鐘野 優悠
…さて……逝くか…
屋上で靴を脱ぎかけたそこに
灰谷 蘭
……今日で終わりかぁ…w……
三つ編みの先客に 声を掛けてしまった
鐘野 優悠
…なぁ、辞めろよ…
灰谷 蘭
え…?
灰谷 蘭
なんでだよ……
鐘野 優悠
…口を着いて出ただけ、本当はどうでもよかった…
灰谷 蘭
じゃあ……
鐘野 優悠
先を越されるのがなんとなく癪なんだよ
鐘野 優悠
何があったか話せ
灰谷 蘭
……実は…
三つ編みの奴は語る
灰谷 蘭
運命の人だった、どうしても…愛されたかったんだ……
鐘野 優悠
…くだらねぇ……巫山戯るな
灰谷 蘭
…え……
鐘野 優悠
そんな事くらいで俺の先を行こうとすんな
鐘野 優悠
欲しいものが手に入らないとか……奪われた事すらねぇ癖に……
灰谷 蘭
……そうだよな…話したら楽になった……
三つ編みの奴は消えてった
次の日
鐘野 優悠
……今日こそは……
今日こそはと靴を脱ぎかけたら そこに
三ツ谷 隆
……はぁ…
背の低い奴 また声を掛けてしまった
鐘野 優悠
……なぁ…辞めろよ……
三ツ谷 隆
…え……
鐘野 優悠
…何があった…?
三ツ谷 隆
……実は…
背の低い奴は語る
三ツ谷 隆
無視されて奪われてさ……居場所がねぇんだ…
鐘野 優悠
…それだけかよ……巫山戯るな、それだけで俺の先を越そうとか……
三ツ谷 隆
え…?
鐘野 優悠
それでも家では愛されてさ…?暖かいご飯もあるんだろ…?
三ツ谷 隆
……はは……腹減ったわ…
背の低い奴は消えてった
そうやって何人も 何日も声をかけ続けた
鐘野 優悠
……俺の話は……出来ないままか……
黒いカーディガンの奴……
ある日、初めて見つけたんだ 似た様な悩みの奴……
佐野 万次郎
……やっと…
鐘野 優悠
なぁ、待てよ……何があった?
佐野 万次郎
………実はさ……
カーディガンの奴は語る
佐野 万次郎
…俺は……家に帰る度に増え続ける痣を消し去るために来たんだ……
口を着いて出ただけ 本当はどうでもよかった
鐘野 優悠
……なぁ…やめてくれよ……
佐野 万次郎
……えっ…?
鐘野 優悠
俺には止められない……
鐘野 優悠
止める……資格がない…
佐野 万次郎
…それなら……
鐘野 優悠
それでもここからは消えてくれ……!お前を見てると苦しいんだ……!
佐野 万次郎
……なら……今日は辞めるわ……
黒いカーディガンの奴は目を伏せたまま消えてった
次の日
鐘野 優悠
…今日こそは誰もいねぇ……
鐘野 優悠
俺一人だけ……
鐘野 優悠
誰に邪魔されねぇ……邪魔してはくれねぇ……
上着は脱いで イヤホンは外して 背の低い俺は
鐘野 優悠
……今から飛ぶ……
鐘野 優悠
……じゃあな、この世界…