂いちゃうことも出来るんだよ(笑)》

とナイフを見せびらかす。

【、、お前。】

ウルフもユ〇ギも我慢してグッと堪える。

一歩でも動いたり少しでも女の機嫌を損ねたら、、

〇〇に突き出されている刃物が一瞬にしてその白い肌に、、

と想像しただけでも恐ろしい。

ユ〇ギは女を冷たい目で睨みながら静かに

ユ〇ギ

用件は、、。

《ミン・ユ〇ギ。あなたの血が欲しい。》

ユ〇ギ

は?

ユ〇ギは目を見開いて、押さえつけられていた〇〇は一気に恐怖と不安に押しつぶされそうになった。

一瞬にして場が凍りつくなか、女は1人、ニコニコ笑ったまま。

ユ〇ギ

お前。俺のこと簡単に殺せると思うんだな。

《えぇ。だって私。機関の中でも結構優秀な方でね。》

ユ〇ギ

〇〇

、、ユ〇ギ、

《ねぇ〜〇〇お姫様。》

〇〇の頰に手をあてる女が

《どうして生きているの。》

《あんたもあの日死ねばよかったのに。》

《母親と一緒に死ねばあんたはこんな目にあっていないんだよ。》

〇〇

、、っ、!

〇〇

どういうこと、、

〇〇

ですか、、

〇〇は震えながら喋った。

《笑っちゃうわ〜!まだわからないの?(笑)》

女は〇〇の髪を引っ張って

《私はあんたの母親を殺した!》

《あんたによく似た母親を私は殺したの!》

〇〇

、、っ!

この女は〇〇が8歳の頃、クレイモランの王女(〇〇の母親)を殺した女。

〇〇

嘘、、

〇〇

お母様は、、、

《今度こそ。あんたをひとりぼっちにしてやるわ。》

《でもその前に、私はミン・ユ〇ギの血が欲しい。》

すると近くにいた黒スーツの男達がユ〇ギを押さえつけた。

ユ〇ギ

、、っ!

《1番強い人間を殺すってすごいことだと思うの。(笑)》

《株があがるわよね!あっははは!》

女はユ〇ギにナイフを突き刺そうとしたその時、

〇〇

、、っ、ダメ、!

〇〇は部下たちに押さえられた手を払ってユ〇ギの目の前に立ち

ナイフの刃先を思い切り掴んだ。

ユ〇ギ

、、?!

綺麗な指からポタポタ垂れる赤い血。

《な、何よ、、あんた、、》

《そ、そのナイフ、、、は、》

〇〇

女は思わずナイフを手放し距離をとった。

【ま、まさかお前、、そのナイフ、、】

《、、は、ははは。このお姫様、ナイフに毒なんかつけてることなんか知らないで、、》

その時〇〇は倒れ込み視界が真っ暗に。

ユ〇ギ

、、っ〇〇!

