気づかなかった

青黄

自傷表現あり

基本なんでも許せる人のみ

ご本人様とは一切関係ありません

僕はよく落ち着かなくなると頭を叩く癖がある

でもそんなことは無意識で

彼に指摘されるまでずっと気づかなかった

ふと時計を見ると

短針が５に差し掛かっていた

またこの時間まで作業をしてしまっていたのかと溜息が溢れる

るぅとくんいつもお疲れ様です！ 無理しないでゆっくり休んでね！

リハーサルお疲れ様です！ 今日くらいは早く寝てゆっくりしてね！

最近頑張りすぎじゃない？ 無理しないでね、

自分宛てのリプを見漁る

僕のリスナーさんはみんな優しいから"無理しないでね"って言ってくれる

でも時には無理してでも頑張りたい瞬間がある

そんな時はこんなリプが億劫に感じてしまう

悪気は無いし僕ことを思ってのことだって理解してるのに

こんな事を考えてしまう自分が嫌になる

頭が混乱してきて物事を上手く考えられなくなって

息が苦しくなってくる

落ち着け自分ｯ

落ち着いて考えろ

そう思えば思うほど身体が言うことを聞かなくなっていく

いきなり身体が温もりに包まれて

その言葉で自分が自分の頭を叩いていたことに気がついた

以前からこんな風に取り乱すことは少なくなかった

でも静かに自分の部屋で起こっていたから気づかれる事なんてなかった

今日は歌詞が思いつかなくて気分転換でリビングで作業を進めていたから 寝ていたはずの彼が起きてきてしまったのだ

自傷行為をしていたって思われるのが嫌で、怖くて、

とっさに嘘をついて

笑顔の仮面をつけた

なのに彼は

そう言って

何もかもお見通しですよ、みたいに

僕を包み込んでくれる

彼に隠し事はできないと思って自然と涙が溢れて止まらなくなる

あれから自分の抱える自己嫌悪を全て話した

優しさを素直に受け取れないこと

いつまでも過去のトラウマに囚われていること

自分の音楽の才能の無さに落ち込むこと

話してる時は無我夢中で

きっと今は涙で顔がぐちゃぐちゃなんだろう

でも誰かに話せたってだけでも

雁字搦めになっていた呪いが放たれたみたいで

少し気持ちが楽になった

次の日彼が

って言ってくれて僕の身体に向き合ってくれた

診断は躁鬱

まさか自分が病気だとは思わなくてショックだったけど

君は僕を突き放すことなく

それでやっと今までどれだけ自分が支えられてきたか気づいた

ずっと苦しくて周りを見る余裕もいつのまにか無くなっていたけど

これからは1人じゃないから

進んでいける気がする