目の前で広がる赤色に、ユ〇ギは目を見開く。

ユ〇ギ

《な、何よ、、勝手に死にいったんだ、、。私は悪くない、、!》

そして丁度同じタイミングで、ジ〇達が駆けつけてくる。

ジ〇

ユ〇ギ、、っ、

ジ〇は部屋に入って固まった。

ジ〇

、、嘘だろ。

と静かに呟くと、後に続いて入ってきたナム〇ュンとジ〇ンも顔をしかめた。

ジ〇ン

ヒ、、ヒョン、

ウルフは抜け出してすぐに〇〇の元に駆けよって、力無く横たわる身体を揺らす。

【おい、しっかりしろ!!】

と呼びかけるが、返事はない。

ナム〇ュン

ちょっと待って、

とナム〇ュンがウルフを退かして〇〇の容態を見る

ナム〇ュン

大丈夫、まだ間に合う。

ナム〇ュン

傷が思ったよりは浅い。

【ほ、本当か?!】

ナム〇ュン

でも早く治療したほうがいい。

ジ〇ン

救急車。いや、でも警察にバレたらやべぇな

ユ〇ギ

ツテがある。

ユ〇ギ

多分そこなら大丈夫だ。

ジ〇

ユ〇ギ、、。

ユ〇ギの表情は前髪で隠れていて見えないが

ユ〇ギ

ユ〇ギ

ナム〇ュン。

ナム〇ュン

はい

殺気はどうにも隠しきれてない様子だった。

ユ〇ギ

この女を本社の独房にでもぶち込んでおけ。

《な、なによそれ!このお姫様は自分で、、》

ユ〇ギ

うるせぇ。

ユ〇ギ

黙れ。

ユ〇ギ

おい。ナム〇ュン

ナム〇ュン

わかりました。

ナム〇ュンに連れていかれる女を一切見ないで、やっと〇〇に静かに近づくユ〇ギ。

うっすらだけど、まだ涙目の目がユ〇ギを写していた。

ユ〇ギ

ユ〇ギ

何で、、。

ユ〇ギ

俺をかばったんだよ、、。

ユ〇ギ

ユ〇ギ

絶対助けてやるから。

とそっと〇〇を抱き上げる。

〇〇が目を覚ましたのは、真っ白なベッドの上だった。

見覚えのある寝室はあのカジノビルのじゃなくて、、住み慣れたタワービルの最上階のあの部屋。

ゆっくりと起き上がると、相変わらず綺麗な眺めが見える大窓に囲まれていて朝日が眩しい。

何故か光を久々に浴びた気がして思わず子供のように外を眺めた。

しばらく外を眺めていたら、カタン、と音がして。

〇〇がゆっくり振り向くと、ジ〇ンがビックリしたような顔で寝室のドアを開いていた。

ジ〇ン

〇〇ちゃん、、っ?!

〇〇

ジ〇ン

良かった、、、

ジ〇ン

もう2、3週間目を覚まさないから、、、心配して。

〇〇

ジ〇ン

〇〇ちゃん、、?

ジ〇ンは何となく嫌な予感がして〇〇にゆっくり近づく。

ジ〇ン

僕のこと見える?

〇〇

こくりと頷く〇〇。

ジ〇ン

僕の声は聞こえる?

またこくりと頷く。

ジ〇ン

じゃ、、

ジ〇ン

僕のこと覚えてる?

〇〇はゆっくり頷いた。

ジ〇ンはホッとして

ジ〇ン

よかった、!

ジ〇ン

もしかして記憶なくなっちゃったかと思って、、、

と言いかけた時、〇〇はフルフルと首を横に振る。

その顔は涙に濡れていて、ただただ悲しそうな顔で何かを訴えるように。

ジ〇ン

もしかして、、

ジ〇ン

ジ〇ン

〇〇ちゃん、声が、、、

〇〇は、涙で目を真っ赤に泣き腫らしながらゆっくり、、、頷いた。

ジ〇ン

な、何で、、、

ジ〇ン

だって

ジ〇ン

医者が、毒は少し弱めだからほとんど治るって。

〇〇

ジ〇ン

待って、今ヒョンを呼んで来るから、、!

〇〇

、、、っ!

〇〇は、泣きながらジ〇ンにしがみつく。

ジ〇ン

え、何?!

ジ〇ン

どうしたの?

〇〇

、、っ

〇〇は首を横に振るだけ。

しばらく考えたジ〇ンが震える〇〇の肩を抱きしめて、引き止められた理由に気づく。

ジ〇ン

あ、そうか、、

ジ〇ン

そうだよね、、。

ジ〇ン

1人は怖いよね、、。

ジ〇ン

気づかなくてごめんね、、。

〇〇

ジ〇ン

ユ〇ギヒョン心配してたから、一緒に会いに行こう。

〇〇とジ〇ンはエレベーターに乗って一階のフロントにまで来ていた。

ジ〇ン

多分そろそろ来ると思うから、一緒に待とうね?

と気を遣ってくれるジ〇ンに、〇〇はコクコクと頷く。

だがタイミング悪く

何も知らない社員達がジ〇ンを囲んでしまった。

そして、またもやタイミング悪く、フロント前の正面入り口からユ〇ギが部下を引き連れて入って来た。

が、部下と仕事の話でもしているのか、〇〇とジ〇ンの存在に気づかないままスタスタと歩き去ってしまいそうだった。

〇〇は、呼びかけたくても声が出ないもどかしさにどうにかなりそうで、

心の中では必死に叫んでいるつもりなのに、

息を吸うのがやっとで、それを声として伝えることができない。

〇〇

、、、っ!

また、泣きそうになる。

〇〇

(ユ〇ギ、、、っ、気づいてお願いっ)

諦めながらも、ぎゅっと目を瞑って祈ったその時。

ユ〇ギ

、、、〇〇!

痛いくらいに抱きしめられる身体と、安心する温もりで〇〇は涙が溢れる。

もはや嗚咽すら出ないが、ユ〇ギにぎゅうっと擦り寄るように手を伸ばす〇〇はまるで迷子の子供のようだった。

ユ〇ギはすぐに〇〇の顔を覗き込んだ。

ユ〇ギ

ユ〇ギ

よかった、、。

ユ〇ギ

目覚めて、、

〇〇

ユ〇ギ

そんな不安そうな顔すんな。

〇〇

ユ〇ギ

○○、顔上げて、、。

〇〇

顔をうつむかせながらふるふると横に振る〇〇。

ユ〇ギ

ユ〇ギ

声、出ないんだな。

というユ〇ギの言葉に〇〇はどんな反応をしたら良いかわからなくて、

ユ〇ギから離れようとするけど、絶対に離してくれない。

ユ〇ギ

大丈夫、大丈夫だから

〇〇

、、っ、

ユ〇ギ

落ち着け。

〇〇

、、〜っ!

優しい顔して背中ポンポン叩いてくれる。

ユ〇ギ

一旦部屋戻るぞ?

部屋に戻ってユ〇ギのツテである医者を呼ぶことに。

来てくれた医者が言うには“極度のストレス”と“精神的なショック”から声が出なくなったらしい。

そう説明を受けたユ〇ギは深く溜息を吐いた。

ユ〇ギ

ユ〇ギ

俺のせいだ。

ユ〇ギ

お前の声が出なくなったのは、、。

〇〇

ふるふると首を横に振る〇〇。

ペンを持って紙に何かを書き始めた。

〇〇

〇〇

“ユ〇ギは何も悪くない“

ユ〇ギ

ユ〇ギ

〇〇、、でも、、

〇〇

“それにね、、“

と執筆は続く。

〇〇

“私が勝手にやったことだから。悪いのは私なの。またユ〇ギにたくさん心配かけちゃったね、、、。”

〇〇

”ごめんなさい“

ユ〇ギ

お前が悪いわけねぇだろ。

ユ〇ギ

しかも、、あの女が

ユ〇ギ

お前の、、

〇〇

〇〇

“じゃあこの話は終わり。誰が悪いかなんて決めなくて良いの”

ユ〇ギ

ユ〇ギ

、、そう、だな。

にこりと笑う〇〇の手には包帯が巻かれていて、ユ〇ギはそれを見る度心が痛む。

ユ〇ギ

ユ〇ギ

あのさ、

ユ〇ギ

ちょっと大事な話

ユ〇ギ

聞いてくれるか?

キョトンとする〇〇の頰を撫でながら話すユ〇ギの顔は穏やかで優しい。

ユ〇ギ

ユ〇ギ

最初はただの一目惚れでお前のことを興味本位で拾って。

ユ〇ギ

無理やりここに連れて来てからはお互いを知って好きになって。

ユ〇ギ

こんなのガラじゃないけど本気でお前を愛するようになって、毎日幸せというか

ユ〇ギ

ユ〇ギ

でも

ユ〇ギ

俺はこの世界じゃ常日頃から狙われていて、

ユ〇ギ

だから隣にいるお前も自然に標的になるし、表側の仕事としてやってるボスっていう立場ですら、休みはない、忙しい、でお前に全然構ってやれないし。

ユ〇ギ

ふつーにストレスぶつけまくってるし、、泣かせるし。

〇〇

ユ〇ギ

この前も、お前に自由を作ってあげようとしたのに、それもダメで。

ユ〇ギ

今回だって守ってやれなかった。

ユ〇ギ

、、もう、これ以上、お前が苦しむ姿は見たくない。

ユ〇ギ

だから、、

と、その時、タイミング良いのか悪いのか、ホ〇クとジ〇が寝室のドアを勢いよく開けて。

ホ〇ク

お邪魔しまーす!

と大胆にも入ってくる。

ユ〇ギと〇〇はビクリとして、咄嗟に身体の距離を離す。

ユ〇ギ

何だよ。

ユ〇ギ

いきなり。

ホ〇ク

お見舞いですよ!

ユ〇ギ

今大事な話してるから後で来いよ。

ホ〇ク

えー。

ジ〇

〇〇ちゃん、話があるんだけどいい?

〇〇は頷いた。

そしてジ〇と〇〇はテラスへ向かった。

ユ〇ギ

ホ〇ク

さっき、○○ちゃんに

ホ〇ク

別れを切り出そうとしたでしょ〜?

ユ〇ギ

ホ〇ク

やっぱり。

ホ〇ク

ダメだなヒョン。

ホ〇ク

〇〇ちゃんの気持ちも知らないで。

ユ〇ギ

あ?

ホ〇ク

ていうかなんでわかんないんですか。

ホ〇ク

もう、見てるこっちがイライラしちゃいます。ヒョンがこんなんだからあの子が傷つくんですよ。

ホ〇ク

あの子は命を張ったのにヒョンは簡単に逃げるんですか?

ユ〇ギ

ホ〇ク

あの子が何でヒョンをかばって刺したかわかりますか?

ユ〇ギ

ホ〇ク

ヒョンを本気で愛してるからですよ。

ホ〇ク

でもあの子からの愛をヒョンが簡単に捨てるって言うなら

ホ〇ク

僕の知り合いの男性に○○ちゃんのこと紹介しちゃおっかな♪

ユ〇ギは一瞬不機嫌そうな顔をして、

ユ〇ギ

それであいつが幸せになれるならそっちの方が、、

ホ〇ク

ヒョン!!!

ホ〇ク

なんで勝手に決めつけるんですか!

ユ〇ギ

それは、、

ホ〇ク

傷つくから?危ないから?

ホ〇ク

そんなの、、あの子はわかっててヒョンの側にいるんですよ。

ホ〇ク

あの傷。ヒョンのために負ったあの子の傷、ちゃんと責任取ってくださいよ

ホ〇クはそれだけ言って、部屋から出て行った。

ユ〇ギ

〇〇はというと、、

ジ〇

〇〇ちゃん?

ジ〇

この前も言ったように

ジ〇

僕は魔法戦士で人の心は読めるから

ジ〇

紙に文字は書かなくていいよ。

ジ〇

思っていることを僕の目を見て言って欲しい。

〇〇

(わ、わかりました。)

ジ〇

うん

ジ〇

〇〇ちゃん?

〇〇

(ん?)

ジ〇

〇〇ちゃんはお母さんのこと覚えてる?

〇〇

(正直、、あまり覚えていないです。)

〇〇

(でも、私をかばったせいでお母様は、、)

ジ〇

ジ〇

〇〇ちゃん。

ジ〇

全部自分のせいにしないで?

ジ〇

ってきっとお母さんも言ってると思うよ。

〇〇

〇〇はクレイモランのペンダントをジ〇に見せた。

ジ〇

これは?

〇〇

(クレイモランで暮らしているとき、それをずっとつけていたんです。)

〇〇

(もしかしたらこのペンダント、お母様もつけてたのかなって思って、、)

ジ〇

ジ〇

(“You're not born alone in this wonderful world.”)

ジ〇

(どんな意味なんだろう、、)

ジ〇

ねぇこのペンダント

ジ〇

ちょっと預かってもいい?

ジ〇

すぐ返すから

〇〇

(はい。)

〇〇はペンダントをジ〇に渡した。

ジ〇

ありがとう。

ジ〇

まぁ今日は〇〇ちゃんのお母さんについてちょっと知りたかっただけ

ジ〇

急に呼んで悪かったね

ジ〇

部屋でゆっくり休んでね

〇〇

(はい。ありがとうございます)

〇〇は部屋へ戻った。

〇〇がリビングに戻ると、ユ〇ギの様子がおかしかった。

なにやらソワソワしたり、オロオロしたり。

落ち着きがないというか、、。

〇〇

くいっとユ〇ギの服の裾を引っ張ると、

ユ〇ギ

何。

〇〇

“お話の続きは?”

ユ〇ギ

あ、あぁ。

ユ〇ギ

そういえば話の途中だったよな。

ユ〇ギ

ユ〇ギ

いや。また今度にする。

〇〇

“そう?、、わかった”

あれからまた2週間が経つが、〇〇の声はもちろん治らないままだ。

しばらく魔法学校も休んでいたが、

〇〇の希望で、喋れなくても学校には普通に登校して行くようになった。

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感動&涙&最高❗

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